フランス人の日曜大工:ブリコラージュの魅力と文化に迫る
フランス人はブリコラージュ=日曜大工をする人が多いよう。そのため近所の家からトンカチの音が聞こえてくることも!
今回はそんなフランスのブリコラージュ事情を覗いて見ましょう。
目次
近所でブリコラージュ
花子さんから電話を受けたマリーさん、なんだか慌しいような…?いったい何があったのでしょうか?
会話
(Au téléphone 電話で)
Hanako : Bonjour Marie, comment tu vas ?
こんにちは、マリー。調子はどう?
Marie : Bonjour Hanako, pardon, attends une minute.
こんにちは、花子。ごめん、ちょっと待ってくれる?
(Un peu plus tard 少し後で)
Marie : Alors, je suis désolée de te faire attendre.
もしもし、待たせてごめんね。
Hanako : Ce n’est pas grave.
大丈夫よ。
Marie : mon voisin d’étage fait du bricolage aujourd’hui.
同じ階の住人が、今日はちょっと工事をしていて。
J’avais du mal à t’entendre là où j’étais tout à l’heure.
さっき居たところだと、よく聞こえなかったのよ。
Hanako : Ah, pas de chance.
あら、ついてないわね。
Tiens, je t’appelle pour te demander si tu veux prendre un café chez moi ou ailleurs.
そうそう、私の家かどこかで、カフェでも飲まないかなと思って電話したのよ。
Marie : Ca tombe bien ! On se retrouve au café dans un quart d’heure ?
ナイスタイミングだわ!カフェで15分後はどう?
Hanako : Entendu ! A tout de suite !
わかったわ!あとでね!
ポイント
attendre une minute
「attends une minute」を直訳すると「1分待って」ですね。ところが実際は、1分で済むことなんて殆どないのが現実です。
「Une seconds 1秒(待って)」や「un instant ! ちょっと(待って)! (instantは瞬間の意)」という表現もあります。
「attends un peu」のように「ちょっと待って」といわれたと思って、1分過ぎてもおおらかな気分で居るのが、フランス生活のコツなんですよ。
avoir du mal à +不定詞
「avoir du mal à +不定詞」は「~するのが難しい」という意味です。マリーさんは隣人の工事の音のせいで、電話の声が良く聞こえなかったのですね。
A : Pourquoi tu ne manges pas tout ? Je croyais que tu aimais ce plat.
どうして全部食べないの?この料理好きだと思ってたんだけど。
B : Si je l’aime bien. Justement à cause d’une carie, j’ai du mal à mâcher…
うん、好きだよ。ただ虫歯のせいで、噛みにくくって…
tomber bien
「tomber」は落ちるという自動詞ですが、非人称で「Ca tombe bien /mal」というと「タイミングが良い/悪い」という意味になります。
A : Je veux t’inviter au dîner ce week-end.
今週末ディナーに招待したいんだけど。
B : Ah merci, mais ça tombe mal. Je pars ce vendredi soir à Londres pour le week-end.
まあ、ありがとう。でもタイミングが悪いわ。金曜日にロンドン週末旅行にでるのよ。
もちろん人を主語にとることもできます。
A : Bonjour, tu fais quoi ?
こんにちは、何してるの?
B : bonjour, tu tombes bien ! Est-ce que tu peux tenir ici?
こんにちは。いい所に来たね!ここ持ってくれない?
Je n’arrive pas à le faire toute seule !
一人じゃ出来なかったんだよ。
フランス人とブリコラージュ
ブリコラージュとは
「bricolage」は「日曜大工」と訳されることが多いですが、プロではない(お金の発生しない)工事などのことです。
その範囲は簡単な棚の組み立てから、大掛かりな工事までレベルはさまざま。
一般の人でも、ペンキの塗り替えや壁紙の張替えは、プロに頼まず自分たちでする場合が多いんですよ。
フランス人はブリコラージュ好き
ブリコラージュ好きな人のことを「bricoleur/se」と呼びます。
フランス人にはこの「bricoleur」がたくさん居るようで、大きなショッピングセンターには「magasin de bricolage ブリコラージュのお店」があることが殆どです。
日本のホームセンターに近いイメージですが、その規模や商品の多彩さには目を見張る物があります。
大きなお店は街の郊外にあることがほとんどなので、車が無いと行きにくいのが欠点ですね。
テレビでもブリコラージュ
フランスにはブリコラージュに関するテレビ番組が豊富にあります。
インテリアに関するものから廃屋に近い状態の家を修理する物まで、大変人気があるようですよ。
自宅で出来るテクニックを紹介してくれるものも多いので、機会があればチェックしてみましょう。
フランスのインテリアのエスプリが盗めるかもしれませんね。
ちょっと注意
「bricolage」の動詞は「bricoler」、「日曜大工をする/修理をする」ですね。
ところがこの動詞、使い方によっては悪い意味になることもあるんです。
その場しのぎで修繕する、というニュアンスもあるので「素人仕事」と揶揄になってしまわないように気をつけてくださいね。