フランスのラマダン

  1. フランス語会話・勉強

日本ではあまりなじみのないラマダンですが、フランスでは耳にすることも多い言葉です。

今回はフランスのラマダンについて覗いてみましょう。

ラマダンのお裾分け

会話

Marie: Est-ce que tu veux manger des gâteaux arabes?

アラブのお菓子を食べる?

Une amie musulmane m’en a beaucoup offert.

イスラム教の友達が沢山くれたの。

Hanako: Ça a l’air très bon! 

とっても美味しそうね!

C’est vrai que c’était le ramadan. Ton amie le fait aussi?

そうえいばラマダンだったものね。お友達もやってるの?

Marie: Certainement. Heureusement cette année, ça tombe au printemps, sinon…

もちろん。今年は幸いなことに、春だったからね。そうじゃないと…

Hanako: J’imagine qu’il doit être très difficile sans rien manger ni boire du lever du soleil au coucher du soleil.

日の出から日の入りまで飲まず食わずだなんて、とても大変でしょうね。

Marie: Oui, surtout en été. Le pire, de six heures jusqu’à vingt-deux heures, ils font le jeûne.

そうね、特に夏は大変よね。一番ひどいときなら、6時から22時まで断食するのよ。

フランスをイメージした時計とフォークが描かれたプレート。

ポイント

musulman

musulman(e)」は「イスラム教徒」という意味。「イスラム教」は「Islam」です。

islamiste」という単語もありますが、こちらは「イスラム原理主義者」を意味します。テロリストなど過激なイスラム教徒を指すことが多いので、普通のイスラム教徒に間違っても使わないように注意が必要です。

ramadan

ramadan」は「ラマダン/ラマダーン」。イスラム歴の第9月のことで、断食をする月に当たります。

断食以外にも性行為やケンカなども慎み、さまざまな私欲を捨て、信仰心を高めることを目的としています。

この期間には恵まれない人への寄付を行うイスラム教徒も多いようです。

du lever du soleil au coucher du soleil

lever du soleil」は「日の出」、「coucher du soleil」は「日の入り」の意味。「du lever du soleil au coucher du soleil」は「日の出から日の入りまで」となります。

ramadan」は断食をする月ですが、その期間中ずっと断食するわけではありません。

断食するのは「du lever du soleil au coucher du soleil」の間だけ。とはいえ、夏の「lever du soleil」は大体6時、「coucher du soleil」は22時頃です。

クーラーがほとんど無いフランスの夏に、約16時間も飲まず食わずというのはとてもつらいことでしょう。

※実際は空が明るくなり始めたら飲食禁止になるそうで、もっと早い時間から断食する必要があるようです。

jeûne

jeûne」は「断食」のこと。「ramadan」中の「jeûne」は全ての「musulman」が行うわけでありません。小さな子供やお年寄り、病人や授乳中の女性などは行わなくても良いとされています。

子供は「puberté 思春期」を迎えたら義務となり、男の子は13歳ごろから、女の子は11歳ごろから行います。大人でも大変な「jeûne」を10代前半の子どもが行うなんて、凄いことですね。

フランスでヒジャブをかぶった女性がろうそくの前で祈っている。

フランスのラマダンの様子

フランスでは身近な行事

日本ではなじみのない「ramadan」ですが、フランスは人工の約8%が「musulman」であるため、とてもなじみのある行事です。

ramadan」が近づいてくると、普通のスーパーなどのチラシにも「jeûne」の後のご馳走のための食材が掲載されるようになります。

マリーさんのように「musulman」の友人から、沢山作ったアラブのお菓子のお裾分けを頂くこともあるでしょう。

テレビのニュースなどでも「ramadan」が始まったことを報道することも多いので、特に気にしていなくても「ramadan」の時期だな~と認識しているフランス人は多いのです。

ラマダン中の過ごし方

ramadan」で「jeûne」しているからといって、「musulman」の人々は仕事や学校を休むわけではありません。

イスラム教の国と違い「ramadan」だからといって特別な配慮がないため、普通に仕事や学校に行く必要があるのですね。

【周りの人は普通に過ごそう】

朝早くに食事をしても昼には普通にお腹が空くでしょうし、夕方ともなれば見ていても辛そうということもあります。

もし「musulman」の友人や同僚がいる場合、目の前での飲食を避けるなどの気遣いをしたくなりますが、気を遣われると申し訳なく感じる方も多いようです。

まとめ

フランスの「ramadan」についてご紹介しました。

フランスでは「musulman」が多いだけに、友人や家族が「jeûne」をすることもあるでしょう。いわゆるフランス文化ではありませんが、日本では知ることのない異国の文化に触れるのも興味深いですね。

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ソフィー(Sophie) この記事を書いた人

来日(1998年)以来23年間、日本でフランス語指導に携わるベテラン講師(京都在住)。パリでの生活経験も有します。最大の強みは、日本語でのコミュニケーションが可能な点です。
パリではECEインターナショナルスクールにてクボタ・ヨーロッパの従業員(日本人)に指導。来日後は、エスパス・フランセ語学学校、日本女子大学、桐朋学園高校、外務省、その他企業にて、初心者から上級者まで豊富な指導経験を有します特に初心者の方が躓きやすい発音について、「難しくない」と感じられるよう基礎から丁寧に指導することに注力しています。 忍耐強く、発音や文法を丁寧に繰り返し指導するのがモットー。グラフィックデザインのスキルを活かし、描画を取り入れた分かりやすい説明も得意です。ご希望に応じて英語でのフランス語レッスンや、アートレッスン(仏語/英語)も提供可能です。

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