駅に切符、時計など…日本語では一つの単語なのに、フランス語ではいくつもの単語に分かれていることがあります。
今回は、そんな日本人が間違いやすいフランス語の単語について覗いてみましょう。
駅で待ち合わせ
今日の花子さんとマリーさんは、一緒に電車で出掛ける日の待ち合わせ場所を決めているようです。
会話
Hanako: Où peut- on se trouver? À la station de métro?
どこで待ち合わせる?メトロの駅?
Marie: Je crois que ce sera plus facile à la gare où le train partira.
電車が出発する駅の方が便利だと思うわ。
Hanako: Sans problème.
分かったわ。
Marie: À la gare, il y a une grande horloge. On se trouvera dessous.
駅に大時計があるから、その下で待ち合わせましょう。
Hanako: Je ne sais pas où est l’horloge…Je n’ai jamais pris le train de cette gare.
どこに大時計があるか知らないの…この駅から出る電車を使ったことが無くて。
Marie: Alors, au guichet pour acheter des billets?
じゃあ、電車の切符を買う窓口は?
Hanako: Hum…je sais où acheter le ticket de métro…désolée…
う~ん…メトロの切符を買うところはわかるけど…ごめんなさい…
Marie: OK, on fait comme ça. Rendez-vous à sept heures, c’est bon?
OK、そうしましょう。7時に待ち合わせで大丈夫?
Hanako: Oui, notre réservation de train est à sept heures et demie.
ええ、電車の予約は7時半だもの。
On a même le temps de prendre un café avant de partir.
出発前にコーヒーを飲む時間だってあるわよ。
Marie: Oui, si on n’est pas en retard. N’oublie pas de mettre ton réveil!
そうね、私たちが時間に遅れなければね。目覚まし時計をかけるのを忘れないようにね!
間違いやすい単語
電車
- métro
- RER
- train
日本語では地下鉄もJRも、新幹線だって「電車」と一括りにすることができますが、フランス語では種類によって呼び分ける必要があります。
まず「métro」は「地下鉄」のこと。本来はパリの地下鉄のことですが、地下を走っていない部分も「métro」と呼びますし、パリ以外の地下鉄も「métro」と呼びます。
「RER」は「Réseau Express Régional」の略で、パリ郊外を走る「首都圏高速鉄道」のことです。
そして「train」は「列車 / 電車 / 汽車」の意味。一般的には「métro」や「RER」には使わず、長距離電車に対して使われます。
車などではなく公共交通機関を使うという意味で「電車で出かける」といいたいときは「transport en commun 公共交通機関」を使うと良いでしょう。
Je vais en transport en commun.
交通交通機関で出かける
駅
- gare
- station
フランス語で「駅」は、「gare」と「station」と使い分けが必要です。
「gare」は「train 列車 / 電車」の駅のことで、パリならリールなどフランス北部やイギリス行きの電車がでる「gare du nord 北駅」、ボルドーなどの南西部行きの電車がでる「gare de montparnasse」などがあります。
対して「station」は「métro」や「RER」が止まる小さな駅のこと。待合施設のある「bus バス」の停留所や、「taxi タクシー」乗り場にも使われます。
間違って「gare de métro」や「station de train」と言ってしまわないように注意しましょう。
電車の切符
- ticket
- billet
日本語で電車の切符という時、地下鉄と新幹線で単語が変わることはありませんが、フランス語では電車の種類で使い分ける必要があります。
「ticket」は「métro」や「RER」の切符、「billet」は「train」や「avion 飛行機」に対して使われます。
小さい方が「ticket」、大きい方が「billet」と覚えると簡単ですね。
時計
- montre
- pendule
- horloge
- réveil
日本語には「時計」という大きなくくりがあり、その中で〇〇時計と時計の種類を言うことができますが、フランス語ではこの大きなくくりの「時計」という表現がありません。
そのため、時計の種類ごとに単語を覚える必要があります。
時計といって真っ先に思い浮かぶであろうのが「montre」ですが、これは「腕時計」という意味。時計全般を表すことができないので注意が必要です。
時間を聞きたくて「tu as une montre? (腕)時計ある?」と聞いたとしても、携帯電話で時間を確認している人には「Non」と言われてしまうことでしょう。
「pendule」は「振り子時計 / 置時計 / 掛け時計」。家にある時計のことですね。
「horloge」は駅などにある公共の「大時計」、「réveil」は「目覚まし時計」です。
予約
- rendez-vous
- réserver
医者の予約をする、席を予約する、日本語ではどちらも同じ「予約」を使いますが、フランス語の「予約」は2つの表現を使い分けます。
「rendez-vous」はそもそもが「会う約束」という意味なので、医者や弁護士などの職業の人と会う約束を取り付ける=予約するときに使います。
prendre rendez-vous avec un médecin
医者の予約を取る
「réserver」は電車や劇場の席、ホテルの客室、レストランのテーブル等の予約、はたまた欲しい物の取り置き等に使います。
辞書で「予約」と引くと「réserver」が主に出てくるので、医者に予約電話を入れる時にも「Je voudrais réserver ~ と言いがちですが、正しくは「Je voudrais prendre rendez-vous」です。
医者以外にも、滞在許可証のための「préfecture 県庁」の予約も、銀行口座開設のための「banque 銀行」の予約も、予約したいのは担当者、つまりは人。そのため「réserver」ではなく「rendez-vous」を使う必要があります。
まとめ
日本語では一つの単語で表現できるのに、フランス語では複数の単語に分かれている場合、ついつい間違えがちです。
和仏辞書を調べる時は、その時必要な単語だけ確認するのではなく、全体に目を通すようにすると、”この単語はこの意味”との思い込みからの間違いと減らすことができますよ。