フランス人と仕事をする、ビジネスでフランス語を使う。そんな目的を持ってフランス語を学んでいる方もいることでしょう。
仕事について話すためのフランス語はすでにご紹介しましたね。今回は自分の仕事を詳しく説明するためのフランス語を見てみましょう。
フランス語で仕事(職業)について質問②部署や仕事内容
目次
仕事の部署に関するフランス語
まずはどんな部門の業務をしているかを説明するフランス語の表現から見ていきましょう。
Je travaille au département commercial (de la Société A).
Je travaille dans le service commercial (de la Société A) .
(A社の)営業部門で働いています
- départment 部門
- commercial 通商の、商業の
- service(役所や企業の)局、部
企業の部署名(~部や~課)は「départment」または「service」といいます。
企業の様々な部署名をフランス語でどのようにいうかを以下にまとめてみました。
- département comptabilité / service comptable 経理
- département finances / service financier 財務
- département / service vente 販売
- département / service achats 購買・仕入
- département / service marketing マーケティング
- département / service planning / 企画
- service personel / resource humaine 人事
- service administratif 総務
- service communication publique 広報
担当業務に関するフランス語
次に、自分の担当業務についてフランス語で説明してみましょう。
Je m’occupe de …
Je suis chargé(e) de …
Je suis responsable de …
~を担当しています
「s’occuper de … / être chargé(e) de … / être responsable de …」はいずれも「~を担当している」という意味です。
- s’occuper ~の世話をする、~に関わる
- charger 責務を負わせる
- responsable 責任がある、責任者
例えば次のようにいうことができます。
Je m’occupe de la gestion du budget.
予算管理を担当しています
Je suis chargé(e) de la vente et du service après vente du photocopieur.
コピー機の販売とアフターサービスを担当しています
Je suis responsable recrutement.
採用を担当しています
- gestion 管理、運営
- budget 予算
- photocopieur コピー機
- service après vente アフターサービス
- recrutement 採用
「gestion」は「管理・運営」という意味の単語です。「生産管理」なら「gestion de la production」、「売上管理」なら「gestion de la vente」のように使うことができます。
【フランス人の仕事の説明はちょっと大げさ】
自分の仕事に対して謙虚な姿勢で説明する日本人からすると、フランス人が説明する自分の業務内容は大げさに感じることがあります。
例えば上記の例文「Je suis responsable recrutement」。「responsable」という単語を使っているので、まるでその会社の採用の責任者・トップであるような印象を受けませんか?
もちろん本当に採用の責任者である場合もありますが、実際は採用に関係する仕事ではあるけれど責任者ではないということも。
少しお手伝いしているだけの仕事内容でも、まるで自分がすべて行っているかのように、「こんな仕事をしているよ」と言ってしまうフランス人は多いのです。
【日本人の謙虚さは採用時にはマイナスに】
そんなフランス人に対して、日本人が自分の仕事内容を謙虚に説明した場合、文面通りに受け取られてしまい、仕事のできない人・経験がない人と思われてしまう可能性があります。
特に仕事の面接などでは、今まで経験してきたどんな小さなことも、経験があります!と主張する方がいいでしょう。
経験があると言ったのに出来なかったらどうしよう…と思うかもしれませんが、フランス人は出来る!と言って出来ないこともしばしば。
フランスで仕事を探すなら、フランス人の太々しさも取り入れてくださいね。
仕事内容を具体的に説明するフランス語
では、仕事内容をさらに具体的にフランス語で伝えてみましょう。
Ma tâche principale est de…
Ma fonction principale est de …
Mon travail consiste à …
私の任務(仕事)は、~することです
- tâche 任務
- fonction 任務、職務
- consister à … ~することにある
このような表現の後に、日々行っていることや任務を続けます。例えば、
Ma tâche principale est de m’assurer que les mesures de sécurité sont respectées.
私の主な任務は保安措置が守られているか確認することです
Ma fonction principale est de superviser le travail des équipes de vente.
私の主な役割は販売チームを管理することです
Mon travail consiste à élaborer le plan de communication et à organiser des présentations de produits.
