フランスには美味しい料理やお菓子がいっぱい!美味しいものを食べたときに「美味しい」と伝える表現も沢山あります。
今回は「美味しい」と伝えたり、食べ物の味を伝えるフランス語の表現をご紹介します。
フランス語で美味しいを表現するための表現集
目次
フランス語で「美味しい」という意味の言葉とその使い方
美味しい物を食べたときに思わず「美味しい!」と口にするのはフランスでも日本でも同じです。まずは基本的な「美味しい」という意味のフランス語をみてみましょう。
C’est bon!
C’est bon!
(セ ボン)
美味しい!
「美味しい」と言いたいときに使えるフランス語の基本表現がこの「C’est bon!」。「C’est」は「これは~」、「bon」は「よい」という意味です。
家族や友達との日常的な食事から高級レストランでの食事まで、幅広く使うことができるので、まずはこの表現を覚えておけばどんな場面でも「美味しい」と伝えることができますよ。
発音も「セ ボン」とカタカナ発音でも通じます。「ボ」にアクセントを置いて発音すれば完璧です。短い表現で発音も簡単なので、美味しいと思ったら、どんどん「C’est bon!」と伝えてくださいね。
「C’est bon!」を使って、もっと美味しいと思っていることを伝えることもできます。
C’est trés bon!
(セ トレ ボン)
とても美味しい!
「C’est bon!」だけでは美味しいと思っていることが十分に伝わらないと思ったら、「trés とても」を付けて「C’est trés bon!」ということもできます。
C’est vraiment bon!
(セ ブレモン ボン)
本当に美味しい!
同じように「vraiment 本当に」を付けても、「C’est bon!」より美味しいと思う気持ちを伝えることができますよ。
C’est trop bon!
(セ トォ ボン)
美味しすぎる!
「trop ~すぎる」を付けると「美味しすぎる」の意味になります。カジュアルで若い人の間で使われる表現のため、子供っぽい印象を与えてしまうことも。すごく美味しいと思っても連発はしないほうが良いかもしれません。
【ちょっと注意】
「C’est bon」とよく似た表現に「C’est bien」があります。どちらも「良い」というときに使うので慣れないうちは紛らわしいのですが、「C’est bien」は「美味しい」という意味で使われることはありません。
食事の席で「C’est bien」というと、メニューの選択が良い、サービスが良い、問題がない、等の意味になります。
ちなみに注文をするとサービスの人に「Trés bien」と言われることがあります。これは「とても良い」ではなく、「かしこまりました」という意味なので、何が良いのだろう…と悩まないようにしましょう。
C’est bon 以外の「美味しい」の表現
「美味しい」と伝えるためのフランス語は「C’est bon」を使った表現以外にもたくさんあります。
C’est délicieux.
(セ デリシュゥ)
とても美味しい。
「délicieux」は「とても美味しい」という意味で、食べ物に対してのみ使用するフランス語表現です。「C’est bon」よりももっと美味しいというときに使いましょう。
C’est excellent.
(セ テクセロン)
素晴らしい(素晴らしく美味しい)。
「excellent」は「素晴らしい」という意味で、食べ物に対しては「素晴らしく美味しい」というときに使います。
この「C’est délicieux」や「C’est excellent」は日常生活でも使われるフランス語表現ですが「C’est bon」よりもエレガントな印象を与えることができます。
C’est succulent.
(セ シュキュロン)
とても美味しい。
「succulent」は「美味しい、旨味のある」という意味。こちらも「C’est bon」よりも美味しいときに使えるフランス語表現ですが、日常生活ではあまり使われず、若干フォーマルな印象を与えます。
C’est savoureux.
(セ サヴルゥ)
味わい深くて美味しい。
「savoureux」は「美味な、味わいのある」という意味。ただ美味しいというときではなく、味わい深い食べ物に対して使うと良いですね。
C’est très fin.
(セ トレ ファン)
とても繊細で美味しいです。
「fin」は「細い」という意味でよく使われますが「繊細な、上質な」という意味もあります。味わいだけでなく、繊細な盛り付けなど料理の見た目を褒めるときにも使うことができますよ。
最上級の「美味しい」の表現
感動するほど美味しい料理に出会ったときは、ありきたりな誉め言葉ではなく、最上級の誉め言葉を送りたいと思いますよね。
そんなときに使える「美味しい」のフランス語表現はこちらです。
C’est parfait.
(セ パーフェ)
完璧です。
「parfait」は「完璧」という意味。何も足したり引いたりするひつようがなく、完璧に美味しい料理に対して使う最上級の誉め言葉です。
C’est un délice.
