フランス語「美味しい」完全版|C’est bonから絶品表現、味、レストラン会話まで

  1. フランス食べ物

フランスといえば、美食の国!クロワッサン、マカロン、洗練された料理、芳醇なチーズやワイン…想像するだけで食欲が刺激されますよね。フランス旅行中やフランス語圏の人々との交流の中で、心から「美味しい!」と感動する瞬間にきっと出会うはずです。そんな時、その気持ちをフランス語で豊かに表現できたら、食卓はもっと楽しく、コミュニケーションも深まることでしょう。

「美味しい」を表す基本のフランス語「C’est bon ! (セ ボン!)」は有名ですが、フランス語には美味しさの度合いやニュアンスを伝える表現が驚くほどたくさんあります。さらに、味覚に関する言葉やレストランで役立つフレーズを知っておけば、自分の好みを伝えたり、メニュー選びを楽しんだりするのに非常に役立ちます。

今回は、フランス語で「美味しい」とその周辺表現をマスターするための完全ガイドです!基本の「C’est bon !」から最上級の褒め言葉、食前・食後の表現、味の描写、ワインの表現、レストランでの会話術まで、具体的な例文を交えながら徹底解説します。この記事で、フランスの豊かな食文化を言葉でも味わい尽くしましょう!

C’est bonだけじゃない!フランス語で「美味しい」を伝える表現集|味・レストランでの会話も解説

基本の「美味しい」:「C’est bon !」をしっかりマスター

フランス語で「美味しい」を表現する上で、まず押さえておくべき最も基本的で重要なフレーズが「C’est bon !」です。

万能選手!「C’est bon !」の意味と使い方

C’est bon !

(セ ボン!)

美味しい! / いいね!

C’est」は「これは~です (Ce est)」の短縮形。「bon (ボン)」は形容詞で、「良い」が基本的な意味ですが、食べ物や飲み物に対して使うと「美味しい」という意味になります。

この表現は非常に応用範囲が広く、シチュエーションを選ばずに使えるのが最大の魅力です。家庭料理、友人とのおやつ、カジュアルなビストロから高級レストランまで、どんな場面でも「美味しい!」という気持ちを伝える基本の言葉として使えます。発音も簡単で、カタカナの「セ ボン」で十分通じます。「ボ」の音を少しはっきり言うと、よりフランス語らしく聞こえます。

美味しいと感じたら、積極的に「C’est bon !」と口に出して伝えることで、料理を作った人やお店の人への感謝と賞賛を示すことができます。フランスでは、美味しいものを美味しいと表現することは、とてもポジティブなコミュニケーションと捉えられます。

※ 形容詞 bon の性数一致について: 文法的には、bon は修飾する名詞の性・数に合わせて bonne(女単), bons(男複), bonnes(女複) と変化します。しかし、「これ(目の前の料理)は美味しい」と感想を言う場合は、中性的な「Ce」を受けるため、通常「C’est bon」の形で問題ありません。

強調して「すごく美味しい!」:Très bon / Vraiment bon

「美味しい!」だけでは物足りない、もっと強い感動を伝えたい時は、強調の副詞を使いましょう。

C’est très bon !

(セ トレ ボン!)

とても美味しい!

副詞「très (トレ)」は「とても、非常に (very)」。シンプルで最もよく使われる強調表現です。

C’est vraiment bon !

(セ ヴレモン ボン!)

本当に美味しい!

副詞「vraiment (ヴレモン)」は「本当に、実に (really)」。予想以上の美味しさへの感動や、心からの賞賛を伝えるニュアンスがあります。

カジュアル表現「C’est trop bon !」- 使う時の注意点

C’est trop bon !

(セ トロ ボン!)

美味しすぎる! / ヤバい、うまい!

