フランスの税金②所得税
消費税の次に身近な税金といえば所得税ですよね。今回はフランスの所得税のシステムを見てみましょう。
留学でフランス滞在する人にも必須の情報です!
目次
去年の所得税はいくら?
会話
今日はなんだか憂鬱そうなマリーさん、いったい何があったのでしょうか?
Hanako : Bonjour Marie. Oh, qu’est-ce qu’il se passe ? Tu as l’air soucieuse.
こんにちは、マリー。まぁ、何があったの?なんだか心配そうな顔ね。
Marie : Bonjour Hanako. Ce n’est rien.
こんにちは、花子。なんでもないわ。
J’ai reçu l’avis d’imposition ce matin, et j’y pensais…
今朝、税金の通知が来たのよ。それについて考えていたの…
Hanako : Tu l’as déjà reçu ? Il n’est pas encore arrivé chez nous.
もう受け取ったの?家にはまだ届いていないわ。
La somme est aussi choquante ?
そんなにショックな金額なの?
Marie : Oui, un peu. Tu sais, j’ai repris le travail l’année dernière.
ええ、少しね。ほら、去年からまた仕事を始めたでしょう。
C’est normal que les impôts sur le revenu augmentent, mais quand j’ai la somme devant moi, ça me fait un petit effet…
所得税が上がるのは当たり前なんだけど、実際に額を目の前にすると、ちょっとね…
Hanako : Je comprends. Moi, je préfère payer les impôts tous les mois.
分かるわ。私は毎月税金を払うほうが良いわ。
Comme ça, j’ai moins d’impact en automne.
そうすれば、秋に(税金の支払いの)影響が少ないもの。
ポイント
j’y pensais
「pensais」は「penser 考える」の一人称半過去です。
考える対象のものは「à ~」で表しますね。ですので「j’y pensais」は「je pensais à l’avis d’imposition que j’ai reçu ce matin」の「à」以下を代名詞の「y」で表した文になります。
ça me fait un petit effet
「effet」は「結果・効果」の意味。「faire (de l’)effet à quelqu’un」で「(人に)効く・影響を与える」の意味で使われます。
「ça me fait un petit effet」の「ça」は「j’ai la somme devant moi 目の前に(所得税の)額がある」状態を指していますね。
文中では「ちょっとね…」と訳しました。具体的な所得税の金額を目にしたことが、精神に影響を与える、という意味になります。
フランスの所得税
所得税
フランス語で所得税は「les impôts sur le revenu」です。
- impôts 税金
- sur ~に対する
- revenu 所得
ちなみに2016年の所得にかかる(支払いは2017年)所得税の税率は以下の通りです。
9 710€~26 818€ 14%
26 818€~71 898€ 30%
71 898€~152 260€ 41%
152 260€~ 45%
申告から支払いの流れ
フランスの所得税は前年の所得に掛かる税金を翌年に確定申告をし、同年に支払いをするシステムになっています。
春に前年の収入を申告・夏に税金額の通知・秋に支払い、これが大まかな流れです。
具体的には2016年の収入に掛かる所得税を、2017年の秋に支払いするのが基本形になります。
【要注意ポイント】
留学でフランスに住んでいる場合、収入が無いから関係ないと思いがち。ところが無収入でも申告の義務があるんです!
初申告をするためには、申告の時期に管轄の税務署に足を運んでくださいね。
知らずに今まで申告していなかったなんて場合は、過去に遡って申告手続きができるので、出来だけ早く手続きに行きましょう。
税務署なんていうと敷居が高いイメージがありますが、意外にも、気さくに親切に手続きのお手伝いをしてくれます。
フランスも源泉徴収に変更へ
日本では当たり前の所得税の源泉徴収ですが、フランスでも導入が検討されていますね。
フランスの所得税の金額は、家庭単位の収入や家族構成などで左右されます。
そのため源泉徴収のためには、日本の個人単位の扱いとは違い、収集しなければならない情報が多く、それに伴い会社の負担も大きくなるようです。
従業員側も、家庭の総収入を雇用主に知られるのは抵抗がある、という声もあるようです。
そんなフランスの源泉徴収は2018年1月からの導入予定でしたが、1年遅れの2019年からのスタートに目標が変更されました。
今後どうなっていくのか、はたまた実際に導入されるのか気になるところです。
(2017年7月現在の情報です)