(セ タン デリス)
絶品です。
「délice」は「深い満足、喜び」という意味。食べ物に関して使う場合は、それを食べられることに深い満足や喜びを感じる=絶品、というニュアンスです。
こちらも最上級の誉め言葉といえるのではないでしょうか。
C’est une tuerie.
(セ チュヌ チューリ)
死ぬほど美味しい。
「tuerie」は「殺戮、大量殺戮、虐殺」と物騒なフランス語。食べ物に関しては「死ぬほど美味しい」という誉め言葉になります。
最上級の誉め言葉ではありますが、かなりカジュアルな表現なので、使う場面は注意が必要です。
C’est divin.
(セ ディヴァン)
神聖なほど美味しい。
C’est exquis.
(セ テクスキ)
絶妙な美味しさ。
「divin」は「神々しい」、「exquis」は「(甘美なほどの)美味しさ」。どちらも「美味しい」の最上級といえるフランス語表現ですが、大仰すぎるため日常生活ではまず使うことはないでしょう。
誉め言葉のつもりで使っても、逆にふざけていると思われてしまうことも。日本語でも日常生活の中で美辞麗句を重ねると、嘘くさく思われてしまうのと同じです。
無理してこれらの表現を使おうとせず、上でご紹介している「C’est un délice」や「C’est parfait」などを使う方が素直に美味しいと思っていることが伝わりますよ。
フランス語の「美味しい」についてはこちらの記事もおすすめです。
フランス人独特の「美味しい」の表現
フランス人にとっては誉め言葉。しかし日本人にとっては、言われると少しムカッとしてしまうフランス人独特の「美味しい」の表現があります。
C’est pas mal.
(セ パ マル)
C’est pas mauvais.
(セ パ ムーヴェ)
悪くない(美味しい)。
「mal」も「 mauvais」も「悪い」という意味ですね。否定形なのでどちらも「悪くない」という表現です。
口語で使われるカジュアルな表現なので、「Ce n’est pas~」ではなく「C’est pas~」と「n(ne)」を省略した形で発音されることがほとんどです。
さて、料理に対して「悪くない」と言われたら、あなたはどう感じますか? 「悪くはないけど、それほど美味しくない」のだなと感じる人も多いのではないでしょうか。
ところがフランス人にとって、これらの表現はなんと誉め言葉なんです!
フランス人が「C’est pas mal」や「C’est pas mauvais」と言われたら、「C’est bon」と言っているのと同じことなんですよ。
C’est pas mal du tout.
(セ パ マル デュ トゥ)
C’est pas mauvais du tout.
(セ パ ムーヴェ デュ トゥ)
全く悪くない(とても美味しい)。
素直に誉め言葉と受け取りにくい「C’est pas mal」や「C’est pas mauvais」ですが、「du tout まったく~ない」を付けると、なんと「とても美味しい」という意味になります。
素直に「C’est trés bon」など、はっきりと誉め言葉とわかるように褒めてくれればいいのに…と思うかもしれませんが、彼らにとってはこれらも明確な、しかもかなりの誉め言葉。
「あまり美味しくない?」と聞き返したりせず、「Merci ありがとう」と返すようにしましょう。
フランス語の「美味しそう」食前に使える表現
美味しそうな料理やお菓子が目の前にやってきた。そんなときは食べる前にまず「美味しそう」と言いますよね。
食欲をそそる良い匂いが漂ってきているかもしれません。
ここからは、そんなときに使えるフランス語の表現を見てみましょう。
Ça a l’air bon.
(サ ア レール ボン)
美味しそう。
「Ça a l’air bon」は「美味しそう」。「Ça」は「これ」。料理やお菓子などを指しています。「avoir l’air」は「~のように見える」という意味。
とても美味しそうに見えるなら「Ça a l’air trés bon」と伝えましょう。
C’est appétissant.
(セ タペチソン)
食欲をそそります。
「appétissant」は「食欲をそそる」という意味。食欲をそそる美味しそうな料理、ということですね。
J’en ai l’eau à la bouche.
(ジョン ネ ロー ア ラ ブッシュ)
口にヨダレがたまる。
美味しそうなものを前にすると口にヨダレがたまりますよね。「J’en ai l’eau à la bouche」はそんな状態を表す表現です。
「eau」は「水」の意味ですが、ここではヨダレを指します。「bouche」は「口」ですね。
Ça me donne faim.
(サ ム ドンヌ ファン)
お腹が空いてくる。
美味しそうなものを見ると、お腹が空いてくる。「Ça me donne faim」はそんなときに使えるフランス語表現。直訳すると「それは私に空腹を与える」です。
Miam-miam.