副詞「trop (トロ)」は、本来「~すぎる (too much)」という否定的な意味合いを持つ言葉ですが、口語、特に若者の間では「すごく、めっちゃ (so, very)」という肯定的な強調の意味で頻繁に使われます。「C’est trop bon !」は、「美味しすぎてヤバい!」といった強い感動や興奮を表す、非常にカジュアルな表現です。

注意点: 非常によく聞く表現ですが、あくまでインフォーマルな言い方です。くだけた印象や、場合によっては少し子供っぽい印象を与える可能性もあります。友人同士や家族など、親しい間柄で使うのは問題ありませんが、フォーマルな食事の席や、目上の方、初対面の人に対して使うのは避けましょう。そのような場合は、「C’est très bon !」や後述するより丁寧な表現を使うのが適切です。

【重要】混同しやすい「C’est bien」との違い

フランス語学習者が間違いやすいのが、「C’est bon !」と「C’est bien ! (セ ビアン!)」の混同です。「bien」も「良い」という意味を持つ副詞ですが、食べ物の「味」そのものを「美味しい」と評価する際には通常使いません

食事の場面で「C’est bien.」と言うと、以下のような意味に解釈される可能性があります。

  • 料理の選択や組み合わせ、盛り付けが良い。
  • レストランの雰囲気やサービスが良い。
  • (状況確認などに対して)それで良い、結構です。
  • (相手の行動などに対して)良いことだね、上手だね。

味について言及しているわけではないため、料理を褒めるつもりで「C’est bien !」と言うと、相手に意図が伝わらない可能性があります。美味しい料理には、形容詞の「bon」を使って「C’est bon !」と言う、としっかり区別して覚えましょう。

美味しさのニュアンスを伝える表現バリエーション

「C’est bon !」以外にも、美味しさを表現する形容詞はたくさんあります。より具体的で豊かな表現を使いこなして、食の感動を伝えてみましょう。

少しエレガントに表現したい時

「C’est bon」よりも洗練された、上品な響きを持つ形容詞です。レストランでの感想や、目上の方、大切な方への手料理を褒める際などに使うと良いでしょう。

C’est délicieux / délicieuse.

(セ デリスィゥー / デリスィューズ)

とても美味しい。/ 風味豊かだ。

英語の “delicious” に相当。純粋に味覚的な美味しさを表現します。

C’est excellent / excellente.

(セ テクセラン / テクセラント)

素晴らしい(美味しさだ)。/ 最高だ。

英語の “excellent” に相当。味だけでなく、料理全体の質や完成度を高く評価するニュアンス。

C’est succulent / succulente.

(セ シュキュラン / シュキュラント)

(汁気があって)とても美味しい。/ 風味豊かだ。

特にジューシーな肉料理や果物など、旨味や水分が豊富な食べ物に。やや文学的な響き。

C’est savoureux / savoureuse.

(セ サヴルー / サヴルーズ)

味わい深い。/ 風味豊かで美味しい。

「saveur (風味)」から。複雑で豊かな味や香りを評価する時に。

C’est très fin / fine.

(セ トレ ファン / フィーヌ)

とても繊細(な味)だ。/ 上品で美味しい。

上品で洗練された、しつこくない味わいや、見た目の美しさを褒める時に。

パティスリーに並ぶ美しいフランス菓子(マカロン、エクレアなど)

Ces gâteaux sont vraiment délicieux et très fins ! (このお菓子、本当に美味しくてとても繊細!)

最高の感動を伝える!最上級の褒め言葉

「完璧!」「絶品!」と、この上ない感動を伝えたい時の表現です。

C’est parfait / parfaite.

(セ パルフェ / パルフェット)

完璧だ。/ 申し分ない。

味付け、調理法、全てが完璧だと感じた時の最高の褒め言葉。

C’est un délice.

(セ タン デリス)

これは絶品だ。/ 至福の味だ。

「délice (喜び、甘美)」を使った表現。特にデザートなどを褒めるのに最適。

C’est une merveille.

