マルセイユの美食巡り:フランス語で楽しむ地元の味
旅行に行くならその地方の美味しい物を食べたいですね。
プロヴァンス一の街、マルセイユにはどんな美味しい食べ物があるのでしょうか。
マルセイユの名物料理
プロヴァンス地方に旅行に行きたい花子さん、行きたい観光地に目星が付いたら、今度は食べ物に興味が沸いて来たようです。
フランス語会話
Hanako : Tu sais, Marie, je suis très gourmande.
ねえマリー、知ってるでしょ、私とっても食いしん坊なのよ。
Marie : Bah oui, tu connais beaucoup de bons restaurants et tu parles souvent de nourriture…
ええ、まあね。おいしいレストランを沢山知ってるし、しょっちゅう食べ物の話をしているわよね。
Hanako : Oui c’est ça.
そうなのよ。
Donc, maintenant que je sais à peu près où on ira en vacance, je voudrai savoir ce que je peux manger là-bas !
だからね、ヴァカンスにどこに行くかだいたい決まったから、あっちで何が食べられるか知りたいのよ!
Marie : D’accord. Alors, qu’est ce que j’ai mangé là-bas…
わかったわ。そうね、あちらで何を食べたかしら…
Hanako : La spécialité de Marseille, c’est la bouillabaisse, n’est ce pas ?
マルセイユの名物はブイヤベースでしょ?
Marie : Ah, oui ! Que c’était bon !
そうそう!とっても美味しかったわ !
Mais il ne faut pas la manger n’importe où.
でも適当なところで食べちゃダメよ。
Hanako : Ah bon ? Pourquoi ?
そうなの?どうして?
Marie : Malheureusement, il y a beaucoup de restaurants pour les touristes, et normalement ce n’est pas terrible.
残念だけど。ツーリスト向けのレストランが沢山あってね、まあ普通は美味しくないのよね。
Je te donnerai le nom de restaurant où j’en ai mangé.
私たちが行ったレストランの名前、後で教えるわよ。
ポイント
gourmand「食いしん坊の」
「食いしん坊の」という意味の名詞です。文中では花子さんは女性なので「e」が最後についていますね。
「je suis gourmand de ~」と言えば「~が大好き」の意味になります。
日本語でもおなじみの「gourmet グルメ」から派生している単語ですね。他には「gourmandises ごちそう/甘いもの」などがあります。
ひとつの単語を覚えたら、同じグループで覚えるようにするとフランス語の上達が早くなりますよ。
maintenant que ~「~をした今では」
「~をした今では」の意味で「~」には直説法が入ります。
Que c’était bonne ! 「とっても」
この「Que」は副詞です。感嘆文の頭に置いて「何と/何て~なんだろう」となります。会話の役では「とっても」と訳しました。
「Qu’elle est belle ! なんて(彼女)はきれいなんだろう」や「Qu’est ce que c’est beau ! 何てきれいなんだろう(景色など)」という様に使います。
n’importe où「重要な」
「importe」は「importer」という自動詞で「重要な」という意味です。
否定が付いて「n’importe」だけで「どうでも良い/大した事では無い」という表現ができます。
それに「où 場所」が付いて「n’importe où」となると、「(場所は)どこでも(良い)」ですね。
「n’importe qui 誰でも」「n’importe comment どうでも」 「n’importe quand 何時でも」なども便利な表現なので覚えておきましょう。
ce n’est pas terrible「恐ろしい」
「terrible」の第一の意味は「恐ろしい」や「酷い」などの否定的な意味です。では「ce n’est pas terrible」は「恐ろしくない」や「酷くない」の意味になると思いがち。
ところが「terrible」には話し言葉だと「素晴らしい」の意味もあり、そして否定形で多く使われます。
マリーが会話上で使っていた「ce n’est pas terrible」は「素晴らしい」の否定なので、「おいしくない」の意味になります。
Je te donnerai ~「渡す」
「donner 与える」という動詞は物だけでなく情報などにも使えます。
日本語に直訳してしまうと「私はあなたに~を与える」となって、なにやら偉そうな印象を与えてしまいますが、むしろ「渡す」のニュアンスで使うことの方が多いでしょう。
マリーさんは以前に行ったレストランの名前を覚えていなかったので、「Je te donnerai le nom de restaurant」と未来系を使って、「後で渡すわ」と言った訳です。
「Je te dirai」「後で言うわ」でも良いですね。
マルセイユの代表料理ブイヤベース
港町マルセイユの代表料理は「bouillabaisseブイヤベース」、そもそもは漁師が売れない様な魚で作る簡単な煮込み料理でした。
それが現在では高級料理として、観光名物にまでなっています。
フランス語会話
Hanako : En fait, la bouillabaisse, qu’est ce que c’est exactement?
