フランスの夏野菜

    1. フランス食べ物

    フランスの夏野菜

    日本より比較的涼しいフランスですが、6月も中旬になるとマルシェにも地元産の夏野菜が並び始めます。

    形は見慣れたものが多いのですが、びっくりするのがその大きさです。そのせいか、日本と同じ感覚で調理しては、美味しくないことがあるんですよ。

    マルシェで買い物

    今日の花子さんとマリーさんはマルシェに野菜を買いに来ています。

    会話

    Marie : Qu’est-ce que tu achètes aujourd’hui ?

    今日はなに買う?

    Hanako : Je ne sais pas trop…s’il y a de petites aubergines et des concombres fins…

    どうしようかしら…もし小さな茄子や細いきゅうりがあったら買おうかな…

    Marie : Tu veux des légumes de petites tailles ? Pourquoi ?

    小さいサイズの野菜が欲しいの?どうして?

    Hanako : Ils sont trop gros par rapport aux légumes japonais.

    こっちの野菜って、日本のと比べて大きすぎるのよ。

    La peau est dure et il y a plein de pépins  qui me gênent.

    皮は固いし、種があって邪魔になるし。

    Marie : Tu n’a qu’à les éplucher et évider.

    皮をむいて、中をくり抜けばいいじゃない。

    Hanako : Oui, je le fais quand je prépare la cuisine autre que japonaise.

    そうね、日本料理じゃない料理を作るときはそうしているわ。

    Mais Pour la cuisine japonaise, une grande aubergine ne peut pas remplacer deux petites aubergines !

    でも日本料理を作るときには、大きい茄子1つは小さな茄子2つの代わりはできないのよ!

    ポイント

    フランスの緑のまな板の上にキュウリとナイフ。éplucher

    éplucher」は「(野菜・果物などの)皮をむく」の意味です。

    他に「不要部を取り除く」の意味もあり、皮をむかない「haricot vert さやインゲン」などの筋をとったりの作業も「éplucher」というんですよ。

    ちなみにフランスでは、さやいんげんは頭もしっぽも「éplucher」して使います。筋張っているものも多いので、包丁で切り落とすだけでは口当たりが悪くなってしまいます。

    そのため、手で1本ずつぽきぽきと折って処理するので生の「haricot vert」の調理には意外と時間が掛かるのです。

    évider

    évider」は「くり抜く」の意味です。

    焼きりんごを作るときに芯を抜いたり、ハロウィンのかぼちゃを作るのも「évider」ですね。

    「種の部分を取り除く」と限定したいときには「épépiner」という表現もあります。

    大きいフランスの野菜たち

    フランスで代表的な夏野菜といって思い浮かぶのは「tomate トマト」「concombre きゅうり」「aubergine 茄子」「poivron ピーマン」などでしょうか。

    うり科の「courgette  ズッキーニ」も人気の高い夏野菜です。日本でもだんだんとポピュラーな野菜になってきましたよね。

    そういうと日本と何も変わらないようですが、違うのはそのサイズ!「concombre」は日本サイズの4倍以上、「aubergine」や「poivron」でも3~4倍ほどのサイズ感です。

    茄子を1つ手に持って、ずしっと重く感じるなんて、日本ではあまりできない経験ですよね。

    そして「courgette」は15~20cmの手ごろなサイズなことも多いのですが、長さ30cm・直径は10cm以上ありそうな大きいものもゴロゴロ売られています。

    フランス大きい野菜の下ごしらえ

    courgette」などは大きくなると当然皮も固く、中の種も大きくなってしまうので「éplucher」と「évider」が必要です。

    それは「concombre」も同様で、長さ30cm級がスタンダードなフランスのきゅうりは、皮にも種にも存在感がしっかり!

    日本のように皮付きのままかじりつく、なんて食べ方では美味しくないので「éplucher」した後、縦半分に切り「évider」してから調理します。

    文中で花子さんが主張していた「aubergine」は皮も固く、うっかり「éplucher」せずに使ってしまうと、煮ても揚げても口当たりの悪い一品になってしまうのでご注意を。

    そして1個がごろっと大きいので、焼き茄子を作るにも向かず、小さく切ると皮なしの部分ができてしまう困り者。

    フランスの「aubergine」は日本料理には向かない困った茄子なのです。

    (味はもちろん美味しいですよ)

    小ぶりの野菜を手に入れるには

    留学などで一人暮らしの場合、大きい野菜の半分を使って残りを冷蔵するより、小さいサイズを使い切るほうが便利ですよね。

    ところがスーパーに並ぶ野菜は一定の基準をクリアした野菜たちなので、サイズも標準(大きい)のものばかりです。

    小さいサイズの夏野菜が欲しいときは、ぜひ地元の生産者が売りにくるマルシェに足を運んでみてください。

    日本的なサイズ感の「aubergine」や比較的小ぶりの「poivron」などが見つかります。

    残念ながら細いきゅうりの種類はフランスでは一般的でなく、マルシェでも大きいものばかり。

    でも比較的細いもの(大きくなる前に収穫されてもの)なら、皮はともかく種はまだ柔らかく食べられる状態であることが多いです。

    なので1本単位で○ユーロと売られていても、大きいものを選ばず、小ぶりなものを選ぶことをおすすめします。

    ちなみに日本風の細いきゅうりはアラブ系や中華系のお店で扱っていることがあるので、どうしても細いものが欲しいときは覗いてみてくださいね。

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