フランスではこんなに大変! 驚きの文房具リスト事情
フランスの新学年スタートは春でなく秋。9月からの新学年スタートのためには、夏休み中の準備が必要です。
目次
これは何のリスト?
会話
今日も花子さんはマリーさん宅にお邪魔しているようです。するとテーブルの上に文房具のリストを発見、いったい何のためのリストなのでしょうか?
Hanako : Qu’est-ce que c’est cette liste ?
これって何のリスト?
Tu as besoin d’autant de fournitures de bureau ?
こんなにたくさんの文房具が必要なの?
Marie : C’est la liste de fournitures d’école de mon enfant pour la rentrée.
子供の新学期のための文房具のリストよ。
Hanako : Dis donc, elle est très détaillée cette liste. Est-ce que tu dois acheter exactement les même choses ?
まぁ、とっても細かいリストね。このリストと全く同じものを買わなくちゃいけないの?
Marie : Oui, chaque professeur a sa préférence pour la taille, la matière, etc.
ええ、それぞれの先生にサイズや素材なんかの好みがあるのよ。
Hanako : Il doit être compliqué de trouver tous ça sans se tromper…
間違えずに全部見つけるのは難しそうね。
Marie : Tiens, tu viens avec moi au supermarché pour m’aider ?
ねぇ、スーパーに一緒に来ない?手伝ってよ。
Je t’inviterai au café après les courses.
買い物の後でコーヒーおごるわよ。
Hanako : Bah… si tu veux…
う~ん…まあいいけど…
Marie : Merci !
ありがとう!
ポイント
autant de ~
「autant de ~」は「それほどの・そんなに多くの」と、沢山である事を表す表現です。
花子さんが目にした文房具のリストには、家庭で必要な量より多かったので「autant de fournitures de bureau こんなにたくさんの文房具」が必要なのか?との質問になりました。
「autant de ~」は後ろに接続詞の「que」を伴い「autant de ~que…」となると「…と同じだけの~」の意味になります。
Je ne peux pas manger autant de chocolat.
こんなに多くのチョコレートは食べられない
J’ai mangé autant de chocolat que toi.
君と同じだけチョコレートを食べた。
inviter
「inviter」は「à」を伴い「inviter à ~」で「招待する」の意味で使われます。
家にパーティーに招待する場合はもちろん、レストランやカフェに招待=ごちそうする場面でも役立つ単語です。
J’ai mon premier salaire ! On va au restau ce soir ? Je t’invite.
初めての給料をもらった!今晩レストランに行こう。おごるよ。
文房具
フランス語で「文房具」には様々な表現があります。
fournitures de bureau / d’école / scolaire
- fournitures 必需品(複数形で)
- bureau オフィス
- école 学校
- scolaire 学校の
articles de bureau / d’école / scolaire
- article 品物
papeteries
- 事務用品
どれも良く使われる表現ですが「papeteries」以外は使う場所で名前が変わるのがポイントです。
とはいえ、家庭で使う文房具だからといって「fournitures de maison」とは表現できないのでご注意を。
新学期の準備
夏休み中の文房具コーナー
フランスの夏休みの風物詩の1つに、スーパーの入り口に設置された文房具コーナーがあります。
ご存知の通りフランスの新学年のスタートは9月ですから、夏休み中に必要なものを全て買い揃える必要がありますよね。
早い家庭だと7月に入ってすぐに購入するようですが、8月に入ってから購入する家庭が多いようで、親子連れでたくさんの文房具を選んでいるのを見かけます。
9月に近づくほど品切れも多くなり、必要なものを手に入れるのに一苦労。でも後回しにしたくなるのが分かるほど、面倒な買い物なんですよ。
学用品購入の手当金
Allocation de rentrée scolaire
- allocation 手当金
- rentrée 新学年
- scolaire 学校の
8月下旬に文房具を買う家庭が多いのには理由があります。それは「allocation de rentrée scolaire」という、手当金の支払いが8月中旬にあるからです。
これは6歳から18歳までの子供が居る家庭を対象にした手当金のこと。
ある一定以下の所得の家庭に対し、子供の年齢別に350~400ユーロ程の手当金が支払われます。
- 6~10歳 364.09ユーロ
- 11~14歳 384.17ユーロ
- 15~18歳 397.49ユーロ
もちろん文房具だけでなく、通学カバンや服や靴を新調するために使われているようです。
所得の制限は子供1人だと24404€、1ユーロ130円として317万円程度でしょうか。
ヴァカンスで大きな出費をした後だけに、低所得の家庭にはありがたい制度となっています。
文房具のリスト
来年度に必要な文房具のリストは夏休み前に配布されますが、その内容はかなり細かく指示されています。
ノートのサイズに始まり、その枚数、線の幅、はたまた文房具ブランドの指定がされることもあるようです。
全国一律ではなく、学校ごと・教科ごとに先生が指定するので、指定のものを探すのが大変なマニアックなリストになる場合も!
そんな文房具探しの大変さから開放されたい親はたくさん居ます。
希望者でアソシエーションを作り、リストの文房具を一括注文。「pack fournitures 文房具のパック」として配布する方法も取られています。