フランス語挨拶マスター完全版|初心者向け基本~応用、発音のコツまで徹底解説
目次
旅行、ビジネス、日常会話で即使える!「Bonjour」から状況に応じた自然な挨拶、丁寧さの使い分け、ネイティブ発音の秘訣まで網羅。これ一本でフランス語コミュニケーションが変わる!
フランス、ベルギー、スイス、カナダの一部、そしてアフリカの多くの国々。フランス語は世界中で話されている美しい言語です。国際化が進む現代、ビジネスシーンでフランス語が必要になったり、フランス語圏の人々と交流する機会が増えたりしている方も多いのではないでしょうか。
コミュニケーションの第一歩は、なんといっても挨拶から。相手の母国語で挨拶を交わすだけで、心の距離はぐっと縮まり、会話も弾むものです。しかし、「Bonjour以外にどんな挨拶があるの?」「場面によって使い分けるべき?」「発音が難しそう…」といった不安を感じる方もいるかもしれません。
この記事では、そんなフランス語学習初心者の方や、旅行・ビジネスでフランス語の挨拶が必要な方に向けて、基本的な挨拶から少し応用的な表現、さらにはネイティブのような自然な発音のコツまで、網羅的に解説します。単なるフレーズの羅列ではなく、それぞれの挨拶が持つニュアンスや文化的背景、使うべきシーンまで深掘りしていきます。
この記事を読めば、あなたも自信を持ってフランス語で挨拶ができるようになるはずです。ぜひブックマークして、繰り返し確認しながら、フランス語でのコミュニケーションを楽しんでください!

挨拶はコミュニケーションの扉を開く鍵
フランス語の挨拶が重要な理由:文化とコミュニケーション
フランス語圏、特にフランスでは、挨拶は単なる形式的な言葉以上の意味を持ちます。お店に入る時、道を尋ねる時、たとえ短いやり取りであっても、まず挨拶を交わすことが非常に重要視されます。挨拶を省略することは、相手に対して失礼だと受け取られることさえあります。
これは、フランス文化における「ポлитес(politesse)」、つまり礼儀正しさや丁寧さを重んじる価値観に基づいています。挨拶は、相手への敬意を示し、円滑なコミュニケーションを始めるための重要なステップなのです。
また、正しい挨拶を使い分けることで、相手との関係性(親しい間柄か、フォーマルな場面か)を適切に示すことができます。例えば、親しい友人には `Salut` を使いますが、初対面の人や目上の人には `Bonjour` を使うのが一般的です。このような使い分けができると、より洗練されたフランス語話者という印象を与えることができるでしょう。
さらに、発音も重要です。フランス語特有の鼻母音やリエゾン(連音)などを意識することで、より自然で聞き取りやすい挨拶になります。この記事では、各フレーズの発音のポイントも詳しく解説していきます。
いつでも使える!フランス語の基本挨拶マスター
まずは、時間帯や相手を問わず、様々な場面で使える基本的な挨拶をマスターしましょう。これらのフレーズを覚えておけば、フランス語でのコミュニケーションの第一歩は万全です。
Bonjour (ボンジュール): おはようございます/こんにちは
フランス語の挨拶として最も有名で、最も重要なのが `Bonjour` です。朝から夕方(大体18時頃)まで使える万能な挨拶で、「おはようございます」と「こんにちは」の両方の意味を持ちます。
お店に入る時、誰かに話しかける時、どんな場面でもまずは `Bonjour` から始めるのが基本です。非常に丁寧な響きがあり、初対面の人、目上の人、お店の店員さんなど、相手を選ばずに使えます。
Bonjour.
ボンジュール
英語: Hello. / Good morning. / Good afternoon.
