フランスのCM事情

  1. フランス語会話・勉強

国が違えば好まれるCMも違い、外国のCMを見て違いを発見するのも楽しいものですよね。おしゃれなイメージなフランスのCMは、やはりおしゃれなのでしょうか?

今回はそんなフランスのCMについて覗いてみましょう。

CMのあの人

今日の花子さんとマリーさんは街をお散歩中。マリーさんは街で見かけた男性が気になるようですが…?

会話

Marie: Regarde, l’homme qui est là-bas, je crois l’avoir déjà vu dans une publicité à la télé.

見て、あそこにいる男性、テレビのCMで見たことがある気がする。

Hanako: Où ça? … Je ne sais pas… Je ne regarde pas beaucoup la télé.

どこ?…さぁ…テレビをあまり見ないから分からないわ。

En plus, il n’y a quasiment personne de connu dans les publicités françaises.

それに、フランスのCMって有名人がほとんどいないでしょ。

Marie: C’est vrai. À part quelques pubs comme les parfums, ils sont inconnus.

そうね。香水みたいないくつかのCMを除いたら、無名よね。

Hanako: N’est-ce pas? Au japon, on choisit souvent des acteurs et des chanteurs connus pour les publicités de marques.

そうでしょ。日本だと、ブランドのCMには有名な俳優や歌手を起用するのよ。

On aime bien aussi des athlètes médaillés. 

メダルを取ったスポーツ選手も好きね。

Marie: Des athlètes, il y en a de temps en temps en France aussi, comme des judoka, ou des rugbyman.

スポーツ選手はフランスでも出るわね。柔道やラグビーの選手とか。

Hanako: Des nageurs aussi. Vous aimez les personnes plutôt musclées…?

水泳選手なんかも出るわね。フランス人って筋肉質な人が好きなのかしら…?

Ah, il y a aussi des autres différences entre le Japon et la France.

ああ、日本とフランスのCMの間には、他にも違いがあるわ。

Marie: Comme quoi?

例えば?

Hanako: Elles sont souvent avec des images sexy, et aussi c’est très ouvert aux problèmes quotidiens des femmes!     

セクシーなイメージのものが多いわよね。それに、女性の悩み事にもとてもオープンだわ。

フランスにある女性が映る古いテレビ。

ポイント

publicité

publicité」は「宣伝・広告」の意味。「テレビのコマーシャル」は「publicité à la télevision」です。

日常会話では「pub」と短縮されることも多いです。

marque

marque」は「印」や「ブランド・メーカー」を意味します。

服飾関係の有名な高級ブランドも、スーパーに並ぶお菓子や洗剤のメーカーも、フランス語では「marque」と一括りに…。分かりにくいので、高級ブランドは「grande marque」と呼ばれ区別されています。

スーパーなどで「marque」という場合は、その製品の代表的なメーカーを指すことが一般的です。そのスーパーのプライベートブランドなどの安めの類似品では無い物、という感じですね。

会話中では「ブランド」と訳していますが、その業界における代表的なメーカーというニュアンスです。

フランスで映画の拍子木を持った女性。

フランスのCMの特徴

日本とは違うフランスのCMの特徴を見てみましょう。

有名芸能人が出演しない

日本のCMには芸能人がたくさん出演しています。CMを見るだけで、その時に誰が人気なのかが分かるくらいですよね。

ところがフランスのCMには有名な芸能人ほとんど登場しません。「grande marque」の香水のCMには、世界的に有名な俳優が起用されることも多いですが、それ以外はほぼ無名の人ばかりです。

スポーツ選手が起用されることは日本と同様に多いですが、見かけるのは 「judoka 柔道の選手」や「rugbyman ラクビーの選手」「nageur 水泳選手」など。サッカー選手やテニスの選手も人気があるようです。

セクシーなCMが多い

フランスのCMは、とにかくセクシーなものが多いのも特徴です。

キスシーンはもちろん、男女のベッドシーンを想像させるものなど、日本人の感覚では子供に見せていいの…?と思ってしまう物が多々あります。

アイスクリームのCMでも、子供向けでない高級路線ものもはセクシー路線。朝食のシリアルのCMなのに、男女が一夜を過ごした翌朝をイメージさせるCMなども!

セクシーなわけではないですが、ボディソープやボディ用クリームのCMでは、裸のイメージもよく目にします。もちろん局部は隠れていますが、CMでこんなに露出してOKなんだ、とカルチャーショックを受けてしまいます。

女性の悩みにオープン

生理用品や局部のかゆみ、更年期の体調不良や尿漏れなど…女性特有の悩みは日本もフランスも同じでしょう。

違いはフランスのCMは女性の悩みにオープンであること。そして、年齢を重ねた女性向け商品のCMであっても、セクシーな女性が登場することです。

快適に過ごせますよというだけではなく、その商品を使うことで女性らしくセクシーなままでいられるということをアピールしています。

爽やかさや健康的なイメージをアピールする日本とは、女性が求めるものも違うのがうかがわれますね。

まとめ

フランスと日本のCMの違いをご紹介しました。他にもフランスのCMにはイメージの美しさを重視したものが多いなど、日本のCMとは違った良さもあります。

フランスでテレビを見る時は、CMの違いから文化の違いを感じ取ってみてくださいね。

※2020年11月の情報です。

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ソフィー(Sophie) この記事を書いた人

来日(1998年)以来23年間、日本でフランス語指導に携わるベテラン講師(京都在住)。パリでの生活経験も有します。最大の強みは、日本語でのコミュニケーションが可能な点です。
パリではECEインターナショナルスクールにてクボタ・ヨーロッパの従業員(日本人)に指導。来日後は、エスパス・フランセ語学学校、日本女子大学、桐朋学園高校、外務省、その他企業にて、初心者から上級者まで豊富な指導経験を有します特に初心者の方が躓きやすい発音について、「難しくない」と感じられるよう基礎から丁寧に指導することに注力しています。 忍耐強く、発音や文法を丁寧に繰り返し指導するのがモットー。グラフィックデザインのスキルを活かし、描画を取り入れた分かりやすい説明も得意です。ご希望に応じて英語でのフランス語レッスンや、アートレッスン(仏語/英語)も提供可能です。

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