今日は、日本でもよく知られている童話の一部を取り上げてみます。地の文は文章体で書いてあって時制など難しくなりますので、会話の部分のみを抜粋しました。
単語を拾いつつフランス語部分を読んで、何のお話か当ててみて下さい。
登場人物はA、B、Cの3人です。
フランス語学習に役立つ!赤ずきんちゃん会話集
目次
会話
A: Demeure-t-elle bien loin ?
B: Oh ! oui, c’est par-delà le moulin que vous voyez tout là-bas.
A: Hé bien, je veux l’aller voir aussi ;
je m’y en vais par ce chemin ici,
et toi par ce chemin-là,
et nous verrons qui plus tôt y sera.
C: Qui est là ?
A: C’est votre fille le petit Chaperon rouge qui vous apporte une galette et un petit pot de beurre que ma mère vous envoie.
C: Tire la chevillette.
A: Qui est là ?
B: C’est votre fille le petit Chaperon rouge, qui vous apporte une galette et un petit pot de beurre que ma mère vous envoie.
A: Tire la chevillette. Mets la galette et le petit pot de beurre sur la huche, et viens te coucher avec moi.
B: Ma mère-grand, que vous avez de grands bras !
A: C’est pour mieux t’embrasser, ma fille.
B: Ma mère-grand, que vous avez de grands yeux !
A: C’est pour mieux voir, mon enfant.
B: Ma mère-grand, que vous avez de grandes dents !
A: C’est pour mieux te manger.
Vocabulaire(“<”記号以下は、もとの形(辞書に載っている形)を表しています。
また、名詞の後の(m)、(f)は、それぞれ男性名詞・女性名詞を示しています)
demeurer 住む
loin 遠い
par-delà ~の彼方に、~の向こうで
moulin (m) 風車[水車]小屋
hé おい、ねえ、<<強調>>
corps (m) [ワインの]コク、ボディー
chemin (m) 道
chaperon(m) 頭巾
galette (f) ガレット
envoie<envoyer 送る、送り出す、派遣する
tire<tirer 引く、引っ張る
chevillette (f) 留めくぎ
huche (f) 長びつ、[風車小屋の]粉受け箱
tembrasser<embrasser 抱きしめる、キスをする
和訳
A : 彼女は遠くに住んでいるのかい?
B : ええ、そうよ、あそこに見える風車小屋の向こうよ。
A : じゃあ僕も彼女に会いに行きたいな。
僕はこの道を行くよ。君はそっちの道を行きなよ。どっちが早く着くかな。
C: そこにいるのはどなた?
A : 孫の赤ずきんよ。お母さんのお使いで、ガレットとバター(の壺)を持って来たの。
C : 留めくぎを引っ張りなさい。
A : そこにいるのは誰だい?
B : 孫の赤ずきんよ。お母さんのお使いで、ガレットとバター(の壺)を持って来たの。
A : 留めくぎを引っ張りなさい。ガレットとバターを箱に置いて、ベッドにお入り。
B : おばあちゃん、おばあちゃんの腕はなんて大きいの。
A : お前をよく抱きしめるためよ。
B : おばあちゃん、おばあちゃんの目はなんて大きいの。
A : お前がよく見えるようにね。
B : おばあちゃん、おばあちゃんの歯はなんて大きいの。
A : お前をぱくりと食べちゃうためさ。
フランス語単語
je m’y en vais:「僕はそこへ行く」
aller「行く」の関連表現として、s’en allerというのがあり、
これは「立ち去る、出かける、行く」などの意味です。
これのjeの形にy「そこへ」がプラスされた形です。
nous verrons qui plus tôt y sera.:「どちらがそこに早く着くか見よう」
Verrons はvoire「見る」の単純未来形のnousの形で、
ここでは「考える、分かる」ぐらいの意味で使われています。
plus tôtはtôtの比較級で、「より早く」、seraはêtreの単純未来(3人称単数)です。
英語に置き換えると、We’ll see who will be there faster. というところでしょうか。
que ma mère vous envoie.:「お母さんがあなたのために持たせた」
このqueは目的格の関係代名詞で、
その前のune galette et un petit pot de beurreを修飾しています。
que vous avez de grands bras !:「あなたはなんて大きな腕を持っているのだろう」
Que S+V~ !で感嘆文「なんて~なんだろう」の文型です。
正解
というわけで、正解は「赤ずきん」でした
Aが狼、Bが赤ずきん、Cがおばあさん♪若い貴族の子女のために書かれた、「狼さんには気を付けて」のお話だそうです。
ベッドに誘うシーンまであるとは、読み返してちょっとドキッとしますね。
ペローのお話ではおばあちゃんと赤ずきんちゃんが猟師に助け出される部分はなく、その後グリム兄弟がその部分を付け足したのだそうです。