ところで、ブイヤベースって正確にはどんな物なの?
Je sais simplement que c’est une soupe de poissons.
ただ、魚のスープってことは知ってるんだけど。
Marie : Oui, c’est ça. C’est une soupe de poissons qu’on mange avec des croûtons et de la rouille.
その通りよ。クルトンと゛ルイユ゛と一緒に食べる魚のスープなの。
Hanako : De la rouille ?
ルイユ?
Marie : C’est comme la sauce mayonnaise avec de l’ail.
ニンニク入りのマヨネーズみたいな物よ。
En réalité, elle est composée de foie de lotte, de pomme de terre etc.
実はアンコウの肝やじゃがいもなんかが入っているの。
Hanako : Le foie de lotte ?!
アンコウの肝?!
En fin, j’ai compris pourquoi il ne faut pas la manger dans n’importe quel restaurant.
どうして適当なレストランで食べちゃいけないかやっと解ったわ。
Au restaurant pas cher pour les touristes, les poissons ne doivent pas être de très bonnes qualités …
観光客向けの安いレストランじゃ、魚の品質は良くないに決まっているものね…
ポイント
soupe de poissons
「poissons」は複数形をとります。スープの中には一匹では無く、沢山の魚が入っているからです。
La charte de la bouillabaisse
マルセイユには市が定めた「 La charte de la bouillabaisse ブイヤベース憲章」があり、材料や作り方、サービスの仕方まで決められています。
ブイヤベースをどこで食べようか悩んだら、この「La charte de la bouillabaisse」を守っているお店に行きましょう。
海と山に囲まれたプロヴァンスの美味しいものを満喫するなら、自分で料理するのもおすすめです。
シンプルな材料でも新鮮さが違うから驚くほど美味しい食事がつくれそうですね。
プロヴァンスの美味しいもの
何週間もお休みを取るのがフランス式ヴァカンス。毎日レストランで食事をするわけにはいきませんよね。
プロヴァンスの太陽を浴びた野菜を、自分で料理するのも楽しみの一つです。
フランス語会話
Marie : Ecoute Hanako, c’est vrai que la bouillabaisse est très bonne, mais il ne faut pas oublier les autres choses aussi !
ちょっと花子、確かにブイヤベースは美味しいけど、他のものも忘れないでよ!
Hanako : Les autres choses ?
他のもの?
Alors, qu’est-ce que tu me conseilles ?
じゃあ、何がおすすめ?
Marie : Je te conseille d’aller surtout au marché local.
地元の朝市に行くのをおすすめするわ。
Comme il y a le soleil toute l’année, les légumes ont les vrais goûts de légumes.
一年中お天気が良いから、野菜が本当の野菜の味がするの。
Par exemple, le goût de tomate, très sucré, rien à voir avec les tomates de supermarché.
例えばトマトの味もね、とっても甘くってスーパーのトマトとは全くの別物よ。
Hanako : Ah oui, ça me tente beaucoup…
ああ、そうね、それは魅力的だわ…
La vraie cuisine provençale !
本物のプロヴァンス料理ね!
Marie : Voila, si tu es véritablement gourmande, il ne faut pas rater ça.
その通り。もしあなたが本物のグルメなら、これは外せないわよ。
Hanako : Dans ce cas, c’est peut-être mieux de louer un appartement plutôt que l’hôtel ?
それなら、ホテルよりアパートを借りた方がいいのかしら?