(ミィャン ミィャン)
うまうま。
「Miam-miam」は幼児語の「うまうま」。大人でも美味しそうなものを前にして使うことも多いフランス語表現です。
もちろんとても砕けた表現なので、親しい間柄以外では使わないようにしてくださいね。
Ça sent bon!
(サ ソン ボン)
良いにおい!
「Ça sent bon」は「良いにおい」。「sent」は「sentir」で、他動詞だと「においをかぐ」ですが、ここでは自動詞で「におう」という意味です。
フランス語の「美味しかった」食後に使える表現
フランス語で食後に「美味しかった」と伝えるのはとても簡単。「美味しい」の表現で登場した「C’est 〇〇」の「être」を半過去の「était」に変更して、「C’était 〇〇」とすればOKです。
- C’était bon.(セテ ボン)
- C’était délicieux.(セテ デリシュゥ)
- C’était excellent.(セテ テクセロン)
- C’était succulent.(セテ シュキュロン)
- C’était savoureux.(セテ サヴルゥ)
- C’était parfait.(セテ パーフェ)
などなど。こちらも美味しさの度合いにあわせて、使ってみましょう。これらの後に感謝の気持ちを込めて「Merci」を付け加えると更に良いですね。
Ça m’a beaucoup plu.
(サ マ ボク プリュ)
とても気に入りました。
美味しいかっただけでなく、また食べたいと思うほど気に入ったときは「Ça m’a beaucoup plu」と伝えましょう。
「plu」は「plaire」の過去形。「plaire à qn」で「~の気に入る」という意味です。
食べ物の味を表現するフランス語の表現
フランス語で「美味しい」を表現できるようになったら、料理の味についても伝えられるようになりたいですよね。
ここからは、食べ物の味に関するフランス語表現をご紹介します。自分の好みを伝える時にも役立ちますよ。
基本の五味を表現するフランス語の表現
甘い
フランス語で「甘い」は「sucré (シュクレ)」。ちなみに砂糖は「sucre」です。「甘味」といいたいときは「goût 味」をつけて「goût sucré」といいます。
Ce gâteau est trop sucré.
このケーキは甘すぎる。
Je voudrais manger quelque chose de sucré.
何か甘いものが食べたい。
塩辛い
フランス語で「塩辛い」は「salé(サレ)」。塩は「sel」なので、一緒に覚えてしまいましょう。「塩味」は「goût salé」です。
C’est bon, ce *cake salé.
このケークサレ、美味しい。
Ne mange pas trop de chips. Il est très salé.
ポテトチップスを食べすぎてはだめよ。とても塩が多いから。
*cake salé 砂糖を使わず、野菜やベーコンなどが入った塩味のパウンドケーキのようなもの。
酸っぱい
フランス語で「酸っぱい」は「acide(アシッド)」。「酸味」は「goût acide」です。
「少し酸っぱい」といいたいときには「acidulé」、「甘酸っぱい」は「aigre-doux」といい、フランスの中華料理のメニューでよく見かける表現です。
Il n’est pas trop acide? J’ai mis trop de vinaigre…
これ酸っぱすぎない?酢を入れすぎちゃって…
Je crois qu’il est pourri, ça sent un peu acide.
これ腐ってると思う。酸っぱいにおいがするの。
苦い
フランス語で「苦い」は「amer」、「苦味」は「goût amer」です。「苦さ」は「amertume」といいます。
Le matcha est trop amer pour moi.
抹茶は私には苦すぎる。
Si tu n’aimes pas le goût amer, tu n’as pas besoin de tout terminer.
苦味が苦手なら、全部(食べ)終わらなくていいよ。
うま味
フランス語で「うま味」は「umami」。日本語そのままで使われます。
とはいえ、そもそもフランスにはない概念であったため、まだまだ知らない人も多く、日本料理に興味がある人に、どんな味?と聞かれることも多いでしょう。
Umami est l’une des cinq saveurs de base et il rehausse les autres goûts. Il y a de la glutamine par exemple.
