フランス料理の定番である鶏の丸焼きは、マルシェや総菜屋・肉屋の店先などでクルクル回り、良い匂いを漂わせています。
今回はそんな鶏の丸焼きに関するフランス語を見てみましょう。
目次
鶏の丸焼きを買おう
マルシェで買い物中の花子さんとマリーさん、お昼が近づきお腹が減ってきたようです。
会話
Hanako: Que ça sent bon, ces poulets rôtis…ça me donne faim!
この鶏の丸焼き、なんていい匂いなのかしら…お腹がすくわ!
Marie: C’est vrai, en plus il est bientôt midi.
本当ね、それにもうすぐ12時よ。
Est-ce que ça te dirait de manger ce poulet rôti chez moi?
この鶏の丸焼きを、私の家で食べるなんてどうかしら?
Hanako: C’est une bonne idée! Mais c’est trop grand pour nous deux.
なんていいアイデア!でも私たち2人には大きすぎるわ。
Marie: Ne t’inquiète pas. On peut acheter un demi poulet.
大丈夫よ。半分でも買えるから。
Regarde, il vend aussi une poulette.
見て、小さい鶏も売っているわ。
Hanako: Humm, moi je préfère le filet. Si tu préfères aussi, ce serait mieux d’acheter une poulette.
う~ん、私は胸肉が好きなの。あなたもそうなら、小さい鶏を買う方がいいわね。
Marie: Je n’ai pas de préférence. Si tu préfères le filet, je mangerai la cuisse.
特に好みはないわ。あなたが胸肉が好きなら、もも肉を食べるわ。
Hanako: Merci. Alors, qu’est-ce qu’on prend comme poulet, label rouge soit fermier soit normal ?
ありがとう。じゃあ、ラベル・ルージュと地元産の鶏、それとも普通の、どれにする?
Marie: Je préfère le poulet fermier. Et avec des pommes de terre rôties, bien sûr!
地元産の鶏がいいわ。それとじゃがいものロティもね!
鶏の丸焼きに関するフランス語
フランスのマルシェやお総菜屋さんの店先で、棒に刺さってクルクルと回っているのが鶏の丸焼き。
美味しそうな匂いや滴る肉汁に、見ているだけでお腹が空いてきてしまうものです。
poulet rôti
「poulet」は「若鶏」もしくは「鶏肉」のこと。食肉用の鶏を指し、雄か雌かは問いません。「rôti」は調理法の一種で、串焼きやオーブン焼きなどの「ロースト」のことです。
「poulet rôti」は「鶏肉のロースト」ですが、一般的には「鶏の丸焼き」を指します。
日本で「ローストチキン」というと鶏もも肉のローストのことも多いですが、フランスではど~んと一羽丸ごとが主流なんですよ。
poultte
「poulette」は「若い雌鶏」のこと。若い女性に対してや、愛称としても使われます。
そんな「poulette」ですが、文中では「小さなサイズの鶏」の意味で使われています。
「poulet rôti」は4〜6人で食べるようなサイズの鶏が一般的ですが、お店によっては2人で食べ切れるような小さなサイズの「poulette」が売られていることもあります。
普通サイズの「poulet rôti」だと、一人が食べるのは一つの部位ですよね。「poulette」なら二人で一羽を食べてちょうどいいサイズ感。もも肉も胸肉も食べたいという人にはおすすめです。
鶏の丸焼きの部位
- filet / blanc de poulet 胸肉
- aiguillette ささみ
- cuisse もも肉
haut cuisse もも肉の関節より上の部分
pilon もも肉の関節より下の部分 - aile 手羽
aileron 手羽先
manchon 手羽元
鶏の丸焼きの種類
「poulet rôti」はお店によっては普通のブロイラーの鶏以外にも、ブランド鶏や品質保証ラベルの付いたもの、地鶏なども売られています。
label rouge
よく見かける表示は「label rouge」。フランス政府が定義している品質保証のマークです。
「label」は「ラベル・品質保証章」、「rouge」は「赤」、赤地に白文字で「labelRouge」と「R」が大きく書かれたラベルが目印です。
放し飼いで最低81日以上の飼育期間であること、その飼料や飼育面積などに細かい決まりがあります。
fermier
「fermier」は「農民、農場の」という意味。「poulet fermier」は小規模の養鶏場の鶏や、一日の販売数が50羽以下のとても小さな養鶏場からの直接販売等の物を指します。
大規模のブロイラー鶏ではないですよ、という意味ですね。文中では「地元産の鶏」と訳しています。
「label rouge」の認定にはお金がかかるので、小規模の養鶏所では高品質でもラベルを取らずに販売していることも珍しくありません。
また「label rouge」に「fermier」と記載されている場合もあり、その意味は小規模かどうかではなく、放し飼いですよ、という意味です。
マルシェで鶏の丸焼きを買う場合
「poulet rôti」を一羽丸ごと買うなら「Un poulet, s’il vous plaît」。半分だけ欲しいなら「Un demi poulet」とお願いすれば、縦半分に切ってもらえますよ。
マルシェでの「poulet rôti」は、プラスチックなどの容器ではなく、防水加工された紙袋に入れてくれます。
「Avec le jus? 肉汁は要りますか?」とも聞かれるので「oui はい」と答えると…なんとその紙袋の中に「jus 肉汁」も入れてくれます。
ビニール袋にも重ねて入れてくれますが、家に帰る頃には汁が滲み出て袋の中はギトギトに!気になるなら、家から大きめの蓋付き容器を持って行くのも良いでしょう。
(とはいえフランスではこれが普通なので、容器を持っている人は見かけませんが…)
忘れてはいけないのが付け合わせの「pommes de terre rôties じゃがいものロティ」。皮を剥いた小さめの「pommes de terre」を鶏の「jus」や脂と一緒にローストしたものです。
「petit 小」「grand 大」などサイズがあるので、お腹の空き具合に合わせて購入しましょう。
まとめ
フランスの定番料理「poulet rôti」は家で作ることも多いですが、手軽にお店で購入することもできます。
丸ごと購入は無理でも、「demi poulet」や「poulette」なら2人で食べ切れるサイズなので、気軽に購入できそうですね。