使う場面: 朝から夕方まで、フォーマル・インフォーマル問わず使える万能な挨拶。お店の入店時、人に話しかける時など。
発音のコツ:
- `Bon` の `on` は「オン」ではなく、鼻から息を抜くように「オン〜」と発音する鼻母音です。口を少し縦に開け、鼻腔を響かせるイメージです。
- `jour` の `j` は日本語の「ジュ」よりも、舌を歯茎に近づけずに息を摩擦させる音です。「シュ」の有声音(声帯を震わせる)に近いイメージです。
- `r` は喉の奥を軽く震わせる音です。うがいをする時の音に似ています。難しければ、最初は軽く「フ」のような音を意識するだけでも良いでしょう。
より丁寧にしたい場合は、相手の敬称(`Madame` [マダム] – 女性へ、`Monsieur` [ムッシュー] – 男性へ)を付け加えます。
Bonjour Madame. (女性に対して)
ボンジュール マダム
Bonjour Monsieur. (男性に対して)
ボンジュール ムッシュー
Salut (サリュ): やあ/じゃあね
`Salut` は、親しい友人や家族、同僚など、気心の知れた相手に対して使うカジュアルな挨拶です。「やあ」という呼びかけと、「じゃあね」という別れ際の挨拶の両方に使えます。
`Bonjour` よりもくだけた表現なので、初対面の人や目上の人、お店などフォーマルな場面で使うのは避けましょう。
Salut.
サリュ
英語: Hi. / Bye. (casual)
使う場面: 親しい友人、家族、同僚などとの間で、出会った時と別れる時の両方に使えるカジュアルな挨拶。
発音のコツ:
- 最後の `t` は発音しません(黙字)。
- `lu` の `u` は、唇をすぼめて「ウ」の形を作り、「イ」と発音するイメージです。日本語の「ウ」や「イ」とは異なる音です。
Enchanté(e) (アンシャンテ): はじめまして
初対面の人に会った時、「お会いできて嬉しいです」という気持ちを込めて使う挨拶です。自己紹介の後などに添えると、丁寧で好印象です。
話者が男性の場合は `Enchanté`、女性の場合は最後に `e` をつけて `Enchantée` となりますが、発音は同じです。
Enchanté. (男性が言う場合)
Enchantée. (女性が言う場合)
アンシャンテ
英語: Nice to meet you. / Delighted.
使う場面: 初対面の人への挨拶。自己紹介の後など。
発音のコツ:
- `En` と `an` はどちらも鼻母音です。「アン」と発音しますが、鼻腔を響かせることを意識しましょう。
- 最後の `é` は、口を横に引いて「エ」と発音します。日本語の「エ」よりもはっきりとした音です。
- アクセントは最後の `té` に置かれます。
より丁寧な表現としては、`Ravi(e) de faire votre connaissance.` (ラヴィ ドゥ フェール ヴォートル コネッサンス – お知り合いになれて嬉しいです) があります。
Comment ça va ? (コマン サヴァ?): お元気ですか?
相手の調子を尋ねる定番のフレーズです。`Ça va ?` (サヴァ?) と短縮形にすると、よりカジュアルになり、親しい間柄でよく使われます。
目上の人やフォーマルな場面では、`Comment allez-vous ?` (コマン タレ ヴ?) を使うのがより丁寧です。
Comment ça va ?
コマン サヴァ?
英語: How are you? (standard)
Ça va ?
サヴァ?
英語: How’s it going? (casual)
Comment allez-vous ?
コマン タレ ヴ?
英語: How are you? (formal)
使う場面: 相手の調子を尋ねる時。丁寧さに応じて使い分ける。
発音のコツ:
- `Comment` の最後の `t` は発音しません。`en` は鼻母音です。
- `allez-vous` では `z` の音が現れます。これはリエゾン(前の単語の最後の(発音しない)子音字と、後ろの単語の最初の母音字が繋がって発音される現象)です。`allez` の `z` と `vous` の `v` が繋がり、「タレヴ」のようになります。
返答のバリエーション
「元気ですか?」と聞かれた際の返答も覚えておきましょう。
Bien, merci. Et vous/toi ?
ビヤン、メルスィ。エ ヴ/トワ?
元気です、ありがとう。あなたは? (vousは丁寧、toiは親しい相手)
Ça va bien, merci.
