フランスの古城といえばロワール川のものが有名です。街を見下ろすようにそびえ立つお城や森に囲まれたお城、川の上に優雅にたたずむお城と、どれも実物を見てみたくなりますよね。
今回はそんなロワール川の古城を訪れる方法を覗いてみましょう。
ロワール川沿いのお城に行こう
今日の花子さんは小旅行の予定を計画中。マリーさんに旅行先について質問しているようです。
Hanako: Est-ce que tu as déjà visité les châteaux de la Loire?
ロワール川のお城って行ったことある?
Marie: Oui, J’en ai déjà visité quelques-uns.
ええ、いくつか行ったわよ。
Hanako: Quel château préfères-tu?
どのお城が一番好き?
Marie: Difficile à choisir…Ils sont tous très beaux.
難しいわね…どれもとても美しいもの。
Hanako: Je compte les visiter prochainement. Mais je ne sais pas choisir lesquelles.
近々行こうと思っているの。でもどれに行くか選べなくて。
Marie: Tu peux visiter ceux qui sont connus, comme le château de Chambord, le château de Chenonceau, et le château d’Amboise…
有名なお城に行けばいいわよ。例えばシャンボール城、シュノンソー城、アンボワーズ城とか…
Hanako: Oui, ils sont déjà dans ma liste.
ええ、それらはもう私のリストに入っているわ。
Marie: Après, ça dépend combien de jours où tu y resteras.
後は、どれだけ滞在するかによるわね。
Hanako: Je compte partir pour trois jours et deux nuits.
二泊三日のつもりよ。
Marie: Dans ce cas, tu pourras visiter aussi l’autre côté de Tours. Il y a aussi des châteaux sympathique.
じゃあ、トゥールの反対側にも行けるわね。素敵なお城があるわよ。
Tu y vas en voiture?
車で行くの?
Hanako: Bien sûr.
もちろん。
Marie: Tu pourras commencer par le château le plus proche de Paris, et tu visiteras le prochain château en suivant la Loire.
パリに一番近いお城から始めて、ロワール川に沿って次のお城に行けばいいわよ。
Comme ça, tu ne perdras pas de temps.
そうすれば時間を無駄にしないから。
ポイント
châteaux de la Loire
「château」は「お城」、「Loire」は「ロワール川」のこと。「châteaux de la Loire」は「ロワール川沿いの古城群」のことです。
prochainement
「prochainement」は「近いうちに」という意味。はっきり日時が決まっていない時にも便利な表現です。
partir pour
「partir pour」は後ろに期間がくると、「○○の期間出かける / ○○の期間バカンスに出かける」という意味になります。
同じ「partir pour」という表現でも、後ろに地名がくると「〇〇に行く」という意味になります。
Je parte en vacance pour une semaine.
一週間のバカンスに行きます。
Il est parti pour paris à six heures du matin.
彼は朝の6時にパリに向けて発った。
trois jours et deux nuits
「trois jours et deux nuits」は「三日と二晩」、つまり「二泊三日」のことです。
「nuit」は「夜」のことですが、「宿泊」という意味もあります。ホテルの予約などでも「combien de nuit? 何泊ですか?」と聞かれるので覚えておくと良いですね。
ロワール川沿いの古城を訪れる方法
車で訪れる
ロワール川沿いの古城のほとんどが、アクセスするのに車が必要です。パリでレンタカーを借りてしまうのが一番効率的で、見たいお城を回ることができます。
ロワール川沿いの古城お城はロワール川のすぐそばにあるもの、川から田舎道を20~30分ほど離れたところにあるものがありますが、大まかに見れば川に沿って建っています。
そのため、パリから出発するなら川の上流からトゥールの街に向かって、お目当てのお城を順に巡っていくと良いでしょう。
一日で3つ、頑張れば4つほど見学することができるので、一日の最後のお城のあるあたりでホテルを取っておくと便利。
翌日はまた下流に向かうようにお目当てのお城を見学し、また最終地点でホテルを取る、というように、数泊する場合は違う場所に泊まるのがおすすめです。
そしてお城巡りで疲れた最終日は、最後のお城を見た後、高速道路で一気にパリまで帰ってしまいましょう。ロワール川の側を高速道路が走っているので、2~3時間程度で帰ってこれますよ(夕方の渋滞につかまらなければですが…)。
ツアーで訪れる
フランスで車の運転はしたくないという場合は、パリやトゥールの街から出発の観光ツアーを使うと代表的なお城を巡ることができますよ。
パリ発の観光ツアーは有名なお城を3つほど巡る日帰りのものがほとんどです。
もっとたくさん見たい、もっとゆっくり見たいという方は、トゥール発のツアーがおすすめ。いろいろなツアーがあるので、パリ発ツアーより行きたいお城に行ける確率が高くなります。
自転車で訪れる
ロワール川沿いの古城を自転車で巡っている人たちもいます。
サイクルウエアに身を包み、ヘルメットも被った本格的な人も多いですが、子供連れの家族なども自転車でお城巡りを楽しんでいます。
貸自転車屋もあるので、脚力に自信がある人は試してみてはいかがでしょうか。
ロワール川沿いの古城はパリ旅行中でも行きやすい距離なので、ぜひ訪れてみてくださいね。
どのお城も大きく、庭の面積も広いので歩きやすい靴で行くのがおすすめです!
