フランス式のバレンタイン

    1. フランス語会話・勉強

    売り場の大混雑に義理チョコ…日本のバレンタインにウンザリしている人も多いのではないでしょうか?

    今回はそんな日本の習慣とは違う、フランス式バレンタインの習慣を覗いてみましょう。

    プレゼントの贈り主

    今日の花子さんは、マリーさんにショッピングの付き添いをお願いしているようです。いったい何を買いたいのでしょうか…?

    会話

    Hanako : Est-ce que tu peux venir avec moi au magasin d’ustensile de cuisine ?

    調理器具のお店に一緒に来てくれない?

    Marie : Oui, pas de problème. Qu’est-ce que tu veux acheter ?

    ええ、良いわよ。何を買いたいの?

    Hanako : Des moules à chocolat.

    チョコレートの型よ。

    Tu vois, il y a bientôt la Saint-Valentin. Je voudrais offrir à mon mari de délicieux chocolat fait maison.

    ほら、もうすぐバレンタインデーでしょ。夫に手作りチョコレートを贈りたいのよ。

    Marie : Ah bon ? C’est toi qui offre le cadeau de Saint-Valentin ?

    そうなの?バレンタインデーに、あなたが贈り物をするの?

    Hanako : Oui, c’est ça. Au Japon, ce sont les femmes qui offrent du chocolat à son amoureux.

    ええ、その通り。日本では女性が男性にチョコレートを贈るのよ。

    Marie : Ils ont de la chance, les japonais !

    日本の男性って恵まれてるわね!

    En France, ce sont des hommes qui offrent un cadeau.

    フランスでは、男性が贈り物をするのよ。

    Hanako : Ah ! Vous avez de la chance !

    まあ、あなた達って恵まれてるわ!

    Qu’est-ce que vous avez comme cadeau? Egalement du chocolat ?

    どんなプレゼントがあるの?同じようにチョコレートかしら?

    Marie : Ça se peut. Mais une rose rouge est très répandue.

    それもあるわ。でも、赤いバラ1輪っていうのがよくあるわね。

    フランスをイメージした、ラズベリーを添えたハート型のチョコレートケーキ。

    ポイント

    ustensile de cuisine 

    ustensile 道具・用具」 と「cuisine 料理」で「調理器具」 の意味ですね。

    パリの4区「les halles」の北側には、この「ustensile de cuisine」を扱うお店が何件か集まっています。

    プロが通うお店なのできれいに展示されているわけではありませんが、他では手に入らないものをお探しの際にはおすすめなんですよ。

    もちろん個人でも購入できるので、お料理好きなら一度入ってみたい地域です。

    Ça se peut

    peut」は「pouvoir  ~できる」ですが、こちらは「se」が付いて代名動詞「se pouvoir」で「~かもしれない・~はありうる」という意味です。

    il」や「cela /ça」などの非人称の主語を取るのが特徴です。

    会話中のマリーさんは、花子さんの「日本と同じようにチョコレートがプレゼントなのか?」という質問に対して「Ça se peut」と答えています。

    つまり「(チョコレートがプレゼントになることは)ありえる」というお返事です。

    「ありえる」なので「絶対的なものでは無く、他のプレゼントの可能性も大きい」というニュアンスが感じられます。

    バレンタインの贈り物

    フランスでは男性が女性に贈り物をするのがスタンダード。スタンダードなプレゼントを見てみましょう。

    真っ赤なバラ

    フランスでよく見かけるバレンタインの贈り物といえば「une rose rouge 赤いバラ1輪」です。

    バレンタイン当日のフランスのお花屋さんを覗いてみると、お客さんは男性ばかり。みんな真っ赤なバラをラッピングしてもらっています。

    もちろん沢山のバラをブーケにして贈ることもありますが、バラの本数で愛は計れません。

    1輪だからって「votre amoureux あなたの愛する人」の愛を疑ってはいけませんよ。

    フランスの白い木のテーブルに置かれた赤いバラとメモ。

    スイーツ

    もちろん日本のバレンタインのようにチョコレートを贈る人も居ます。でも日本のようにチョコレート売り場が大混雑にはなりません。

    他にもケーキなどのお菓子をプレゼントにする場合もありますが、プレゼントというよりディナーのデザートに、といった感じでしょうか。

    香水

    こちらのバレンタインの贈り物の定番です。

    有名ブランドから、スーパーで売っているようなものまで、バレンタインの時期には色々なメーカーが「coffret (箱に入った)セット」を発売します。

    バレンタインの過ごし方

    恋人同士で過ごすのはもちろん、結婚しているカップルだって2人きりでロマンティックなディナーを過ごします。

    子供が居てもシッターさんに預け、日常から離れた時間を過ごすことも多いようです。

    レストランにはバレンタイン用のメニューが登場することもあるのは、日本と同じですね。

    違いは、レストランにバラを売りにくる人が居ること。映画のようで少し憧れてしまいますが、食事の邪魔になるのが玉にキズです。

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