(セ テュヌ メルヴェイユ)

これは素晴らしいものだ。/ 驚くほど美味しい。

「merveille (驚異、素晴らしいもの)」を使った表現。感動を伝える。

C’est une tuerie.

(セ チュヌ テューリ)

(俗)これはヤバい(ほど美味しい)。/ 死ぬほどうまい。

非常にカジュアルな、若者言葉に近い最上級の褒め言葉。親しい友人同士などで使うのはOKですが、場面を選びます。

【知識として】大げさすぎる可能性のある表現

以下の表現も辞書には「極上の美味しさ」として載っていますが、現代の日常会話で使うと、やや古風だったり、大げさに聞こえたりする可能性があります。

  • C’est divin / divine. (セ ディヴァン / ディヴィーヌ) – 神々しい(ほどの美味しさ)。
  • C’est exquis / exquise. (セ テクスキ / テクスキーズ) – この上なく美味な、絶妙な。

特別な場面を除き、普段使いには「C’est parfait」などの方が自然でしょう。

フランス人特有?「C’est pas mal !」に込められた意味

日本人学習者が戸惑いやすいのが、「悪くないね」系の表現です。

C’est pas mal. (セ パ マル)

C’est pas mauvais. (セ パ モーヴェ)

悪くないね。(=なかなか良いね!美味しいね!

直訳すると「悪くない」なので、控えめな評価に聞こえますが、フランスの日常会話ではこれが「結構いいね」「かなり美味しいよ」という肯定的な褒め言葉として使われます。決してネガティブな意味ではありません。

C’est pas mal du tout ! (セ パ マル デュ トゥ!)

C’est pas mauvais du tout ! (セ パ モーヴェ デュ トゥ!)

全然悪くない!(=すごく良い!/ とても美味しい!

さらに「du tout(全く~ない)」が付くと、「文句なしに素晴らしい!」というかなりの高評価、最上級に近い褒め言葉になります。フランス人らしい、少しひねりの効いた表現ですが、言われたら素直に喜んで「Merci !」と返しましょう。

食べる前に期待感を伝える:「美味しそう!」

料理が運ばれてきた時や、ショーケースを眺めている時など、食べる前の「美味しそう!」という気持ちを表すフレーズです。

フレーズ 読み方 (カナ) 意味・ニュアンス
Ça a l’air bon / très bon. サ ア レール ボン / トレ ボン 美味しそうだね / すごく美味しそうだね。(見た目判断の定番)
C’est appétissant. セ タペティサン 食欲をそそるね。
J’en ai l’eau à la bouche. ジョン ネ ロー ア ラ ブッシュ よだれが出そうだ。(我慢できない感じ)
Ça me donne faim. サ ム ドンヌ ファン お腹が空いてくる。
Ça sent bon / très bon ! サ ソン ボン / トレ ボン! 良い匂い! / すごく良い匂い!
Miam-miam ! ミャム ミャム! うまうま! / おいしそう!(幼児語だが大人も使う)

食後の感想:「美味しかった!」と伝える

食事の後に満足感を伝える表現です。基本は「C’est + 形容詞」を半過去形「C’était + 形容詞」にするだけです。

フレーズ 読み方 (カナ) 意味・ニュアンス
C’était (très) bon. セテ (トレ) ボン (とても)美味しかったです。
C’était délicieux / excellent / parfait. セテ デリスィゥー / エクセラン / パルフェ とても美味しかったです / 最高でした / 完璧でした。
Ça m’a beaucoup plu. サ マ ボク プリュ (それが)とても気に入りました。
J’ai (très) bien mangé. ジェ (トレ) ビアン マンジェ (とても)美味しくいただきました。/ お腹いっぱいです。
On s’est (bien) régalé(s). オン セ (ビアン) レガレ (とても)美味しくいただきました。/ 満喫しました。(複数人で)

