人生を楽しんでいるイメージのあるフランス人ですが、仕事へのスタンスはいったいどんなものなのでしょうか?
フランス人から見た日本人のイメージと共に、フランス人の働き方を覗いてみましょう。
目次
週末のお誘い
今日のマリーさんは花子さんカップルをディナーに誘っています。ところが、どうやら花子さんの夫が忙しいようで…?
会話
Marie : Je voudrais vous inviter au dîner prochainement.
近々、あなたたちをディナーにご招待したいのだけど。
Quand êtes-vous disponibles le vendredi ou le samedi?
金曜日か土曜日のいつなら大丈夫?
Hanako : Merci pour l’invitation.
お誘いありがとう。
Je vais demander à mon mari, mais je crois que ce soit un peu difficile pendant quelque temps.
夫に聞いてみるけど、しばらくの間はちょっと難しいと思うわ。
Marie : Ah, c’est dommage. Ça fait longtemps on ne l’a pas vu.
あら、残念だわ。もう長いこと、私たちは彼と会っていないもの。
Il travail beaucoup comme d’habitude ?
いつものようにたくさん働いているの?
Hanako : Encore plus. Il s’occupe de nouveau projet depuis la rentrée.
もっとひどいわ。休み明けから新しい企画を担当しているの。
Il rentre tard en semaine, et même, il va au boulot en week-end. Il est très fatigué…
平日は遅く帰ってくるし、それに、週末まで仕事に行くのよ。とっても疲れているわ…
Marie : C’est bien de travailler, mais il ne faut pas sacrifier la vie privée.
仕事をするのは良いことだけど、でもプライベートを犠牲にしてはだめよ。
Hanako : Tu as raison. J’ai peur qu’il soit en burn out, soit en karoshi.
あなたの言う通りよ。私、彼が燃え尽き症候群や過労死になるのじゃないかと心配してるもの。
ポイント
prochainement
「prochainement」は「近々」という意味。特に何時と指定する必要がない場合に使えて覚えておくと便利です。
お友達を誘うとき、急病以外で医者の予約を取るときなど、どんどん使ってみましょう。
rentrée
「rentrée」は「新学期」のことですが、同様に「長期休暇明け」も意味するので、学生だけでなく、社会人生活でも使われる単語です。
フランス人は夏だけでなく、クリスマス時期や子供の秋・春などの長期休暇に合わせて大人も休みを取ることが多く、年に何度も「rentrée」がある人もいるんですよ。
仕事へのスタンス
短い労働時間
フランスの週の法定労働時間は35時間、日本の40時間より5時間も少ないなんて羨ましい限りですよね。残業も少なく、決められた勤務時間以上は働かないというのが一般的なフランス人の姿と言えるでしょう。
もちろん勤務時間より早く出社しなければならないようなプレッシャーもありませんし、終業時間が来たら、あっという間に退社します。
重要なのはプライベート
では時間通りに退社したフランス人は、その後どのようにして過ごすのでしょうか。その答えは「la vie privée プライベート」です。
同僚や上司と呑みに行ったりすることは殆ど無く、家族や友人と過ごすのが一般的。不規則な勤務時間でない限り、ディナーは家族揃っていただきます。
子供のお迎えも、母親だけでなく父親が来るのも珍しくない光景です。家族との時間を大切にするフランス人男性には、仕事をセーブしてでも子供との時間を持つことを選ぶのも珍しくはありません。
仕事はあくまで生活のためであり、仕事のために「la vie privée」を犠牲にしないというスタンスが一般的なフランス人なんですよ。
フランス人から見た日本人
日本人は勤勉なことで有名ですが、もちろんフランスでもそのイメージは根付いています。時々ニュースなどで「karochi 過労死」が扱われることもあり「日本人=働きすぎ」のイメージが後押しされています。
毎日の勤務時間の多さだけでなく、フランス人のように長期ヴァカンスを取らない、有給休暇や代休が取りにくいなどの点も信じられないようです。
過労死するほど働いてお金を稼いでも、そのせいで「la vie privée」が犠牲になるなら、どうしてそれほど働くのかわからない、というのがフランス視点。
フランス人の働き方が必ずしも良いとは限りませんが「la vie privée」を大切にする姿勢は、ぜひ見習いものですね。