サヴァ ビヤン、メルスィ。
元気です、ありがとう。
Très bien, merci.
トレ ビヤン、メルスィ。
とても元気です、ありがとう。
Pas mal.
パ マル。
悪くないです。
Comme ci, comme ça.
コム スィ、コム サ。
まあまあです。
Au revoir (オ ルヴォワール): さようなら
最も一般的で丁寧な別れの挨拶です。フォーマル、インフォーマル問わず、どんな場面でも使えます。お店を出る時、会議が終わる時、友人と別れる時など、幅広く活用できます。
`Adieu` (アデュー) という別れの言葉もありますが、これは「永遠の別れ」や「もう二度と会わない」といった非常に重い意味合いを持つため、通常は使いません。
Au revoir.
オ ルヴォワール
英語: Goodbye.
使う場面: 別れる時全般に使える、最も標準的で丁寧な挨拶。
発音のコツ:
- `Au` は「オ」と発音します。
- `revoir` の `re` は曖昧な「ル」のような音(シュワーと呼ばれることも)。`voir` の `oi` は「オワ」と発音します。`r` は喉の奥を震わせる音です。
- 全体として「オルヴォワール」のように聞こえます。
À bientôt / À plus tard / À tout à l’heure: またね
`Au revoir` よりも、近いうちに再会することを期待するニュアンスを持つ別れの挨拶です。使い分けは以下の通りです。
À bientôt.
ア ビヤント。
英語: See you soon.
ニュアンス: 近いうちにまた会いましょう(具体的な日時は未定)。比較的フォーマルな場でも使える。
À plus tard.
ア プリュ タール。
英語: See you later.
ニュアンス: また後で会いましょう(今日中に会うかどうかは曖昧だが、比較的近い未来)。`À bientôt` より少しカジュアル。
発音のコツ: `plus` の `s` は発音しません。
À tout à l’heure.
ア トゥ タ ルール。
英語: See you in a bit. / See you very soon.
ニュアンス: また後でね(確実に今日中、それも数時間以内に再会する場合)。
発音のコツ: `tout à l’heure` の部分でリエゾンやアンシェヌマン(母音で終わる語と母音で始まる語が滑らかに続く)が起こり、「トゥタルール」のように繋がって聞こえます。
親しい間柄では、`À plus tard` をさらに短縮して `À plus !` (ア プリュス!) と言うこともあります。この場合の `plus` は `s` を発音します。

お店では Bonjour と Au revoir を忘れずに
Merci / Merci beaucoup: ありがとう/どうもありがとう
感謝の気持ちを伝える基本的な表現です。`Merci` だけで十分伝わりますが、`beaucoup` (ボクー – たくさん) を付けると「どうもありがとうございます」という、より強調した感謝の表現になります。
Merci.
メルスィ
英語: Thank you.
Merci beaucoup.
メルスィ ボクー
英語: Thank you very much.
使う場面: 感謝を伝えたいあらゆる場面。
発音のコツ:
- `Merci` の `r` は喉の奥で軽く震わせる音。`ci` は「スィ」と発音。
- `beaucoup` の `beau` は「ボ」、`coup` は「クー」。「プ」の音はほとんど聞こえません。
「どういたしまして」の表現
「ありがとう」と言われた際の返答もセットで覚えておきましょう。
De rien.
ドゥ リヤン
どういたしまして。(最も一般的でカジュアル)
発音のコツ: `rien` の `ien` は「イアン」ではなく、「イヤン」に近い鼻母音。
Je vous en prie.
ジュ ヴ ザン プリ
どういたしまして。(丁寧な表現)
発音のコツ: `vous en` の部分でリエゾンが起こり、「ヴザン」のように繋がります。`prie` の `r` も忘れずに。
Il n’y a pas de quoi.
