ついうっかり間違ってしまって、フランス人から「違うよ」と突っ込みが入ってしまう表現はいろいろあります。
前回に引き続き、日本人が間違いやすいフランス語単語を覗いてみましょう。
買い物中に家でおやつを
今日の花子さんとマリーさんはショッピング中。疲れたので休憩しようかと話しているようです。
会話
Marie: J’adore faire les magasins, mais c’est quand même fatigant…Dis, on fait une petite pause au café?
ショッピングするのは好きだけど、疲れるわよね…ねぇ、カフェでちょっと休憩しない?
Hanako: C’est une bonne idée! C’ est un peu tôt pour le goûter, mais ça fait du bien de grignoter quelque chose quand on est fatiguées.
良いわね!おやつにはちょっと早いけど、疲れているときに間食するのは良いものね。
Marie: J’ai envie de manger une bonne glace!
大きいアイスが食べたいわ!
Hanako: Dans ce cas, je te propose de venir chez moi, il y a une bonne glace et un sorbet que tu aimes.
じゃあ、家に来るのをおすすめするわ。あなたが好きな美味しいアイスとソルベがあるのよ。
En plus, mon appartement est à deux pas d’ici.
それに、私のアパートはここからすぐだし。
Marie: Cela me tente beaucoup. Alors, on y va?
とっても魅力的ね。じゃあ、行きましょうか?
Hanako: Tu peux m’attendre juste un peu? Je voudrais faire quelques courses à la supérette là-bas.
ほんの少しだけ待ってくれる?あそこの小さいスーパーでいくつか買い物したいの。
Marie: De quoi as- tu as besoin?
何が必要なの?
Hanako: Il n’y a plus de tisane. Je crois que tu ne bois ni de thé ni de café l’après-midi.
ハーブティーがもう無いの。あなた、午後はお茶もコーヒーも飲まなかったわよね。
Marie: Ne t’embêtes pas, la glace me suffira.
そんなの良いわよ。アイスがあれば十分よ。
間違いやすい単語
買い物
- faire les courses
- faire les magasins / du shopping
フランス語で「買い物をする」とでいう時、食品などの日用品の買い物か、服やバッグなどの買い物かで表現を使い分ける必要があります
食品などの買い物は「faire les courses」、服などのショッピングは「faire les magasins / du shopping」。
ちなみにウィンドーショッピングは「faire du lèche vitrines」といいます。「lèche」は「lécher なめる」、「vitrine」は「ショーウィンドー」。いろいろなお店のショーウィンドーをなめるような近さで見て回る、というイメージです。
おやつ
- goûter
- grignoter
日本語で「おやつ」は3時のおやつのことですが、それ以外の時間の間食のことも「おやつ」と呼ぶことがありますよね、
フランス語の「goûter」は「午後のおやつの時間のおやつ」のこと。フランスは午後3時ではなく4時がおやつの時間のため、午後のおやつのことを「quatre-heures 4時」とも呼びます。
「goûter」や「quatre-heures」は、午後のおやつの時間のおやつ以外には使いません。
対して「grignoter」は「間食する」という意味で、おやつの時間以外のおやつに対しても使うことができます。
午前中や午後の遅い時間など、何かおやつが食べたい=間食したい、という時には、「goûter」ではなく「grignoter」を使いましょう。
アイス
- glace
- sorbet
アイスクリームやシャーベットなどの氷菓子を、まとめて「アイス」と呼ぶことが多いですよね。ところがフランスでは、乳製品入りかどうかで「アイス」の呼び方を変える必要があります。
フランス語の「glace」は「氷」という意味もありますが、「アイス」の意味で使う場合は「乳製品や卵入りのアイスクリーム」のこと。「sorbet」は果汁などの「シャーベット」のことです。
フランスでシャーベットに対して「glace」と言ってしまうと、「Non, ce n’est pas la glace. いいや、それはアイスクリームじゃない」と突っ込みが入ってしまうのです。
自分の家
- maison
- appartement
- studio
- chez moi
マンションに住んでいても人を自宅に誘う時「家においでよ」と言いますよね。
「家」は一軒家のことも意味しますが、住居という意味でも使うので、一軒家だろうがマンションだろうが、関係なく「家」と言っても問題ありません。
フランス語で「家」は「maison」ですが、これは「一戸建ての家」だけを指します。そのためマンションなどに住んでいる場合は「maison」を使うことはできず「appartement 数室ある集合住宅」と言います。
一見「maison」でも、内がいくつかの住居に分かれている場合も「appartement」です。
また「ワンルーム」の場合は「appartement」でもなく「studio」と呼びます。
「自分の住んでいるところ」という意味での「家」に、つい「maison」を使ってしまいがちですが、パリなどで「maison」に住んでいるというと、そんなお金持ちなの!?とビックリされてしまうことでしょう。
また「chez moi」は「私の家(私の住んでいる所)」という意味で、住居形態にかかわらず使うことができて便利です。
「moi 私の」の代わりに「toi / vous あなたの」「lui / elle 彼の / 彼女の」などに変えて使えば、相手がどんな所に住んでいるかわからなくても「あなたの家」ということができますね。
お茶
- thé
- tisane
日本で「お茶」という時の範囲は広く、緑茶や紅茶などのいわゆるお茶だけでなく、麦茶やハーブティーなども「お茶」と呼びます。「お茶をどうぞ」と言われて麦茶がでてきても違和感を感じませんよね。
フランス語の「お茶」は「thé」。これはチャノキの葉や茎を使用したもののことです。緑茶や紅茶、ウーロン茶などが当てはまります。
ハーブやフルーツ、お花などが原料の「お茶」は「tisane」と呼び、フランス語では「thé」と「tisane」が明確に分けられています。麦茶もフランスの場合「thé」はなく「tisane」ですね。
例外は「ルイボスティー rooibos」で、本来は「tisane」ですが「thé rouge」と呼ばれることがあります。
まとめ
家やお茶にアイス…日本語なら一つの単語で表現できて便利なのに、フランス語だといくつかの単語を使い分ける必要があり、間違いやすいものです。
何度も口にし慣れることで、正しい単語がするっと出てくるようになります。生活に密着した単語から覚えていってくださいね。