味の表現:甘い、辛い、酸っぱい、苦い、しょっぱい

味覚に関する基本的な形容詞です。性数一致に注意しましょう。

形容詞 (男性形 / 女性形) 読み方 (カナ)
甘い sucré / sucrée シュクレ
塩辛い salé / salée サレ
酸っぱい acide / acide アシッドゥ
苦い amer / amère アメール
うま味 umami (男性名詞) ウマミ (日本語由来)
辛い (香辛料) épicé / épicée エピセ
辛い (唐辛子) pimenté / pimentée ピモンテ
味が濃い fort / forte フォール / フォルト
味が薄い/軽い léger / légère レジェ / レジェール
味がない fade / fade ファッドゥ (ネガティブ)

レストランで役立つフレーズ:質問と挨拶

料理について質問する

  • Qu’est-ce que c’est ? (ケスク セ?) – これは何ですか?
  • Qu’est-ce que vous me recommandez ? (ケスク ヴ ム ルコマンドゥ?) – おすすめは何ですか?
  • Quelle est la spécialité de la maison ? (ケレ ラ スペスィアリテ ドゥ ラ メゾン?) – この店のおすすめ(名物)は何ですか?
  • Est-ce qu’il y a du porc dans ce plat ? (エスキル ヤ デュ ポール ダン ス プラ?) – この料理に豚肉は入っていますか?
  • Je suis allergique aux fruits de mer. (ジュ スイ ザレルジック オ フリュイ ドゥ メール) – 私はシーフードアレルギーです。

食前・食後の挨拶

  • Bon appétit ! (ボナペティ!) – どうぞ召し上がれ! / いただきます! (お互いに言い合う)
  • 返事: Merci ! (Vous aussi. / Toi aussi.) (メルシー!(ヴ・ゾスィ / トワ・オッスィ)) – ありがとう!(あなたもね。)
  • 食後の感謝(「ごちそうさま」の代わりに):
    • Merci, c’était très bon. (メルシー、セテ トレ ボン) – ありがとう、とても美味しかったです。
    • J’ai bien mangé, merci. (ジェ ビアン マンジェ、メルシー) – 美味しくいただきました、ありがとう。
屋外テーブルで食事を始める前に「Bon appétit!」と言い合う人々

Bon appétit! – 食事の前の楽しい挨拶

まとめ:「美味しい」気持ちをフランス語で伝えよう!

フランス語で「美味しい」とその周りの表現について、たくさんのフレーズをご紹介しました。基本の「C’est bon !」から始めて、感動の度合いやニュアンスに合わせて「très bon」「délicieux」「excellent」「parfait」などを使い分けてみましょう。食前の「Ça a l’air bon !」や食後の「C’était très bon !」、そして食卓での挨拶「Bon appétit !」も忘れずに。

美味しい食事は、言葉が加わることで、さらに楽しく、思い出深いものになります。今回学んだ表現を積極的に使って、フランスの豊かな食文化を体験し、作り手や周りの人々と素晴らしい食の時間を共有してくださいね!

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ソフィー(Sophie) この記事を書いた人

来日(1998年)以来23年間、日本でフランス語指導に携わるベテラン講師(京都在住)。パリでの生活経験も有します。最大の強みは、日本語でのコミュニケーションが可能な点です。
パリではECEインターナショナルスクールにてクボタ・ヨーロッパの従業員(日本人)に指導。来日後は、エスパス・フランセ語学学校、日本女子大学、桐朋学園高校、外務省、その他企業にて、初心者から上級者まで豊富な指導経験を有します特に初心者の方が躓きやすい発音について、「難しくない」と感じられるよう基礎から丁寧に指導することに注力しています。 忍耐強く、発音や文法を丁寧に繰り返し指導するのがモットー。グラフィックデザインのスキルを活かし、描画を取り入れた分かりやすい説明も得意です。ご希望に応じて英語でのフランス語レッスンや、アートレッスン(仏語/英語)も提供可能です。

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