イル ニィ ヤ パ ドゥ クワ
どういたしまして/とんでもないです。(ややカジュアル)
発音のコツ: `n’y a` が繋がり「ニィヤ」のように発音されます。
Pardon / Excusez-moi: ごめんなさい/すみません
軽い謝罪や、人に話しかける時、人の前を通る時などに使う表現です。
`Pardon` (パルドン) は「ごめんなさい」という謝罪の意味合いが強いですが、「すみません」という呼びかけにも使えます。比較的カジュアルな響きがあります。
`Excusez-moi` (エクスキュゼ モワ) は「失礼します」「すみません」という意味で、人に話しかける時や、何かを尋ねる前のクッション言葉として非常によく使われます。`Pardon` よりも丁寧な印象です。
Pardon.
パルドン
英語: Sorry. / Excuse me. (slightly more for apologizing)
使う場面: 軽くぶつかった時、聞き取れなかった時、ちょっとした謝罪、呼びかけ。
発音のコツ: `Par` の `ar` は「ア」に近い音で `r` を軽く添える。`don` の `on` は鼻母音。
Excusez-moi.
エクスキュゼ モワ
英語: Excuse me. (more for getting attention, formal)
使う場面: 人に話しかける時、道を尋ねる時、人の前を通る時、くしゃみをした後など。
発音のコツ: `Excusez` の `x` は [gz] の音(濁る)。最後の `z` は発音しないが、`moi` に繋がる。`moi` の `oi` は「オワ」。
「大丈夫ですよ」の返答
`Pardon` と言われた時の返答として、「問題ないですよ」という意味のフレーズも便利です。
Pas de problème.
パ ドゥ プロブレム
英語: No problem.
ニュアンス: 問題ありません、大丈夫ですよ。
Ce n’est pas grave.
ス ネ パ グラーヴ
英語: It’s not serious. / It’s okay.
ニュアンス: 大したことないですよ、気にしないでください。
時間帯に応じた挨拶:朝・夕方・夜
`Bonjour` は便利な万能挨拶ですが、時間帯によって使い分けられると、より自然なフランス語に聞こえます。
Bonsoir (ボンソワール): こんばんは
夕方(大体18時頃)以降に使う「こんばんは」にあたる挨拶です。`Bonjour` が使えなくなる時間帯になったら、こちらに切り替えます。使い方は `Bonjour` と同様で、お店に入る時、人に会った時などに使います。丁寧さも `Bonjour` と同程度です。
Bonsoir.
ボンソワール
英語: Good evening.
使う場面: 夕方(18時頃)以降の出会いの挨拶。
発音のコツ: `Bon` の `on` は鼻母音。`soir` の `oi` は「オワ」、`r` は喉の奥で。

夕方以降は Bonsoir で挨拶
Bonne journée / Bonne soirée / Bonne nuit: 良い一日/夜/おやすみ
これらは別れ際に使う表現で、「良い時間を過ごしてくださいね」という気持ちを伝えます。
Bonne journée !
ボンヌ ジュルネ!
英語: Have a nice day!
使う場面: 日中(朝~夕方)の別れ際に。
発音のコツ: `Bonne` の `onne` は「オンヌ」ではなく「オン」の鼻母音に「ヌ」を軽く添える感じ。女性形なので `n` の音が聞こえます。
Bonne soirée !
ボンヌ ソワレ!
英語: Have a nice evening!
使う場面: 夕方~夜の別れ際に(寝る前ではない)。
Bonne nuit.
ボンヌ ニュイ。
英語: Good night.
使う場面: 夜、寝る前の挨拶。「おやすみなさい」。
発音のコツ: `nuit` の `ui` は、「ユイ」と発音します。`u` の音(唇をすぼめて「イ」)と `i` の音を素早く繋げます。
状況別応用編:もっと自然な挨拶のために
基本的な挨拶を覚えたら、次は様々なシチュエーションでどのように挨拶を使い、会話を繋げていくかを見ていきましょう。
初対面での自己紹介
挨拶だけでなく、簡単な自己紹介もできると、コミュニケーションがよりスムーズになります。
あなた: Bonjour. Je m’appelle [あなたの名前]. Enchanté(e).