Marie : Oui, c’est bonne idée !
ええ、良いアイデアね。
De toute façon, tu y resteras pendant un certain temps.
どの道、しばらく滞在するんでしょ?
Il vaut mieux avoir une cuisine.
キッチンはあったほうがいいわよ。
Hanako : Jusqu’à là, je n’ai jamais essayé les vacances à la française.
今までフランス式バカンスって試したことが無かったんだけど。
Je crois qu’il est temps à m’y mettre !
今こそやってみるべきよね。
Marie : Bienvenue au club !
あなたもフランス人の仲間入りね!
ポイント
marché local「朝市」
「marché」といえば「市場」のことですね。日本でも「マルシェ」で意味が通じる事も多いと思います。「朝市」と訳される事が多いですね。
そんな「marché」ですが「朝」だけの物ではないんですよ。
「supermarché スーパーマーケット」や「marché aux puces ノミの市」などいろいろです。常設市場は「marché couvert」と呼びます。
単に「Je vais au marché」といえば「朝市に行く」となります。
マリーさんは花子さんに「地元の」マルシェに行って欲しいと思っているから「marché local」という表現を使っています。
rien à voir (avec ~)
直訳してしまうと「見るものが無い」となりますが、ここでは「~と無関係な」の意味になります。
朝市のトマトとスーパーのトマトが「全くの別物」というのを強調するために、こんな言い方をしています。
ça me tente
「tenter」には「試す」の他に「誘惑する」という意味もあります。
「ça me tente 」は「それが私を誘惑する」、日本語にすると変ですね。文中では「魅力的ね」と約しました。
un certain temps
形容詞の「certain」は慣れない内は使うのが難しい単語の1つです。「①確実な」という意味と「②いくらかの」という全く違う意味を持つからです。
「certain」が名詞の後、もしくは属詞なら①の意味、「un certain +名詞」と「un/une」の後に「un certain」が来れば②の意味になります。
文中の「un certain temps」は②の意味で「しばらくの時間」「ある程度の期間」と言う事です。
Bienvenue au club !「クラブへようこそ!」
そのまま何かのクラブに入会したときにも使えますが、「あなたも(私たちの)仲間入りね」といった意味で使われる事も良くあります。
プロヴァンスの美味しいもの
マルセイユの名物ブイヤベースや新鮮野菜などプロヴァンスには美味しい物が沢山あります。
山側の美味しいのも
他に有名なものではオリーブやヤギのチーズ。牧草が生えにくい山間地帯が多いから、牛よりも子羊が料理に使われることが多いんです。
ジンギスカンのイメージで羊が苦手だと思っている人も、柔らかい子羊にハーブをふんだんに使ったプロヴァンス料理なら好きになれるかも知れませんね。
プロヴァンスのお菓子
お菓子はしっかりとした甘さものが主流です。果物の砂糖漬けの「fruit confit」やアーモンドペーストを使った「calisson」が有名です。
フランスのヴァカンス事情
みなさんは「ヴァカンス」にはどんなイメージがあるでしょうか。
一般的に日本では長期のお休みが取りにくい事もあって、「旅行」には行くけど「ヴァカンス」は取ったことが無い人がほとんど。
フランス人のヴァカンス事情をのぞいて見ましょう。
ヴァカンスの期間
ヴァカンスの為に生きているといっても過言ではないのがフランス人です。夏に2週間は当たりまえ、3週間や5週間という人もちらほらと耳にします。
文中で花子さんの言っていた、フランス式ヴァカンスというのはこの長い期間の事ですね。
ホテル?賃貸?
長期のヴァカンスに行こうとなると、ホテルに泊まったら凄い出費になってしまいます。
そこで一般のフランス人が予約するのはアパートがメインなんですよ。観光地に住んでいる人は、シーズン中だけ自分の家を週貸しにする事も。
掃除も料理も自分でしなくてはいけないのが短所であり長所でもありますね。
ただ、旅館やホテルに慣れた日本人は「こんなのヴァカンスじゃない!」と思ってしまう人も多いみたいです…。