私の仕事はメディアプランを練り、製品発表会を企画することです。
- s’assurer ~を確認する
- mesures(複数で)措置
- sécurité 安全、保安
- respecter ~を尊重する、~を遵守する
- superviser ~を監督する、管理する
- élaborer (計画などを)作り上げる、練る
- plan de communication メディア(広報)プラン
- organiser ~を企画する、準備する
- présentation de produits 製品発表会
【いろいろな仕事をしている場合】
大きな会社の場合にはいろいろな部や課に分かれていて、仕事内容もそれぞれ特化されています。しかし小さな会社やお店の場合は、一人一人がいろいろな仕事もするということもありますよね。
そんなときに使える表現は…
Je m’occupe de travail polyvalent.
Je suis multitâche.
いろいろな仕事をしています。
- polyvalent 多目的の
- multitâche マルチタスクの
フランスでは、仕事の募集要項や契約に書かれていない仕事をお願いした場合、「Ce n’est pas mon travail 私の仕事じゃない」と拒否されてしまうことがあります。
そのため、小さな会社などでは「travail polyvalent」と仕事内容を明確に記載せずに募集をかけることも少なくありません。
例えば小売りのお店なら、下記のような仕事内容が考えられますね。
accueillir les clients
お客様をお迎えする
répondre aux appelles téléphonique
電話対応をする
conseiller aux clients
お客様にアドバイスをする(相談に乗る)
assurer le service après-vente
アフターサービスを行う
garder le lieu propre
場所を清潔に保つ
encaisser le montant d’une vente
代金を受け取る
suivre l’état des stocks
ストックの管理をする
フランス語で営業職や事務職は?
日本で仕事を聞かれた場合、「営業です」「事務職です」のように簡潔に答えることも多いですよね。わざわざ部署について述べないことも少なくありません。
「Je travaille au département commercial 営業部で働いています」と言った場合も、営業部で働いていることは分かりますが、実際に営業をしているのか、営業部内の事務職なのかはわかりませんよね。
【営業職】
日本風に簡潔に営業職であると伝えるのであれば…
Je m’occupe du poste de vente.
営業職です。
このように「poste 地位、職」を使って「poste de vente」というと、日本語の「営業職、営業マン」という仕事であることが明確に伝わりますよ。
「département commercial 営業部」の「commercial」を使うこともできます。
Je m’occupe du poste commercial.
営業職です。
ちなみに「Je suis commercial」というのはNG。これだと「私は金儲け主義だ」という意味になってしまいますよ。
似た単語に「commerçant 商人」がありますが、こちらは小売業という印象を与えてしまう単語。日本語の「営業職」とはニュアンスが違ってしまいます。
【事務職】
事務職は該当する範囲が広いため、仕事を聞かれて「事務です」と答える方も多いですよね。
ではフランス語で「事務です」と簡潔に言いたいときには、何と言えばいいのでしょうか。
Je suis employé de bureau.
事務員です。
「employé de bureau」は「サラリーマン、会社員」の意味もありますが、厳密には「bureau 事務所、オフィス」で働く「employé 勤め人、会社員」のことです。
とはいえフランス人は、事務職に対してこの「employé de bureau」という表現をあまり使わず、自分の属する部署や担当業務について具体的に述べることを好む傾向があります。
「お仕事は?」と聞かれて「Je suis employé de bureau」と答えると、部署や具体的な仕事内容について重ねて質問されることも多いので、部署や仕事内容についてのフランス語も覚えておくことをおすすめします。
フランス語会話:自分の仕事を説明
では最後に、自分の仕事について説明する具体的なフランス語会話を見ていきましょう。
会話
花子さんがマリーさんにどんな仕事をしているか尋ねています。
Hanako: Quelle est votre profession?
どんなお仕事をされているのですか?
Marie: Je travaille dans le service commercial d’entreprise d’électricité.
電力会社の営業部に勤めています。
Je m’occupe du poste de vente pour l’entreprise.
企業向けの営業職です。
Je suis la cheffe d’un petit groupe de cinq personnes.
5人のチームのリーダーをしています。
Hanako: En fait, qu’est-ce qui consiste à faire exactement comme cheffe d’équipe pour la vente?
ところで、販売のチームリーダーとは具体的にどんなお仕事をされるのですか?
Marie: En gros, j’organise et répartit les tâches à mes collègues, et m’assure pour que tout se déroule comme il faut.
