フランス人の恋人とフランス式の家事

  1. フランス語会話・勉強

フランス在住日仏カップルあるある第三弾は、日常の家事のやり方で起こるスレ違いやイライラの原因をご紹介します。

日本でも男女でこだわりに差があり喧嘩の原因になったりしますが、日仏カップルの日本人はどんなことにイラっとしているのでしょうか?

フランス式家事のやり方

会話

今日の花子さんはマリーさんと一緒に食器洗いをしながら、家事の悩みについて相談しているようです。

Hanako: Comme il fait mauvais, le linge sèche mal.

お天気が悪いから洗濯物の乾きが悪いの。

Comment fais- tu pour que ça ne sente pas mauvais?

洗濯物が嫌なにおいがしないように、あなたはどうしてるの?

Marie: Je tourne la machine à quatre-vingt-dix degrés quand c’est possible.

(洗濯物の種類で)可能な時は90度で洗濯機を回しているわ。

Hanako: Et pour nettoyer la salle de bain? 

じゃあ、お風呂場の掃除はどうしてる?

Comme c’est humide, il y a de la moisissure en ce moment.

湿度が高いから、ここのところ、カビが生えちゃって。

Marie: Tu peux utiliser de l’eau de javel. Il n’élimine pas seulement la moisissure, il sent bon aussi !

次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使えばいいわ。カビを除去してくれるだけでなく、いい匂いだもの。

Hanako: Personnellement, je n’aime pas trop…il sent très fort.

個人的にはあまり好きじゃないのよね…臭いがきつすぎて。

Ah, il y a encore de la mousse sur cette assiette. Tu peux relaver?

あら、このお皿にまだ泡が残っているわ。もう一度洗ってくれる?

Marie: Ce n’est pas grave.

このくらい大丈夫よ。

フランスの白い背景にセーターを掲げる男性。

日本人が違和感を感じるフランス人の行動

洗濯の温度

日本ではドラム式洗濯機が増えてからお湯で洗濯する人も増えていますが、昔ながらの洗濯機を使うならお湯でなく水が基本ですよね。日本は軟水なので水でも汚れが落ちやすいという背景もあります。

ところが硬水のフランスでは、洗濯といえばお湯を使うのが当たり前。普通の洗濯物なら40度、タオル類なら60度、除菌したいときは90度という高温で洗う人も珍しくはありません。

フランスは室内干しが多く菌が発生しやすい環境といえど、90度もの高温で洗濯をすると生地が傷みそうで抵抗を感じてしまいませんか?

洗えるなら90度で洗って殺菌したいフランス人を理解はできても、心から同意するのは難しく、何度で洗濯をするかで揉めることになってしまうのです。

洗濯をしてくれて喜んでいたら…

いつもは自分がする洗濯をフランス人パートナーがしてくれると、嬉しいなと思うことでしょう。

ところが彼らは自分が洗濯をするときは、自分好みの温度設定にしてしまいます。そのせいでお気に入りの服が縮んでしまい有難迷惑…なんてケースもあるのです。

洗剤類の匂い

フランス人は洗剤の匂いが大好きです。そして掃除にどんどん洗剤を使います。

エコロジーを意識する人が増え、酢と重曹で掃除するというフランス人も増えてはいますが、まだまだ化学薬品信仰は強く、用途別の洗剤を揃えている人も少なくありません。

そんなフランス人が大好きなのが「eau de javel 次亜塩素酸ナトリウム水溶液」。塩素系殺菌剤の一種で、お風呂場のカビ掃除から、床のタイル掃除、洗濯物の漂白とフランス人家庭で大活躍しています。

そして「eau de javel」入りの水で床掃除をした後は、真水での二度拭きをせずそのまま乾かします。

塩素系の例にもれず、独特の強い臭いがするのですが、この臭いもフランス人に取ったら良い匂いだそうで、これで掃除した後、彼らはこういうのです。

Ça sent propre.

清潔な匂いがする。

日本人からしたら化学薬品の臭いだし、そんな臭いの充満した中で過ごしたくないですよね。早く換気をしたくなります。

そして、できれば使用量を抑えてほしいな、と思ってしまうことでしょう。それでもフランス人にとっては「eau de javel」=清潔なので、なかなか使用量や使用方法を変えようとはしてくれないのです。

石鹸と泡がたっぷり入ったフランス風のバスタブ。

食器洗い

食器類を手で洗う時、日本人は流水の下でしっかりすすいで、泡が残っていないかを確認します。泡が残っていると洗剤を口に入れることになるので、拒否感がありますよね。

フランス人の食器の手洗い方法は、まず二つに分かれた流しの両方に水を溜めます。そして片方に洗剤と汚れた食器を入れます。

スポンジで食器をこすったら、もう片方のきれいな水の入った流しにくぐらせてすすぎはお終い!

そのため、汚れは落ちていても泡が付いていたり、ヌルっとした手触りだったり…もう一度しっかり流して!と言いたくなります。

基本の洗い方が上記のような方法のため、水を溜めずに洗う場合でも、すすぎはさらっとで終わってしまうのです。

何度もきちんとすすいでとお願いしても、さらっとで終わらせてしまうフランス人パートナーにイライラ、もうしなくていい!と腹を立ててしまうかもしれませんね。

逆にフランス人から見ると日本人の食器洗いは、水を流しっ放しで勿体ない、とイライラするようです。

まとめ

家事はこだわりがある人が好きなようにすれば良いのですが、お互いにこだわりる場所が違ったり、自分はしないのにこだわりを押し付けたりすると喧嘩の原因になってしまいます。

そもそもの常識が違う日本人とフランス人ですから、批判するだけでなく相手の常識を理解しようとする姿勢が必要になりそうですね。

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