フランス語を勉強しているなら、検定試験を受けて自分のレベル確認をしたくなるもの。フランス留学や仕事に必要なレベルの証明に使える検定もあります。
今回は日本やフランスの代表的なフランス語検定の種類と、そのレベルについてご紹介します。
フランス語検定の種類とレベルを分かりやすく解説!
目次
フランス語検定試験の種類
代表的なフランス語の検定試験には、日本独自のもの・フランス政府公認のもの・フランスの商工会議所のものがあります。
仏検・実用フランス語技能検定試験
実用フランス語技能検定試験、略して仏検は1981年に創設された日本独自のフランス語検定です。文部科学省・在日フランス大使館文化部の後援をうけています。
大学の単位修得や編入の条件、交換留学のための選考基準としても採用されており、日本国内では最も有名な検定ではないでしょうか。
レベルは1級から5級までの7段階にわかれています。5級は50時間の学習者が対象と初心者でも受けやすいレベルがあるのが特徴です。
ただし日本特有の検定のため、フランスではレベルの証明に使えないのが欠点です。
DELF/DALF
DELF:diplôme d’études en langue française
DALF:Diplôme approfondi de langue française
DELFとDALFはどちらもフランスの「Ministère de l’Éducation nationale 国民教育省」が交付する、国の正式な「diplôme 免状」がもらえるフランス語検定です。
レベルは簡単な方から、DELFがA1・A2・B1・B2、DALFがC1・C2の計6つ。フランスの語学学校では、このレベルに沿ってクラス分けがされています。
またフランスの大学入学にはDELFのB2、もしくはDALFと同等のレベルが必要ですが、DELFのB2かDALFの「diplôme」を所持している場合は、フランス語のテストが免除されます。
DELFもDALFも、フランスだけでなく日本でも受験することができます。留学前に受けておくと、フランス式での自分のレベルがわかり、留学計画が立てやすくなりますよ。
TCF
TCFは「Test de Connaissance du Français」。こちらも「Ministère de l’Éducation nationale」が認定している公的なフランス語検定です。
TCFは699満点のスコア方式ですが、DELFやDALFと同じく、A1・A2・B1・B2・C1・C2の6つのレベルで評価されます。
DELFやDALFとの違いは、合格・不合格ではなく受験者全てにレベルの証明書が発行されること、有効期限が2年であることが挙げられます。
また解答選択方式のため、フランス語を書くのが苦手な人でも受けやすい検定内容となっています。
こちらの検定も日本で受験することができます。
DFP
DFPは「DIPLÔMES DE FRANÇAIS PROFESSIONNEL」。フランスの「chambre de commerce et d’industrie 商工会議所」によるフランス語検定で、日本語では”商業フランス語検定”や”ビジネスフランス語試験”と呼ばれています。
フランスで就職やバイトをしたいのであれば、このDFPを取得するのがおすすめです。
「professionnel 職業の」の名前のとおり、日常フランス語ではなく、ビジネスフランス語に特化した検定内容になっています。
また、滞在許可書やフランス国籍取得の際に求められる、フランス語レベルの証明としても使うこともできます。
TEF
TEFは 「Test d’évaluation de français」。DFPと同じく「chambre de commerce et d’industrie」によるフランス語検定です。
合格・不合格ではなく、900点満点の点数方式。点数によって6つのレベルに分けられます。
大学入学のフランス語力の証明としても利用できますが、下記2つの条件を満たす必要があります。
①テスト内容は下記4つを含むこと
- Compréhension écrite 読解
- Compréhension orale 聴解
- Expression écrite 作文
- Lexique et structure 語句と構成
②筆記テスト699点中、400点以上を取得していること
フランス語検定のレベル
フランス語検定にはいくつか種類があるので、自分の受けた検定が他の検定ではどのレベルになるのかも気になりますよね。
特に仏検を受けた場合は、フランスの検定ではどのレベルになるのか知っておきたいものです。
そんな時に役に立つ、国際的なフランス語のレベルの判断基準・CECR(もしくはCECRL)というものがあります。
ヨーロッパ基準のCECR
CECR/CECRL
Le Cadre européen commun de référence pour les langues
ヨーロッパ言語共通参照枠
「cadre」は「枠、制約」という意味ですが、ここでは基準、つまりガイドラインのこと。
「européen」は「ヨーロッパの」、「commun」は「共通の」、「référence」は「参照」、「langue」は「言語」の意味です。
CECRはヨーロッパ言語共通の格付けで、レベルはA1・A2・B1・B2・C1・C2の6つあり、DELF/DALFやTCFはこれに準じたレベル分けになっています。
各検定のCECR該当レベル
【CECR A1】
A1はとても簡単な質問や自己紹介ができたり、相手がゆっくりわかりやすく話してくれた場合にコミュニケーションがとれる、というレベルです。
学習時間の目安は60~100時間。
- 仏検…3級
- DELF/DALF…DELF A1
- TEF…レベル1 / 69~203
- TCF…レベル1 / 100~199
【CECR A2】
A2は買い物や電車に乗る等、日常生活における簡単なタスクをこなしたり、過去について話ができる、というレベルです。
学習時間の目安は150~200時間。
- 仏検…準2級
- DELF/DALF…DELF A2
- TEF…レベル2 / 204~360
- TCF…レベル2 / 200~299
【CECR B1】
B1は標準的なフランス語が使われていた場合に話の主旨を理解できたり、大きな問題がなければフランスを自力で旅行できる、というレベルです。
学習時間の目安は350~400時間。
- 仏検…2級
- DELF/DALF…DELF B1
- TEF…レベル3 / 361~540
- TCF…レベル3 / 400~499
【CECR B2】
B2は難しいテキストでも主旨を理解できたり、フランス語で気軽にコミュニケーションがとれる、というレベルです。
学習時間の目安は550~650時間。
- 仏検…準1級
- DELF/DALF…DELF B2
- TEF…レベル4 / 541~698
- TCF…レベル4 / 400~499
【CECR C1】
C1は長く難しいテキストを理解できたり、深く考えずにフランス語ですぐにコミュニケーションがとれる、状況に合わせたフランス語が使えるというレベルです。
学習時間の目安は800~950時間。
- 仏検…1級
- DELF/DALF…DALF C1
- TEF…レベル5 / 699~833
- TCF…レベル5 / 500~599
【CECR C2】
C2は努力なしでフランス語が理解できたり、ニュアンスも含めながら自分の意見を流暢に表現できる、というレベルです。
学習時間の目安は1000時間~。
- 仏検…1級
- DELF/DALF…DALF C2
- TEF… レベル6 / 834~900
- TCF…レベル6 / 600~699
まとめ
フランス語検定は自分のフランス語レベルを知るだけでなく、勉強のモチベーションを保つのにもとても役立ちます。
口頭試験のように独学では難しい内容を受験するときは、マンツーマンのフランス語レッスンを利用すると、効率的に試験対策をすることができますよ。