簡単に言うと、仕事の計画を立てたり、同僚に仕事を振り分けたりしています。そして、全てがきちんと行われているか確認します。
Je fais par moi-même aussi des démarches commerciales comme téléphoner ou envoyer des emails, ou bien aller négocier chez les clients.
私自身でも、電話をしたりメールを送ったり、お客様のところに交渉に行ったりと、販売活動もします。
Hanako: Est-ce qu’il est intéressant comme travail?
お仕事は面白いのでしょうか?
Il me paraît qu’il y a beaucoup de concurrence dans ce domaine.
その分野は競争が激しそうですが。
Marie: Oui, mais c’est pour ça qu’il y a de grande satisfaction quand on obtient des contrats.
はい。でも、だからこそ、契約が取れたときには大きな満足感を味わえます。
En plus, on touche des commissions suivant les résultats.
それに、成績によってコミッションも受け取れます。
Cela nous donne de la motivation pour bien travailler.
しっかり働こうという意欲が湧いてきます。
Hanako: Ça, c’est très bien.
それは、とても良いですね。
- profession 職業
- travailler 働く
- entreprise 企業、会社
- électricité 電気、電力
- chef / cheffe 長、リーダー
- exactement 正確に
- comme ~として
- équipe 班、チーム
- en gros おおよそ、概略
- organiser 準備する、段取りを考える
- répartir 分ける、分配する
- collègue 同僚
- se dérouler 繰り広げられる、行われる
- démarche (ある目的のための)運動、行動
- téléphoner 電話をする
- envoyer 送る
- négocier 交渉をする
- client 客、顧客
- intéressant 面白い、興味深い
- concurrence 競争
- domaine 領分、分野
- satisfaction 満足(感)、喜び
- obtenir 得る、獲得する
- contrat 契約
- toucher (給料などを)受け取る
- commission コミッション
- résultat 結果
- motivation 動機、モチベーション
ポイント
【Quelle est votre profession?】
「お仕事は何ですか?」と尋ねる基本的なフランス語表現。「Qu’est-ce que vous faites dans la vie?」と言うこともできます。
【chef / cheffe】
本来フランス語の「chef」には男性形しか無く、女性に対しても男性形の「le chef」を使っていました。冠詞だけを女性形にして「la chef」という表現にすることもあります。
しかし女性が「chef」になることも増えるにつれ、「la cheffe」という女性形も広く使われるようになりました。
【exactement】
「exactement」は「正確に」という意味ですが、文中では「具体的に」と訳しています。花子さんのように、もっと詳しく知りたい、というニュアンスでも使えるので、相手との会話を発展させるのに便利なフランス語単語です。
【collègue】
「collègue」は日本語に訳すと「同僚」ですが、日本の同僚が年齢や序列がほぼ同じ人に対してのみ使われるのに対し、フランス語の「collègue」はより広い範囲で使われる単語です。
例えば文中のマリーさんは、5人のチームを率いる「cheffe d’équipe チームリーダー」ですが、同じチームの人のことを「collègue」と呼んでいますね。
日本のように先輩や後輩という概念もないため、社内の同じような立場の人であれば、社歴や年齢に関係なく「collègue」を使うのが正解です。
明確に上の立場である「上司」のことは「supérieur」といいます。
【toucher】
「toucher」は「触る」という意味でよく使われますが、「(給料などを)受け取る」という意味もあります。
Je touche 1500 euros par mois.
月に(給料を)1500ユーロ受け取っています。
また、「感動させる、心に触れる」という意味でも使われます。
Merci pour votre gentillesse, ça me touche beaucoup.
ご親切にありがとうございます。心に沁みました。
まとめ
今回は、フランス語で自分の仕事内容を詳しく説明する表現を紹介しました。
フランス人は自分の仕事を説明するとき、業種や所属部署・業務内容を具体的に説明するのが一般的です。
営業や事務などおおまかな表現で仕事内容を伝えると、仕事に対してきちんと向き合っていない人だ、とネガティブな印象を与えてしまう可能性もあります。
ビジネスに関する語彙は少々難しくなりますが、基本の表現を使って自分の仕事についてフランス語で説明することに挑戦してみてくださいね。
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