オノマトペは短い単語で食べ物の美味しさや食感を表現できますが、フランス語にはしっくりくるオノマトペが無く、美味しさを伝えるのに苦労してしまうものです。
前回の会話文に登場した、日本語のオノマトペのフランス語表現を引き続き見ていきましょう。
日本語オノマトペのフランス語表現
モチモチ
お餅の食感である「モチモチ」は和菓子を説明する時には欠かせない表現ですよね。
フランスでもお餅を使ったお菓子が売られるようになり、それを食べたことのあるフランス人には「comme un mochi 餅のような」で通じるようにもなりました。
ところがグルメの国の割には新しいものに拒否感を示すフランス人は多く、「mochi」を食べたことのない(食べる気のない)フランス人はまだまだ沢山います。
そんな人に餅を食べてもらおうと、どんなものか説明するなら「souple しなやかな」「moelleux ふんわりとした / 柔らかな」そして「élastique (ゴムの様に)柔軟な」といえば食べてくれるかもしれません。
他にも「gluant ねばねばした」や「collant 粘着の」という表現も使えますが、食べ物に使うにはネガティブな印象を与えるので、初めての人にお餅をおすすめする時には使わない方が良いかもしれません。
プルプル
ゼリーのような「プルプル」の食感は「comme une gelée ゼリーのような」「gélatineux ゼリー状の」ということができます。
ただゼリーといっても、固めもあれば柔らかいものまでありますよね。「プルプル」の場合は柔らかいゼリーなので「comme une gelée moilleuse 柔らかなゼリーのような」というと「プルプル」のイメージに近づけます。
アツアツ
日本人は温かいものは温かいまま、「アツアツ」の状態で食べるのが好きですよね。そんな「アツアツ」は「bien chaud とても熱い」と表現しましょう。
ところでフランス人は猫舌なのか「アツアツ」を嫌い、少し冷ましてから食べる人が多いようです。ラーメンなどの麺類も冷めるまで待ってるのを見ると、早く食べて、伸びちゃう!といいたくなるものです。
そんな時は下記の様に声をかけてみましょう。
Mange pendant qu’il est bien chaud et bon. Quand il refroidit, ce sera moins bon.
アツアツで美味しいうちに食べて。冷めたら美味しくなくなるわよ。
トロトロ
柔らかくて「トロトロ」と流れてくるような食べ物には「coulant ドロドロの」という表現が使えます。
熟成してて中心がトロトロのチーズ、シュークリームにかぶりつくとトロっと溢れてくるカスタードクリームなどですね。
ドロドロというと悪いニュアンスを感じてしまいますが、そんなことは無く日本語の「トロトロ」と同じニュアンスで使うことができますよ。
他には「fondant とろける」という表現もあります。こちらは柔らかくて口の中でとろける食感を表します。
口に入れたとたんにとろけるチョコレートや、柔らかなキャラメルなどに使いましょう。
サクサク
「サクサク」のクッキーには「sableux 砂の混じった」という表現を使いましょう。
砂の混じったなんて聞くと、砂を含んだアサリを想像してしまいそうですが、「砂の様にサラサラ=サクサク」となるのです。
サクサクのクッキーのことをフランス語では「sablé」と呼びますが、この単語も「sable 砂」から派生していますね。
そんな「sableux」はサクサクで、かつ口の中でさらっとなくなるようなものに使いますが、例えば天ぷらやコロッケの表面など揚げ物が「サクサク」の場合はどう表せばいいのでしょうか。
そんな「サクサク」には「léger 軽い」という表現が使えます。「軽く揚がった揚げ物=表面はべちゃっとせずサクサク」ということです。
「croquer (噛むと)カリカリいう」を使って「ça croque légèrement 少しカリッとする=サクサク」というと、揚げ物の食感がより伝わるかもしれません。
まとめ
前回に引き続き、食べ物に関する日本語のオノマトペのフランス語表現をご紹介しました。
ご紹介しているフランス語以外にも、いろいろな食べ物に例えたりとオノマトペをフランス語で表現する方法は他にもあります。
どんな表現が使えるか、話し相手により食感が伝わるかを考えてみるのも楽しそうですね。