フランス一般家庭のテーブルセッティング

  1. フランス食べ物

フランスの一般家庭では食事のたびにテーブルをセッティングしますが、それはとてもシンプルなもの。

今回は日常的な食事の場合、どんなセッティングしているのかを覗いてみましょう。

テーブルの準備

今日の花子さんはマリーさんのお宅にお邪魔中。夕方になってそろそろ帰ろうと思っているとマリーさんから夕飯について質問されたようです。

会話

Maie : Qu’est-ce que tu prépares pour ce soir ?

今晩の夕食なににするの?

Hanako : Je ne sais pas … Je suis toute seule ce soir, mon mari doit aller dîner avec ses collègues.

どうしようかしら…今晩は自分一人なのよ、夫は同僚と食事に行かなくちゃいけなくて。

Marie : Alors, reste dîner ! Il y a beaucoup de bœuf bourguignon. J’en ai fait un peu trop.  

じゃあ、夕食を食べて行ってよ!牛肉のブルゴーニュ風煮込みが沢山あるの。ちょっと作りすぎちゃって。

Hanako : Merci ! Avec grand plaisir !

ありがとう!喜んで!

Marie : Tu peux m’aider à préparer la table, s’il te plaît.

食卓の準備をするのを手伝ってくださいな。

Hanako : Qu’est-ce que je mets ? Des assiettes, des fourchettes  et des couteaux ?

何を並べる?お皿にフォークとナイフかしら?

Marie : Oui, des cuillères à café et des verres aussi, s’il te plaît.

ええ、コーヒースプーンとグラスもお願い。

Hanako : Et des serviettes ?

ナフキンは?

Marie : Elles sont là-bas, sur une étagère. La tienne, tu sors du tiroir, s’il te plaît. 

あそこにあるわ、棚のところよ。あなたのは引き出しから出してね。

フランスを思わせる赤白チェックのテーブルクロスに白いお皿。

フランス家庭の日常テーブルセッティング

日本の家庭で日常的に和食店でのようなテーブルセッティングをしないのと同様に、フランスの家庭でも当然フランス料理店のようなテーブルセッティングをすることはありません。

基本のセッティング

ではどんなテーブルセッティングをするのが一般的かというと…

  • assiette お皿
  • fourchette フォーク
  • couteau ナイフ
  • cuillères à café コーヒースプーン
  • verre グラス
  • serviette ナフキン

assiette」は当然真ん中、「fourchette」はお皿の左、「couteau」はお皿の右、「 verre」は家庭にもよりますが「assiette」の右上か真上に置くことが多いようです。

文化の違いを感じるのが「cuillères à café」です。これはデザート用で、日常的に食後にデザートを食べるフランスらしさを感じますね。

セッティングする場所は「assiette」の上、持ち手が右に来るよう横向きに置きます。

そして「serviette」はお皿の上に置くのが一般的です。

近年では布でなく使い捨ての「essuie-tout ペーパータオル」を使う家庭も多く、その場合は一枚ずつお皿の上に置いたり、ロールごとテーブルに置いておいたりと家庭によって様々です。

【布ナフキンについて】

布の「serviette」の場合、家族それぞれに自分用のものがあり、何度か使用してから洗濯します。

そのためキッチンや食堂のどこかに置いておくことになるのですが、同じ柄のものを使っている場合どれが誰のかが分からなくなりますよね。

混同を防ぐために名前入りの「rond de serviette」を使用する家庭もあります。

フランスの白い背景にフォークとナイフの付いた白い皿。

セッティングのバリエーション

その他メニューによっては…

  • assiette creuse 深皿
  • cuillère à soupe スープスプーン

等がセッティングされます。

assiette creuse」は通常の「assiette」と同様の場所に、「cuillère à soupe」はお皿の右側、「couteau」も同時にセットするならその右側に並べます。

テーブルクロス

その他に日常の食卓でも欠かせないものが「nappe  テーブルクロス」です。

これはおしゃれにテーブルをセッティングするためというより、テーブルを傷めない目的で使われます。

また、「nappe」を使わない家庭でも「set de table ランチョンマット」を使用します。

きれいに拭いてあるテーブルでも、直接食器類を置かないのがフランス式なんですね。

フランス家庭で見かけないもの

一般家庭で見かけないものといえば「assiette à pain パン皿」。家庭だけでなく、これはフランスのレストランでもあまり見かけません。

パンは各自、自分の「assiette」の上に取るか、直接「nappe」などの上に置くのが一般的です。

他にも日本のフランス料理店で見かけるようなフォークやナイフが何本も並んでいることもありません。

毎日のテーブルセッティングは、フランスといえどとてもシンプルなものなのです。

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ソフィー(Sophie) この記事を書いた人

来日(1998年)以来23年間、日本でフランス語指導に携わるベテラン講師(京都在住)。パリでの生活経験も有します。最大の強みは、日本語でのコミュニケーションが可能な点です。
パリではECEインターナショナルスクールにてクボタ・ヨーロッパの従業員(日本人)に指導。来日後は、エスパス・フランセ語学学校、日本女子大学、桐朋学園高校、外務省、その他企業にて、初心者から上級者まで豊富な指導経験を有します特に初心者の方が躓きやすい発音について、「難しくない」と感じられるよう基礎から丁寧に指導することに注力しています。 忍耐強く、発音や文法を丁寧に繰り返し指導するのがモットー。グラフィックデザインのスキルを活かし、描画を取り入れた分かりやすい説明も得意です。ご希望に応じて英語でのフランス語レッスンや、アートレッスン(仏語/英語)も提供可能です。

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