(ボンジュール。ジュ マペル [あなたの名前]。アンシャンテ。)
こんにちは。私の名前は[あなたの名前]です。はじめまして。
相手: Bonjour, [相手の名前]. Enchanté(e) également. Comment allez-vous ?
(ボンジュール、[相手の名前]。アンシャンテ エガルマン。コマン タレ ヴ?)
こんにちは、[相手の名前]さん。こちらこそはじめまして。お元気ですか?
あなた: Très bien, merci. Et vous ?
(トレ ビヤン、メルスィ。エ ヴ?)
とても元気です、ありがとう。あなたは?
お店でのやり取り
フランスでは、小さなお店でも入店時と退店時には必ず挨拶をするのがマナーです。
(入店時)
あなた: Bonjour. (時間帯によっては Bonsoir.)
(ボンジュール。 / ボンソワール。)
こんにちは。 / こんばんは。
店員: Bonjour Madame/Monsieur.
(ボンジュール マダム/ムッシュー。)
こんにちは、マダム/ムッシュー。
(何か尋ねたい時)
あなた: Excusez-moi, …
(エクスキュゼ モワ、 …)
すみません、〜
(会計後、退店時)
あなた: Merci. Au revoir. Bonne journée ! (時間帯に応じて Bonne soirée!)
(メルスィ。オ ルヴォワール。ボンヌ ジュルネ! / ボンヌ ソワレ!)
ありがとう。さようなら。良い一日を! / 良い夜を!
店員: Merci à vous. Au revoir. Bonne journée également !
(メルスィ ア ヴ。オ ルヴォワール。ボンヌ ジュルネ エガルマン!)
こちらこそありがとう。さようなら。あなたも良い一日を!
ビジネスシーンでの挨拶
ビジネスの場面では、より丁寧な言葉遣いが求められます。握手(la poignée de main – ラ ポワニェ ドゥ マン)を交わしながら挨拶することが一般的です。親しい同僚間では、頬にキスをする「ビズ(la bise – ラ ビーズ)」をすることもありますが、地域や会社文化、関係性によって異なるため、最初は相手の様子を見るのが無難です。

ビジネスでは丁寧な挨拶と握手が基本
(会議の開始時など)
あなた: Bonjour Monsieur Dupont. Comment allez-vous ?
(ボンジュール ムッシュー デュポン。コマン タレ ヴ?)
こんにちは、デュポンさん。お元気ですか?
相手: Bonjour Madame Tanaka. Très bien, merci. Et vous-même ? Je suis ravi de faire votre connaissance.
(ボンジュール マダム タナカ。トレ ビヤン、メルスィ。エ ヴ メーム? ジュ スイ ラヴィ ドゥ フェール ヴォートル コネッサンス。)
こんにちは、田中さん。とても元気です、ありがとう。あなたはいかがですか?お会いできて嬉しいです。
あなた: Je vais bien aussi, je vous remercie. Moi de même.
(ジュ ヴェ ビヤン オスィ、ジュ ヴ ルメルスィ。モワ ドゥ メーム。)
私も元気です、ありがとうございます。こちらこそ(お会いできて嬉しいです)。
(別れ際)
あなた: Merci pour cette réunion productive. Au revoir et bonne fin de journée.
(メルスィ プール セット レユニオン プロデュクティーヴ。オ ルヴォワール エ ボンヌ ファン ドゥ ジュルネ。)
この生産的な会議に感謝します。さようなら、良い一日を。
相手: Merci également. Au revoir.
