フランスの2月2日はクレープの日

  1. フランス食べ物

フランスの2月2日はクレープの日

一家に一つはクレープ専用のフライパンや器具があるのがフランス家庭。

日本の鍋のようにみんなで楽しめるので、大人から子供まで人気の高いメニューなんですよ。

クレープの日

新年を過ぎ2月に入ると、フランスではクレープを食べる日があります。カトリックの祝日が由来なのですが、もはやクレープの日として認識されているような…?

会話

Marie : Est-ce que tu as quelque chose prévue au 2 février ?

2月2日は何か予定がある?

Hanako : Rien de spécial.

特にないわ。

Marie : On fait des crêpes, tu veux venir en manger avec ton mari ?

クレープを作るのだけど、旦那さんと一緒に食べにこない?

Hanako : Ah oui, la crêpe de la chandeleur ! J’ai complètement oublié.

あら、シャンドルーのクレープね。完全に忘れていたわ。

Je demanderai à mon mari, mais normalement on n’a rien de prévu.

夫に聞いてみるけど、何もなかったはずよ。

Marie : Tu me diras ça avant la veille.

前日までに(予定を)教えてね。

Hanako : Bien sûr. A propos, je comptais vous inviter le 3 février.

もちろん。ところで、2月3日にあなた方を招待するつもりだったの。

Comme je prépare le maki pour Setsubun.

節分に巻き寿司をつくるから。

Marie : Merci, j’aimerai bien goûter ton maki, mais qu’est-ce que c’est Setsubun ?

ありがとう、ぜひ食べてみたいわ。でも節分って何?

Hanako : C’est la veille du premier jour de printemps.

立春の前の日のことよ。

On mange des makis, et chasse des démons qui s’appellent “oni”, en leur lançant des graines de soja.

巻き寿司を食べて、鬼っていう悪魔に大豆を投げて追い払うの。

ポイント

Rien de spécial

Rien de spécial」は「Je n’ai rien de spécial 特別なことは何もない」の「Je n’ai」が省略された形です。

on n’a rien de prévu 予定は何もない」も「rien de prévu」と省略して言うことが出来ますね。

「(nerien de ~」は「~は何もない」の意味。「de」の後には形容詞や過去分詞を入れて使いましょう。

ちなみに動詞を入れたいときは「rien à ~」を使います。

je n’ai rien à dire

言う事は何もない。

il n’y a rien à manger

食べるものは何もない。

A propos

propos」は「言葉/目的」の意味ですが「à propos」だとまったく違う意味で使われます。

ひとつは文中で登場している「ところで/さて」。話題の変換の際に使います。

もうひとつは「都合よく」の意味です。

Tu te réveilles à propos, ton petit déjeuner vient d’être prêt.

タイミングよく起きるね、朝ごはんが出来たところだよ。

La chandeleur

フランスの豊かな伝統からインスピレーションを得た、キャンドルとキリスト降誕のシーンが飾られたテーブル。

La chandeleur」はカトリックの祝日で、日本語だと「主の奉献」「歳暮のお清めの祝日」と呼ばれるもの。

chandelle ろうそく」から名づけられた祝日名で、ろうそくの灯は神の光を表すそうです。

キリスト教の祝日には移動祝日もありますが、この「la chandeleur」はそうではなく「40 jours après Noël クリスマスの40日後」つまり2月2日と決まっています。

同時にクリスマス期間の終わりの日でもあり「crèche クレッシュ」と呼ばれる「キリストの生まれたうまやの模型」 はこの日を過ぎてから片付けるのが本来のようです。

クリスマス当日には片付け始め、お正月の準備を始める日本人から見ると、ずいぶん変わった習慣に見えてしまいますね。

La crêpe de la chandeleur

シャンドルーのクレープ

フランスの「La Chandeleur」は祝日ではありますが、休日ではありません。「pratiquant 信者としての勤めを守る信者」なら教会へ行くのでしょうか、実際にはこの「pratiquant」も減ってきていますよね。

では一般家庭では何をするのかというと「La crêpe de la chandeleur シャンドルーのクレープ」を食べる日と認識している人も多いようです。

スーパーでは1月末になると、クレープ用フライパンやクレープの材料のコーナーが目立つところに設置されます。

日本人としては、これを目にするたびに「あ、節分の準備をしなくちゃ」と思ってしまうのですが…

クレープはシンボル

フランスの青い空と木のテーブルの上に袋に入った米。

そんなクレープですが、なんと「symbole de prospérité pour l’année à venir 新年の繁栄のシンボル」です。

理由の1つは、前年に収穫した小麦で作ったお菓子を神への奉納物とし、次の豊穣をお祈りしたこと。

日本では正月に鏡餅=米をお供えしますが、小麦粉が主食のヨーロッパ圏ではお供え物も小麦粉で作られるのですね。

もう1つはクレープの形が理由です。丸く黄金色をしていることから太陽を表し、冬の終わりと春の到来を意味します。

こちらの理由は節分と似通っていますよね。カトリック信者でない方も、2月の2日と3日に春の到来をお祝いしてみませんか?

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