フランスの結婚式④ご祝儀

    1. フランス語会話・勉強

    結婚式に招待されると嬉しい反面、ご祝儀をどうしようかと悩むことも少なくありません。そしてもちろんフランスでも、招待客はご祝儀を用意します。

    今回はフランスで結婚式に招待された時に困らないよう、ご祝儀事情を覗いてみましょう。

    ご祝儀はいくら?

    フランス人の結婚式に招待された花子さん、マリーさんにご祝儀について相談しているようです。

    会話 

    Hanako : Généralement, combien on met dans l’enveloppe pour un mariage ?

    一般的に、結婚のお祝いにいくら包むの?

    Marie : Ça dépend de la relation entre les mariés et toi.

    新郎新婦とあなたの関係によるわね。

    Hanako : Le marié est un collègue de mon mari. Et on est invité en couple.

    新郎が夫の同僚なの。夫婦で招待されているわ。

    Marie : S’il s’agit d’un collègue, je mettrai entre cinquante à quatre-vingts euros.

    同僚なら、50から80ユーロ包むわね。

    Hanako : C’est tout ? Je l’imaginais beaucoup plus.

    それだけ?もっと多いと思っていたわ。

    Et qu’est-ce qui est mieux, de l’argent ou un cadeau ?

    それと、お金とプレゼント、どちらが良いかしら?

    Marie : Ils ne font pas une liste de mariage ?

    彼らはリスト・ド・マリアージュはしないの?

    Hanako : Ils se sont déjà installés ensemble, depuis plusieurs années. Ils ont tous ce qu’il leur faut.

    彼らはもう何年も前から一緒に住んでいるの。新生活に必要なものは全て持っているわ。

    Marie : Dans ce cas, je choisirais d’offrir de l’argent.

    それなら、お金を贈る方を選ぶわ。

    Hanako : Ok, je fais comme ça. Merci pour ton conseil.

    Ok、そうするわ。アドバイスをありがとう。

    Marie : De rien. N’oublie pas d’ajouter un message avec une carte aussi !

    どういたしまして。カードにメッセージを添えるのも忘れないようにね!

    白いケーキの上にフランスのリボンが付いています。

    フランスのご祝儀の相場

    日本で披露宴に出席する場合、友人なら3万円、夫婦なら5万円、というような暗黙の了解があり、それ以下の金額だと非常識とされてしまいますよね。

    ところがフランスの場合、ご祝儀の金額に決まりはありません。ご祝儀がまるで披露宴への参加費のようになっている日本とは違い、フランスのご祝儀はお祝いという本来の意味を保っているからです。

    新郎新婦が披露宴に招待するのは、彼らが本当に招待したい人たちだけ。披露宴はあくまで招待であり、参加費を払ってもらうものではないのです。

    ですのでフランスのご祝儀は、招待された側が好意で贈るものです。純粋にお祝いの気持ち、ということですね。

    それぞれのお財布事情によって、20ユーロのこともあれば100ユーロのこともあります。もっと言えば全くのゼロという人だっているのです。

    普通に収入がある人の場合で、友人や同僚へのお祝いなら50ユーロ~というところでしょうか。特に親しい友人には多めに出すということが多いですね。

    そして日本と同様に親族へのお祝いは友人へのお祝いよりも多い傾向があります。とはいえ日本よりは格段に低いことがほとんどです。親族だからと何百ユーロも包むと、ぎょっとされてしまうかもしれませんよ。

    cagnotte de mariage

    • cagnotte 醵金箱
    • mariage 結婚

    cagnotte de mariage」とは結婚のご祝儀を入れる箱のことです。

    フランスの披露宴には特に受け付けはなく、ご祝儀を誰かに手渡すこともありません。その代わり披露宴会場の片隅にテーブルがあり、その上に「cagnotte de mariage」やメッセージを書き込むノート等が設置されています。

    招待客はご祝儀なら「cagnotte de mariage」に入れ、プレゼントならそのテーブルに置いておき、新郎新婦に直接手渡したりもしません。

    ご祝儀を包むのに日本の祝儀袋を使うのも喜ばれますが、誰からのお祝いか分かるように、メッセージを必ず添えるようにしてくださいね。

    フランスの新居のソファに横たわる男性と女性。

    liste de mariage 

    • liste リスト

    liste de mariage」とは新郎新婦が欲しい、新婚生活に必要な物をまとめたリストのこと。

    招待客はそのリストの中から贈りたいと思えるものを選んでお金を払います。複数を選んでもいいですし、予算が少なければある商品の代金の一部というのもOK。

    ただ近年では同棲を経て結婚するカップルが多いため、生活に必要なものはすべてそろっていることが多いよう。そのため「liste de mariage」を作成するカップルは年々減ってきているようです。

    まとめ

    フランスで結婚した場合、ご祝儀の金額の低さに驚いてしまい、実は結婚を歓迎されていない!?と思ってしまうかもしれません。

    日本での常識で考えず、フランス式のご祝儀の文化を知っておくと、金額に関係なくお祝いに来てくれたということに感謝の気持ちが持てそうですね。

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