フランスの税金①消費税
税金の率や仕組みは国それぞれですが、フランスの消費税は日本と比べ、とても分かりにくい仕組みになっています。
旅行中にレシートを見て疑問に思わないよう、フランスの消費税がどうなっているのかを見てみましょう。
消費税は何種類?
会話
今日の花子さんとマリーさんは、スーパーでお買い物をしてるようです。
Hanako : (en regardant le ticket de caisse)
(レシートを見ながら)
Regarde, pour mes courses, il applique deux taux de TVA. Tu sais pourquoi ?
見て、私の買い物に、2つの税率の付加価値税が適応されているわ。どうしてか分かる?
Marie : Ah, c’est normal. Tu as acheté des produits alimentaires de base et des autres choses.
ああ、それって普通のことよ。基本的な食品とそれ以外のものを買ったでしょ。
Hanako : C’est-à-dire ?
どういうこと?
Marie : C’est –à-dire que, pour les produits alimentaires de base, le TVA est à 5.5%.
つまり、基本的な食品のTVAは5.5%なの。
Et pour les autres choses, l’alcool, les produits ménagers, et etc., le taux est à 20%.
そして、他のもの、お酒や掃除道具みたいなものは、TVAは20%よ。
Hanako : D’accord. Donc, les taux de TVA peuvent varier suivant les produits, c’est bien ça ?
なるほど。つまり付加価値税の税率は商品によって異なるってことよね?
Marie : Oui, c’est ça. Mais attention, le chocolat que tu adores, soit le chocolat noir soit le chocolat au lait, le TVA ne sont pas le même.
ええ、その通りよ。でも気をつけてね。あなたの大好きなチョコレートは、ブラックチョコとミルクチョコで税率が同じじゃないのよ。
Hanako : Qu’est-ce que c’est que ça ! C’est trop compliqué !
なにそれ!ややこしすぎるわ!
ポイント
Qu’est-ce que c’est que ça
「Qu’est-ce que c’est?」は「これは何?」の意味で、おなじみの表現ですよね。
そこに「que ça」が付いて「Qu’est-ce que c’est que ça」の意味は何になるのでしょうか。
1つ目は「Qu’est-ce que c’est que ça?」で「これは何?」の意味。 「Qu’est-ce que c’est?」と同じですね。
2つ目つは「Qu’est-ce que c’est que ça.(もしくは「!」や「?」)」で「これはいったい何だ」と不満であることを表現します。
使い分けにはイントネーションの違いしか無いので「これは何?」の意味で使う場合は、シンプルに「Qu’est-ce que c’est?」だけの方が簡単ですよ。
また2つ目の意味では「que ça」の変わりに名詞や形容詞を使い、その状態への不満を表現することもできます。
Qu’est-ce que c’est ce bazar !
なんて散らかりようなの!
Qu’est-ce que c’est ce chocolat…C’est dégoûtant.
(変な形のチョコレートを見ながら)何なんだこのチョコレートは…見るのも不快だ。
フランスの消費税
TVA
フランスの消費税は「TVA(taxe sur la valeur ajoutée) 付加価値税」と呼ばれるものが該当します。
商品やサービスの料金表示は内税で、一般のお店で表示される料金はTVA込みの一種類のみ。お店によってはTVAの詳細がレシートで確認できる場合もあります。
日本のように表示が税抜き・税込みと、お店や表品によって表示がばらばらで無いので、シンプルで分かりやすいですね。
逆にプロ御用達のお店では、商品の値段だけが表示されている場合が多く、その場合は「HT(hors taxe) 税抜き」と表示されています。
また税込みであることをはっきり表現したいときには「TTC(toutes taxes comprises) 税込み」と表示されます。
TVAの税率
2017年現在のフランスのTVA率には、20%・10%・5.5%・2.1%の4種類あります(海外領土県を除く)。
基本的な税率は「taux normal 普通の税率」と呼ばれ20%です。
例外(とはいっても沢山あるのですが)として生活の必需品やサービス、レストランなどに適応されるそれ以外の税率を「taux intermédiaire ou réduit 中間・もしくは割引の税率」と呼びます。
具体的にどんなものが「taux intermédiaire ou réduit」になるのかを見てみましょう。
10% レストラン・ホテル・公共交通手段・美術館や動物園など
5.5% 基本的な食料品・ガスや電気・本・学食など
2.1% テレビ税・新聞・健康保険適応の薬など
チョコレートの税率
食べ物で5.5%の税率が適応されるのは「基本的な食料品=贅沢品を除く」。
フランスではブラックチョコレートは生活必需品扱いで5.5%が適応、ミルクチョコレートなどそれ以外は贅沢品として20%が適応されます。
カカオ含有率が高いブラックチョコレートの方が贅沢な気がするので、逆の方がしっくり感じるのですが…。
チョコレートと同様に、同じカテゴリーでも税率が変わるものもいくつもあり、例えば本なら基本は5.5%。成人未満禁止(18禁)の類は20%です。
【買う場所でも違いがある】
水もスーパーで買えば5.5%、レストランで注文すれば10%に変わってしまいます。
全く同じ食べ物で税率が変わるのは「consommation immédiate すぐに(その場で)消費」するのかどうかで決まります。
パン屋で買うサンドイッチはすぐ食べるとみなされ10%、クロワッサンやパン・オ・ショコラは持ち帰りとみなされ、5.5%。
なんとも分かりにくく、花子さんでなくても「Qu’est-ce que c’est que ça!」と叫びたくなりますね。
参考: https://www.service-public.fr/professionnels-entreprises/vosdroits/F23567