フランスのクリスマスは本物のもみの木
クリスマス気分を盛り上げるクリスマスツリー、フランスの家庭では生のもみの木がスタンダード。
とっても良い香りのツリーで、ますますクリスマスが楽しみになってきます。
本物のクリスマスツリー
今日の花子さんはマリーさんのお宅にお呼ばれです。ドアを開けたとたん発見したのは…?
Hanako : Qu’est-ce que ça sent bon chez toi !
あなたの家、なんて良い匂いなの!
Marie : Merci, on vient d’acheter un sapin de Noël.
ありがとう、クリスマスツリーを買ったところなのよ。
Hanako : Un vrai sapin ! En plus tu l’as décoré avec bon goût.
本物のもみの木!それにデコレーションのセンスが良いわ。
Marie : C’est gentil, tu n’as jamais vu un vrai sapin ?
ありがとう、本物のもみの木を見たことがないの?
Hanako : Si, mais pas chez quelqu’un. Chez moi, il était toujours en plastique.
いいえ、でも人のお宅では初めてよ。私のところは、いつもプラスチック製だったし。
Marie : Oh c’est dommage… D’ailleurs, il n’est pas cher du tout.
それは残念だわ。それに、もみの木って全然高くないのよ。
Si tu veux en acheter un, je peux t’accompagner en voiture.
もし買いたいなら車で付き合ってあげる。
Hanako : Merci, j’achèterai aussi des boules de Noël !
ありがとう、ブール・ド・ノエルも買いたいわ!
フランス語単語
Qu’est-ce que ~「なんて~なんでしょう!」
「なんて~なんでしょう!」は「Qu’est-ce que ~」を文頭につけて表現します。もっと短く「Que」だけつけてもOKですよ。
大げさな感情表現が苦手といわれる私たち日本人ですが、普通の文の頭につけるだけなので、使いやすい表現ですね。
Qu’est-ce que c’est bon ce plat !
この料理はなんて美味しいの !
Que tu es gentil !
あなたはとっても親切ね!
goût「味」
「goût」は「味」ですが「趣味・センス」の意味でも良く使われる単語です。
「bon 良い」や「mauvais 悪い」をつけて「趣味が良い/悪い」と表現しまが、無しでも「良い」の意味になることもあります。
また、「好み」の意味もあるので、訳し方には注意が必要ですね。
Vous avez du goût.
あなたはセンスが良い。
Chacun ses goûts.
人はそれぞれの趣味を持っている→蓼食う虫も好きずき
もみの木の種類「sapin」
フランス語で「もみの木」は「sapin」といいます。それに「Noël クリスマス」をつけて「sapin de Noël クリスマスツリー」となりますね。
そんな「sapin」ですが、実は一種類ではないってご存知ですか?
フランスのクリスマス時期にお店に並ぶのはいくつか種類があり、特徴や値段がそれぞれ違うのです。
Sapin naturel
【Epicéa】
フランスでもっともポピュラーなクリスマスツリーといえば「Epicéa」です。香りが強いのが特徴で、お手ごろな値段で購入できるのが嬉しいところ。
反面「épine とげ」が落ちやすいので、室内に飾る場合お掃除が大変という欠点があります。
【Nordmann】
「Epicéa」と比べて香りは弱いのですが、熱に強く「épine」が抜けにくいのがこちらの「Nordmann」。値段も少し高いけれど、室内で長く楽しめると人気の出ている品種です。
【Nobilis】
香りもとげの抜けにくさも両方大切!という人に人気は「Nobilis」という品種。この3つの中で一番高く、どこでも売っている訳ではないのが欠点です。
Sapin artificiel
「artificiel 人口の」の名の通り、プラスチックなどでできたクリスマスツリーのこと。
香りは楽しめませんが、毎年買いなおさなくて良い・掃除が楽、などでじわじわとフランスでも人気が出てきています。
クリスマスツリーの飾りつけ
クリスマスツリーに欠かせないのがデコレーション。フランスでは11月中旬ごろから、色々なお店でデコレーショングッズが販売されます。
文中にでてきた「des boules de Noël 」はツリーに吊るす球状の飾りのこと。
ガラス製やプラスチック製など、選ぶのが難しいほどたくさんの飾りがお店に並んでいます。
天辺の飾りは「étoile 星」、ツリーにぐるぐると巻く電球は「guirlande(de Noël)」ですね。
クリスマスツリーは新年まで!
