気温の変化の激しい初春にフランス人はいったいどんな服装をしているのでしょうか。
今回は3月のパリの気候とともにフランス人の春の服装について覗いてみましょう。
目次
初春の装い
初春のある日、花子さんとマリーさんは昼過ぎに待ち合わせをしていたようです。
会話
Marie : Tu t’habilles avec une veste très fine ! Tu n’as pas froid ?
あなた、すごい薄いジャケットを着ているのね!寒くない?
Hanako : Un petit peu, mais ça va. Quand il y a du soleil, il fait bon.
少しね、でも大丈夫。太陽が出ているときは暖かいし。
Et toi… tu t’habilles comme en plein hiver.
で、あなたは…まるで真冬みたいな恰好ね。
Marie : Je suis dehors dès le matin. Il faisait à peine un degré quand je suis sortie.
朝から出かけていたのよ。家を出たときはたったの1℃しかなかったの。
Hanako : Il a gelé ?
霜が降りてた?
Marie : Oui, un peu.
ええ、少しね。
Hanako : Mais l’écart de température est considérable en ce moment.
それにしてもここのところの気温の差はすごいわね。
Marie : C’est normal. On est en printemps.
普通のことよ。春だもの。
Hanako : Tiens, il y a une personne qui s’habille en T-shirt.
ほら、Tシャツを着た人がいるわ。
C’est amusant de voir les gens s’habiller différemment pour même saison.
同じ季節なのに全く違う格好をしている人を見るのって面白いわね。
ポイント
Il fait bon
「Il fait bon」は「心地よい気温・気候であること」を意味します。
必ずしも一定の気温を指すのではなく、心地よいかという本人の感覚によるので、寒くてもお日様が照っていて心地よく感じれば「Il fait bon」ということもできるのです。
よく似た表現に「Il fait beau」がありますが、こちらは「良いお天気」の意味です。
Il faisait à peine un degré
「à peine」は「ほとんど~ない ・せいぜい」という意味で、否定的な意味でつかわれます。
「 Il faisait à peine un degré」は「せいぜい1℃しかなかった」という意味です。
considérable
「considérable」は「大きな・著しい」の意味。ただ大きいというのではなく、考慮・注目に値するというニュアンスが感じられます。
季節感のないフランス人の服装
だんだん春めいてきて気分だけでなく服装も軽くなる3月。季節感を大切にする日本人なら暗めな色使いが多い冬服から明るい春めいた色調の服を着たくなるものです。
暦の上でも春を迎えると、冬物のコートを着るのに抵抗を感じる人も多いのではないでしょうか。
春には寒くても我慢してスプリングコートを着てしまうのが日本人的な美的感覚でもありますよね。
ところがフランス人は春だろうが夏だろうが、自分が寒いと感じたらダウンジャケットだって毛皮のコートだって季節を気にせず着てしまいます。
反対に自分が暑いと感じたら真冬だって半袖Tシャツで出かける人だっているのです。(実際にパリで真冬に半袖なのはアメリカからの旅行者とも言いますが…)
季節や人の目なんて気にしない!自分の心地よいと思える格好をするのがフランス人。気温の上下の激しい初春には、真冬~真夏の恰好と様々な服装の人々を目にすることになるのです。
パリの3月の気候
南フランスの3月は春というのにふさわしい気候ですが、北フランスに位置するパリの3月は基本的にはまだ冬と思っておいたほうが間違いはありません。
地球温暖化の影響か暖かい3月になることが増えてきていますが、3月にパリを旅行するなら冬物の暖かいコートを持ってくることをお勧めします。
日中はTシャツでも大丈夫かな、と思えるような気候になることもあるのですが、問題は朝の寒さ!日中の暖かさとは反対に、マイナスの気温になることも少なくありません。
最高気温だけをチェックして暖かいコートを忘れてきたら、旅行中に後悔することになりそうです。