ノートルダム大聖堂火災の真相!10人の消防士の勇気や修復のための寄付に迫る

  1. フランス世界遺産・歴史

2019年、復活祭の前の月曜日の夜に発生したパリのノートルダム大聖堂の火事のニュースは世界中を駆け巡り、多くの人にショックを与えました。

今回はそんな悲しいニュースにまつわるフランスの事情を覗いてみましょう。

火事の与えたショック

会話

Marie : J’ai passé à côté de Notre-Dame pour la première fois après l’incendie.

あの火事の後、初めてノートルダムの横を通ったの。

Quel état qu’elle est… !

何てひどい状態なんでしょう…!

Hanako : J’ai suivi cet incendie à la télé.

テレビであの火事をずっと見ていたわ。

J’étais vraiment sidérée devant la télé et je n’en croyais pas mes yeux.

テレビの前で本当に呆然としてしまって。自分の目が信じられなかったわ。

Marie : Heureusement les trésors ont été sauvés grâce aux pompiers.

幸いなことに消防士のおかげで宝物は助け出されたわね。

Hanako : Oui, ils sont de vrais héros.

ええ、彼らは本物の英雄だわ。

Marie : Cet incendie touchait du monde. Beaucoup de gens font des dons.

あの火事は世界の人々に衝撃を与えたのね。多くの人が寄付をしているもの。

Hanako : J’imagine que tu l’as déjà fait. Moi, j’ai donné à la Fondation du patrimoine.

きっとあなたも、もう寄付をしたのでしょうね。私は Fondation du patrimoine に寄付をしたわ。

ポイント

sidérér

ノートルダムの火事を現地で見ていた人たちのコメントでとても多かったのが「Je suis sidéré(e)」というものです。

sidérér」は「(あまりのことに)唖然とさせる」という意味。「Je suis sidéré(e)」は「唖然とする」となります。

être choqué ショックを受ける」「être stupéfait  唖然とする」など同じような表現よりも、もっとショックを受けて唖然としている状態のことです。

コメンテーターはしきりに「sidéré」の名詞系である「la sidération」という言葉を使っていました。

少々のショックな出来事に使用する単語ではないので、ノートルダムの火事が人々に与えたショックがこの単語からも伺えます。

フランスの教会で祈る若い女性。

ノートルダム大聖堂の火事

2019年4月15日の夜7時頃に発生したノートルダム大聖堂の火事は、ちょうど夜のニュースの時間と重なったこともあり、たくさんのフランス人の目がテレビの生中継にくぎ付けになりました。

夜8時からのニュースは急遽スペシャル番組に変更され、夜の11時ごろまで放送されました。

同日に予定されていたマクロン大統領のジレ・ジョーヌの運動を受けた演説の放送も延期され、ノートルダム大聖堂に対するフランス人の関心度の高さがうかがえます。

命を懸けた10人の消防士

火事の消火活動にあたった消防士は約400人、その内の10人が燃え盛るノートルダム大聖堂の中に入り「trésors 宝物」の救出にあたりました。

ノートルダムの「trésors」の「relique 聖遺物」には「La Sainte couronne d’épines いばらの冠」や「La tunique de Saint Louis 聖ルイのチュニック」などがあります。

修復のための寄付

フランスのカトリックを代表するだけでなく、歴史的建造物としてカトリック以外のフランス人にも愛されているノートルダム大聖堂です。

修復のための寄付をする人もたくさんおり、火事の日からたったの3日ですでに8億5千万ユーロの寄付金が集まっています。

代表的な基金には以下の4つです。

残念なことにノートルダムへの寄付を語った詐欺も発生しています。

上記以外にも「cagnotte 醵金(何かの目的のために金銭を出し合う事) 」のサイトがいくつもあるのですが、詐欺被害にあわないためにもできるだけ上記の基金に募金をするように呼びかけられています。

フランスの大きな建物で、上部に足場がある。

ノートルダムへの募金とジレ・ジョーヌ

寄付の総額も話題に上がりますが、特に注目を集めたのはフランス人の大富豪たちからの1億~2億ユーロという巨額の寄付でした。またパリ市も5千万ユーロの寄付を表明しています。

これらの寄付に反感を覚えたのがジレ・ジョーヌ達。彼らは2018年の11月から22週にわたる土曜日にデモを繰り返しています。

それなのに自分たちは何も得られていない、なのにノートルダム大聖堂にはこんなにも簡単に寄付をするのか、と彼らの怒りをさらに焚き付けてしまったのです。

ノートルダム大聖堂のための寄付金の一部を貧困層への支援に使うべきだとの声も一部からはあがっています。

警察に対する耐え難い暴言

善意で行われた募金のせいで富の分配の不平等さが浮き彫りになってしまい、23週目にあたる4月20日のデモは再び激しいものになってしまいました。

警備にあたっている警察官に向けて「Suicidez-vous自殺しろ」と繰り返す人々の姿は、ノートルダムの火事とはまた別の意味で「la sidération」といえるものでした。

(フランスでは2019年にはいってから28人の警察官が自殺をし、国民が心を痛めています)

火事の日に中止になったマクロン大統領によるジレ・ジョーヌ達の主張に対する演説の代わりに、4月25日の記者会見が予定されています。

それによってジレ・ジョーヌ達の今後の活動も変わってくるのでしょうが、なんにせよ毎土曜日のデモや暴動は早く終結してもらいたいものです。

※2019年4月21日の情報です。

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