日本ではイブがあけて25日のクリスマス当日には、もうクリスマスは終了気分。
ところがフランスでは新年が明けて数日するまで、クリスマス飾りはそのままなのがスタンダードなんです。もちろん大晦日や元旦も、クリスマスと変わらぬデコレーションで過ごすのです。つまりクリスマスツリーもそのまま飾っているんですよ。
そのため早い時期にツリーを買ってしまうと、新年には枯れてかわいそうな状態になってしまうことも。
カトリックの多いフランスでは、親しい人の間でクリスマスカードを送りあう習慣があるようです。
クリスマスの準備はカードから
今日のマリーさんと花子さんは、クリスマスカードを買いに行くようです。お気に入りの1枚は見付かるのでしょうか?
会話
Marie : Ah tiens, regarde, on commence à sortir les décorations de Noël !
あら、見て、クリスマスの飾りを出し始めているわ。
Hanako : Oui, maintenant, il faut commencer à organiser la fin d’année.
ええ…、もう年末の準備を始めないといけないのね。
Marie : C’est vrai. Est-ce que tu veux m’accompagner à la papeterie ?
本当ね。文房具屋さんに付き合ってくれない?
J’aimerais regarder les cartes de vœux pour le Noël.
クリスマスカードを見たいのよ。
Hanako : Avec plaisir ! Je ne les ai pas encore achetées.
喜んで!私もまだ買っていないの。
Chaque année, je n’y pense qu’à la dernière minute…
毎年、ぎりぎりになってから取り掛かるのよ…
Marie : Pourtant, je reçois des cartes de ta part chaque année à temps.
でも毎年、あなたからのカードをきちんと受け取っているわよ。
Hanako : Oui, mais juste avant le Noël.
ええ、でもぎりぎりクリスマスの前でしょ。
Cette année, je les envoie au début décembre !
今年は12月の頭に送ってみせるわ!
フランス語単語
papeterie 「文房具屋」
「papeterie」とは文房具屋さんのこと。
文房具は「papeteries」と複数形にして現します。「articles 品物」や「fournitures 必必需品/用品」に「de bureau 会社の/d’école 学校の」を付けて「articles de bureau」とも言います。
フランスの文房具はおしゃれな物も多いのですが、値段は高いものが多いのが難点です。
日本の安くてかわいい文房具は、フランス人にお土産として喜ばれることが多いようですよ。
de ta part「分け前/割合」
「part」は「分け前/割合」という意味の女性名詞ですが、「de la part de +人」で「~からの」という意味で使われます。
文中の「de ta part 」は「de+人」の部分が所有形容詞の女性形「ta 君の」に置き換えられています。
A : Comment ils vont tes parents ?
ご両親はお元気?
B : Ils vont bien. Tu as le bonjour de leur part.
元気だよ。君によろしくって言っていたよ。
à temps「定刻に」
「à temps」は「定刻に」という意味。文中では「クリスマス前に届いている」という意味で「きちんと」と訳されています。
他にも「heure 時間」を使った「à l’heure」も同じ意味で使われます。
駅や空港の掲示板などに「à l’heure」とあれば、遅れずに時間通りの到着/出発ということですね。
日本と違い公共交通機関は遅れることが多いフランスですから、移動中に「à l’heure」かどうかの確認は必須ですよ。
クリスマスカード
carte de Noël「クリスマスカード」
フランス語でクリスマスカードは「carte de Noël」、もしくは「carte de vœux」といいます。
「Noêl」はクリスマス、「vœux」は「vœu」の複数形で「願い」を意味しています。
「carte de vœux」はクリスマスカードだけでなく、その他のグリーティングカードのことも指すんですよ。
カード発送の時期
日本にはクリスマスカードの文化はありませんが、年賀状がありますよね。
年賀状は元旦に着くように送るのが基本の為、クリスマスカードもクリスマス当日に着かなければいけないの?と思ってしまいがち。
ところがクリスマスカードはクリスマス前に到着すればOKという、おおらかさなんです。
早ければ11月末ごろから、遅くても中旬に発送すれば安心ですね。そうして頂いたカードは片付けてしまわずに家に飾れば、クリスマス気分を盛り上げるのに一役買ってくれます。
定番の一言
クリスマスカードに書く定番はなんといっても「Joyaux Noël メリークリスマス」。
そして気が早いですが、「Bonne année 新年おめでとう」も添えることが多いようです。