(メルスィ エガルマン。オ ルヴォワール。)
こちらこそありがとう。さようなら。
ネイティブに近づく!発音のコツ
フランス語の挨拶をより自然に聞こえさせるためには、発音の練習が欠かせません。ここでは特に重要なポイントをいくつか紹介します。
鼻母音 (Les Voyelles Nasales)
フランス語の大きな特徴の一つが鼻母音です。これは、息の一部を鼻腔に抜かしながら発音する母音で、主に `an`, `en`, `on`, `in`, `un` などの綴りで現れます。
- on (オン): `Bonjour`, `Bonsoir`, `Pardon` など。口を丸くして「オ」の形を作り、鼻から息を抜く。
- an / en (アン): `Enchanté`, `Comment`, `Merci beaucoup` の `an` など。口を大きく縦に開けて「ア」の形を作り、鼻から息を抜く。
- in / un / ain / ein (アン): `Bien`, `matin` (朝) など。口を横に引いて「エ」に近い形を作り、鼻から息を抜く。`De rien` の `ien` もこの仲間。
最初は難しいかもしれませんが、ネイティブの発音をよく聞き、口と鼻の響きを意識して練習しましょう。
リエゾン (La Liaison) と アンシェヌマン (L’enchaînement)
フランス語では、単語と単語が滑らかに繋がって発音されることがよくあります。
- リエゾン: 通常は発音しない単語末の子音字が、次に母音で始まる単語が来ると発音され、繋がること。
例: `Comment allez-vous ?` → コマン タレ ヴ? (`t` の音が現れる)
例: `Je vous en prie.` → ジュ ヴ ザン プリ (`s` が `z` の音で現れる) - アンシェヌマン: 母音で終わる単語と母音で始まる単語が、切れ目なく滑らかに繋がること。
例: `tout à l’heure` → トゥタルール
これらの現象を意識すると、よりフランス語らしい流れるような発音になります。
R の発音
フランス語の `R` は、日本語のラ行とも英語のRとも異なる、喉の奥(口蓋垂)を軽く震わせて出す音です。うがいをする時の音に似ていると言われます。
例: `Bonjour`, `Au revoir`, `Merci`, `Pardon`
完璧にできなくても、喉の奥を意識するだけで、それらしく聞こえます。無理に強く発音しようとせず、軽く息を摩擦させるようなイメージで試してみてください。
音声を聞いて真似る
最も効果的なのは、ネイティブの音声を聞いて、そっくりそのまま真似することです。オンライン辞書、YouTube、語学学習アプリなどを活用して、正しい発音とイントネーションを耳で覚え、口に出して練習しましょう。
フランス語挨拶の学習を続けるヒント
挨拶を覚えたら、次はそれを定着させ、さらにフランス語の世界を広げていきましょう。
- 毎日少しずつ触れる: 通勤・通学中や休憩時間など、短い時間でも良いので、覚えた挨拶を復習したり、新しいフレーズに触れたりする習慣をつけましょう。
- 実際に使ってみる: もしフランス語を話す機会があれば、間違いを恐れずに積極的に使ってみましょう。実際に使うことで、記憶はより強固になります。オンラインの言語交換パートナーを見つけるのも良い方法です。
- フランス語のコンテンツを楽しむ: 映画、ドラマ、音楽、YouTubeチャンネルなど、自分の興味のある分野でフランス語のコンテンツに触れてみましょう。楽しみながら、自然な会話表現や発音に慣れることができます。
- 学習ツールを活用する: DuolingoやMemriseのような言語学習アプリや、オンラインフランス語講座などを利用するのも効果的です。ゲーム感覚で学べたり、体系的に文法を学べたりします。
まとめ:挨拶から広がるフランス語の世界
この記事では、フランス語の基本的な挨拶から、状況に応じた使い分け、丁寧さの度合い、そしてネイティブのような発音のコツまで、幅広く解説してきました。
フランス語の挨拶は、単なる言葉のやり取りではなく、相手への敬意を示し、円滑なコミュニケーションを築くための重要な文化の一部です。`Bonjour` や `Merci` といった基本的な挨拶を自信を持って使えるようになるだけで、フランス語圏の人々との交流は格段に豊かになるでしょう。
今回学んだフレーズを、ぜひ実際の場面で使ってみてください。最初は完璧でなくても構いません。大切なのは、積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿勢です。
挨拶は、広大で魅力的なフランス語の世界への入り口に過ぎません。この一歩をきっかけに、さらにフランス語学習を進め、異文化理解を深めていただければ幸いです。
Bon courage pour votre apprentissage du français ! (フランス語の勉強、頑張ってください!)