フランスでお月見

  1. フランス語講座

Bonjour, chers amis! こんにちは、みなさん。Comment allez-vous? ご機嫌いかがですか?

季節をめでる行事の多い日本ですが、お月見も東洋ならではのもの。というわけで、今週はお月見に関する会話を取り上げてみました。

フランスでお月見

月と月見団子

フランスのオフィスで話す二人の男性。

西洋では満月は狂気を引き起こすものとされているようですね。

日本人としては水面に映った月を愛でた平安貴族の風流も、美しすぎて怖いような澄んだ月を恐れた西洋の感性も分かるような気がします。

会話

Taro: Le temps est frais, ce soir!

今夜は空気が冷たいね。

Pierre: Vraiment. L’été est passé enfin…

ほんとだね。ようやく夏が終わったなあ。

Taro: Tu vois, c’est plein lune ce soir! C’est Otsukimi au Japon.

ほら、今夜は満月だ。日本ではお月見だよ。

Pierre: C’est quoi, Otsukimi?

お月見って何?

Taro: Il s’agit d’évènement qui consiste à contempler la Lune le 15e jour de août de l’ancien calendrier.

旧暦8月15日に月をながめる行事さ。

On prépare Susuki, miscanthus, et des dangos, boulettes à base de riz gluant,

ススキや団子、つまりもち米で作った玉を用意して、

les dispose dans un endroit où l’on peut apercevoir la Lune, et admire cette dernière tranquillement.

月が見えるところに飾り、静かに月を鑑賞するんだ。

Pierre: Maintenant je comprends pourquoi il y a beaucoup de pyramides de dangos au supermarché.

それで、スーパーで団子のピラミッドがたくさん売られていたわけが分かったよ。

木の板にフランスという言葉が綴られていました。Vocabulaire

(“<”記号以下は、もとの形(辞書に載っている形)を表しています。また、名詞の後の(m)、(f)は、それぞれ男性名詞・女性名詞を示しています)

  • temps(m) 時、天気、天候
  • frais 涼しい、ひんやりとした
  • enfin ようやく、やっと
  • plein いっぱいの、満ちた
  • lune (f) 月
  • s’agir ~が問題である、~に関することである
  • évènement 出来事、行事
  • consister à ~ ~することにある
  • contempler 凝視する、観察する
  • ancien 古くからある、昔の
  • calendrier (m) カレンダー、暦
  • boulette(f) 小さな玉、肉団子
  • gluant 粘着性の、粘りつく
  • disposer 並べる、配置する
  • endroit (m) 場所
  • apercevoir 見える
  • admirer 感心する、感嘆する、見事だと思う
  • tranquillement 静かに
  • pyramide (m) ピラミッド

フランスにいる間、コンクリートの壁の前で電球を持つ女性実業家。今週のポイント

Il s’agit d’évènement

行事に関することだ

agitagir という動詞の直説法三人称単数現在の形で、agir はもともと「行動する」「ふるまう」といった意味の動詞です。

s’agir de ~ の形で「~についてのことだ」の意味になります。

J’ai des ennuis; il s’agit de mon fils.

心配事がある。息子のことなんだ

また、以下のフレーズもよく使われるので暗記しておいて損はないでしょう。

De quoi s’agit-t-il?

何のことですか/それがどうしたっていうんです

文脈によってさまざまなニュアンスに使われます

qui consiste à contempler

眺めることにある

この前後、直訳してしまうと「月を眺めることにある行事」となってとても回りくどい感じなのですが、

consister は英語の consist 同様「~からなる」「~から構成される」が元の意味ですから、要するに「その本質は~することだ」ということでしょ。

Son travail consiste à taper des lettres.

彼女の仕事は、手紙をタイプすることだ

à base de riz gluant

もち米で出来た

base は「土台」「基礎」の意味ですが「主成分」の意味もあり、à base de ~ で 「~を主成分とする」の意味になります。

cette dernière

後者

前回 ce dernier が出てきましたが、今回はその女性名詞版です。

ここでは直前に出てくる単数女性名詞ということで、la lune「月」を指しています。こういうときには名詞の性・数に厳密なフランス語は便利ですね。

フランスの上空に雲と星のある満月。

西洋の秋のお祭りと言えば、日本でもすっかりおなじみになったハロウィンですが、

フランスにとってもこれは外来の行事で、伝統行事としては万聖節(Toussaint)というのがあります(但しハロウィンもかなり浸透してきている様子)。

でも本質は似ていて、日本のお盆のようなもの(ハロウィンも死者が帰ってくる日というのでゴーストに仮装するんですよね)。

日本にもお彼岸というのがあり、秋には何となくそういう行事が似合いますね。

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