おすすめの城6選
ロワール川沿いの古城は数多くあるため、どこに訪れようか悩んでしまいますよね。今回は優先して行きたいお城を紹介します。
おすすめロワールの古城6選
人によってどんなお城を観光したいかは違い、それによってどの古城がおすすめかは違ってしまいます。
そこで今回はフランスのロワール川古城の公式サイトがおすすめしているランキングから、上位1~6位をご紹介します。
Château de Chenonceau
「Château de Chenonceau」は「sur le Cher」つまり「シェール川の上」にまたがるように建てられた優美な古城。ユネスコにも登録されています。
「Henri II」の愛妾であった 「Diane de Poitiers」や正妻の「Catherine de Médicis」など、6代にわたる城主が女性であったため「Château des Dames 貴婦人たちの城」と呼ばれています。日本では「6人の奥方たちの城」と呼ばれることも多いですね。
お城だけでなく3つの庭も見ごたえがあるので、時間に余裕をもってゆっくりと散策するのがおすすめです。
Château de Chambord
ロワール川沿いの古城の中で一番訪問者が多いのが「Château de Chambord」です。「 François 1er」の命によって建てられました。
「Léonard de Vinci」の影響を受けたルネッサンス様式の古城の見どころの一つは「escalier à doubles révolutions 二重のらせん階段」です。お城のホールの中心にあり、どの入り口から入っても一番に目に入るこの階段は、まさにお城のシンボルともいえるでしょう。
Château de Villandry
「Château de Villandry」はお城よりも、幾何学模様が美しい「jardin à la française フランス式庭園」が有名です。
お城から一番近い部分には愛がテーマになっていて 「 jardins d’Amour 愛の庭園」と呼ばれています。
そして「Le Potager 菜園」も見どころの一つ。9つの正方形の区画に分かれていますが、それぞれが違う野菜、違う形のシンメトリックになっていて、菜園というイメージを覆す美しい「jardin à la française」です。
Château de Blois
「Château de Blois」は「château royal 王城」と呼ばれる通り、13世紀から17世紀にかけてフランス王家の中心地となった古城です。7人のフランスの王と10人の王妃が居城しました。
有名な中庭の「escalier à vis 螺旋階段」だけでなく、 ロワールの古城の中でも最大の城内展示コレクションや、テラスから臨む「la Loire ロワール川」や旧市街の街並みも見ごたえがあります。
「Château de Chenonceau」や「Château de Chambord」のように森に囲まれているのではなく、街の中にありパリから電車のみでアクセスできるので、比較的訪れやすいお城の一つです。
Château du Rivau
「Château du Rivau」は13世紀の「forteresse 要塞」を改修したこじんまりとした古城です。
このお城も庭園が有名で、「Château de Chenonceau」や「Château de Villandry」と同様に「フランス文化省の「Jardin Remarquable 素晴らしい庭園」にも登録されています。
ロワールの古城の「jardin」といえばシンメトリックな「jardin à la française」が主流の中、こちらは自然主義の庭園です。
「contes de fées おとぎ話」がテーマ。14つの「jardin」がそれぞれ違う中世の伝説をテーマに作られています。
「Château du Rivau」は宿泊もできます。ルネサンス期の著名人をテーマにした部屋に宿泊して、領主気分を味わってみるのも楽しそうですね。
Château de Brézé
「Château de Brézé」はブドウ畑に囲まれた、フランスでも最古の建築物の一つに数えられる古城です。
このお城の特徴は「Un château sous un château」、つまり「1つのお城の下にもう一つのお城がある」ということ。16世紀~19世紀にかけて改築・改修された現在のお城の下に、5世紀~17世紀に渡り作られた地下道や部屋が存在しています。
またヨーロッパ最大の空堀も見どころの一つです。
まとめ
フランスのロワール川沿いの古城を6つご紹介しました。
日本でも有名なものから、あまり有名でないものまでありますが、公式サイトがおすすめするランキングなのでハズレはなさそうです。
実際に全ては廻るのは大変ですが、公式サイトを眺めるだけでも楽しいもの。フランス語の勉強にもなるので、ぜひ覗いてみてくださいね。