ビジネス関係や友達以上恋人未満など、ちょっと気を遣う相手の場合、食事の支払いひとつ取っても悩ましいものです。今回はそういったシチュエーションを見てみましょう。
フランス語で割り勘にする
目次
会話
Claude:Voilà, on y va. L’addition, s’il vous plaît!
Gabriel:Mais non! C’est pour moi…
Claude :Non, c’est moi qui vous ai amené ici.
Gabriel:Alors, chacun paies apart.
Claude :D’accord.. ( À garçon) Séparément, s’il vous plaît. Vous acceptez la carte ?
Vocabulaire
(“<”記号以下は、もとの形(辞書に載っている形)を表しています。また、名詞の後の(m)、(f)は、それぞれ男性名詞・女性名詞を示しています)
- addition (f) 勘定(書)
- pour ~向けの
- invité<inviter 招待する
- chacun (m) それぞれ、各々 (女性の場合はchacune)
- paie<payer 支払う
- part (f) 部分
- garçon (m) (レストランの)ボーイ、少年
- séparément 別々に
- carte (f) カード
和訳
クロード:よし、行こう。お勘定お願いします。
ガブリエル:とんでもない、ぼくがもちます。
クロード:いや、ここはぼくが誘ったのだから。
ガブリエル:では、割り勘にしましょう。
クロード:分かりました。
(ギャルソンに)別々にお願いします。カードは使えますか?
今週のポイント
L’addition, s’il vous plaît !
「お勘定をお願いします」
additionは英語と同様、「足し算」「加えること」というのが元の意味ですが、転じて「勘定書き」の意味でも使われます。
もともとは、いろいろ注文したものの合計、という意味なのでしょうね。フランスのレストランやカフェは、日本のように出口ではなく、テーブルにボーイさんを呼んで支払いをするのが普通です。
声を出して呼ぶのに抵抗がある場合には、担当のギャルソンとアイコンタクトをして、ペンを持って書き込むしぐさをすれば分かってもらえます。
Mais non !
「とんでもない!」
maisはnonを強める働きをしています。強く否定するときの表現です。
反対に、Mais oui! という表現もあり、この場合にはmaisはouiを強めますから、「もちろん!」という意味になります。
C’est pour moi.
「わたしが持ちます(支払います)」
C’est moi qui paie.「わたしが支払います」と同じ意味です(C’est moi qui…の構文については次の項をご覧下さい)。
C’est moi qui vous ai amené ici.
「あなたをここに連れてきたのは私です」
まず、全体の構文c’est moi qui ~です。これは英語のIt is me who (that) ~.と同じで、強調構文です。ここでは、Je vous ai amené ici.「私はあなたをここへ連れてきた」という文のjeを強調した表現になっています。
強調したい部分をC’estの後に置き、その後にquiに導かれる形で文の残りを置いて作ります。この節の中の動詞は、意味上の主語(この場合はje)に合わせて活用させます。また、強調する部分が人称代名詞の場合には、moi, toiなどの強勢形にすることをお忘れなく。日本語としては、「~したのは私だ」の意味になります。なお、強調したいのが主語以外の場合は、C’est ~ que ….の形になります。
ex. C’est Paris que j’adore. 「私が大好きなのはパリなんです」
次に、qui vous ai amené iciの部分です。語順に注目してください。動詞部分が複合過去のため、ai amenéと2語に分かれていますが、これは1かたまりと捉えて、「目的語は動詞の前に置く」ため、このような語順になっています。
chacun paie sa part.
「割り勘にしましょう」
直訳すると「各自が自分の分を払う」となります。On fait moitie moitie?(直訳すると「半分半分にしよう」)も同じ意味です。
Séparément, s’il vous plaît
「別々にお願いします」
On va payer séparément.の前半部分を省略した形です。
Vous acceptez la carte ?
「クレジットカードは使えますか?」
よく使うお決まりの表現です。「クレジットカード」は、省略せずに言うならla carte de creditです。
今週のお役立ち!メニューでよく見る表現
- le menu 定食
- le plat du jour 本日の(お勧め)料理
- les entrées 前菜
- les poissons 魚(料理)
- les viandes 肉(料理)
- bifteck- frites ビーフステーキ・フライドポテト添え
- le gigot d’agneau 子羊のもも肉
- le coq au vin 鶏の赤ワイン煮
- le boeuf bourginion 牛肉の赤ワイン煮
- rôti ロースト(オーブンなどで焼く)した
- grillé グリルした
- poêléポワレ(フライパンで焼いた)
- confit コンフィ(砂糖・酢・油などに)漬けた
- fumé くんせいにした
日常会話がかなり出来るようになってきても、レストランでメニューを見るとちんぷんかんぷん、ということ、けっこうあります。
何せ食材と料理法ですから、日常生活に必要なボキャブラリーとはだいぶずれがあるからです。また、「ニース風サラダ」など、地方の名前のついたメニューにいたっては、地名そのものは分かっても、調理法を連想することは不可能です。
だいたい、メニューに載っている品数からして、断然フランスの方が多いように思います。食に対するフランス人のこだわり(執念に近い?)を感じます。フランスの食は奥が深い!レストランには辞書をお忘れなく。