うま味は基本の五味の一つで、ほかの味を引き立ててくれます。例えばグルタミンがあります。
その他の味を表現するフランス語の表現
- épicé(エピセ)スパイスの効いた
- pimenté(ピモンテ)辛い
- léger(グー レジェ)薄い
- simple (サンプル) あっさりした
- lourd (ルゥ)重い / しつこい
- gras(グラ)脂っこい
- fade(ファード)味が薄い(まずい)
- chaud(ショー)熱い
- froid(フォワ)冷たい
- tiède(ティエッド)ぬるい
- mauvais(ムーヴェ) まずい
ワインの味わいを表現するフランス語の表現
フランスでの食事にはワインが付き物です。好みの味のワインを選べるように、ワインの味に関する表現も確認しておきましょう。
基本的に覚えておきたい、ワインの味の表現をご紹介します。
- sec(セック)辛口の
- doux(ドゥー)甘口の
- léger(レジェ)軽い
- corsé(コルセ)アルコールが強くコクのある
- puissants((ピュイッソン)力強い
- fruité(フリュイテ)フルーティーな
- épicé(エピセ)スパイシーな
- acide(アシッド) 酸っぱい
- tannique(タニック)タンニンの強い
- amer(アメー) 苦い
- frais(フレ) さわやかな
- souple(スゥプル)しなやかな
- riche(リッシュ) 豊かな
ワインの味の表現はとても豊かなため、沢山の単語をおぼるのは難しいものですよね。
最初は色々覚えようとせず、自分の好きな味や嫌いな味を大まかに伝えられるようになることを目指しましょう。
欲しいワインの種類と大まかな好み、あわせたい料理を伝えることができればピッタリなものを選んでもらえますよ。
- vin blanc 白ワイン
- vin rouge 赤ワイン
- vin rosé ロゼワイン
- vin mousseux 発砲ワイン
- champage シャンパン
Je voudrais une bouteille de vin blanc sec et frais pour des sushis, s’il vous plaît.
お寿司にあわせる辛口でフレッシュな白ワインをください。
食事を楽しむために知っておきたいフランス語フレーズ
レストランで美味しい料理に巡り合うためには、サービスの人とコミュニケーションをとることも大切です。
レストランで役立つフランス語
レストランで美味しい一皿に出会うために役立つ、フランス語フレーズをご紹介します。
Il est comment ce plat?
これはどんな料理ですか?
「plat」は「お皿」の意味もありますが、ここでは「料理」のこと。メニューに知らない料理名があるときは、どんな料理なのか聞いてみましょう。
Qu’est-ce que vous me recommandez?
あなたのおすすめは何ですか?
「recommander」は「おすすめする」という意味。どれも美味しそうで選べない、というときに、おすすめ料理は何かと質問するフレーズです。
Quelle est la spécialité de cette maison / région?
このレストランの / 地方の自慢料理は何ですか?
レストランによっては有名な自慢料理があることも。フランス地方に旅行した場合なら、その地方の料理も食べたいですよね。
メニューに「spécialité 自慢料理」と書かれていることもありますが、見当たらなければ聞いてみると良いでしょう。
Est-ce qu’il y a 〇〇 dans ce plat?
この料理に〇〇は入っていますか?
嫌いな食べ物やアレルギーがある場合は、それが入っていないか確認しておくと安心です。
抜いてもらえるか確認するには「Est-ce qu’il est possible de le retirer? それを抜いてもらうことはできますか?」と聞いてみましょう。
フランス語の食前と食後のあいさつ
美味しい食事をするためには食前食後のあいさつも重要です。ぜひ覚えてくださいね。
フランスの「いただきます」
フランス語の食前のあいさつは「Bon appétit!」。「appétit」は「食欲」という意味で、「Bon appétit!」は直訳すると「良い食欲を」となります。
これは「いただきます」と訳されますが、料理を提供する側も、提供される側も同じようにこの「Bon appétit!」を使います。つまり「いただきます」だけでなく「めしあがれ」というときにも使えるのです。
レストランなどでお店の人に「Bon appétit!」と言われたら「Merci ありがとう」と答えましょう。
一緒に食事をする人に言われたら同じように「Bon appétit!」、もしくは「Bon appétit aussi!」と返します。
フランスではレストランで横の席の人に「Bon appétit!」と声を掛けられることもあります。そのときも同じように返してくださいね。
フランス語の「ごちそうさま」
フランス語に日本のような「ごちそうさま」という決まった表現はありません。食後に使われるのは「C’était bon」のような「美味しかった」という表現です。
ほかにも下記のような言い方もできます。
J’ai bien mangé.
たくさん食べました(お腹がいっぱいです)。
On s’est bien régalé.
美味しくいただきました。
フランス語にはほかにも日本語に訳しにくい表現があります。興味のある方はこちらもチェックしてくださいね。
まとめ
フランスは美食の国だけあり「美味しい」の表現もたくさんあります。
まずは基本の表現「C’est bon!」から始めて、色々な表現をマスターしてくださいね。食いしん坊のフランス人と、そこから会話が弾むかもしれませんよ。