フランスのおやつの時間

    1. フランス食べ物

    おやつといえば3時でしょ?とお思いかもしれませんが、ところ変わればおやつの時間も変わるもの。

    今回はフランスのおやつの時間や、それにまつわる事情を覗いてみましょう。

    学校お迎えの準備

    平日の午後、花子さんはマリーさんのお宅でお茶をしています。そろそろマリーさんの子供のお迎え時間が迫ってきているようですが…?

    会話

    Marie : Je dois bientôt aller chercher mes enfants à l’école.

    もうすぐ学校に子供たちを迎えに行かないと。

    Je peux préparer le quatre-heures pour eux?

    彼らのおやつの準備をしてもいいかしら?

    Hanako : Bien sûr. Je t’en prie.

    もちろん、どうぞ。

    Marie : Merci.  Zut ! Il n’y a plus de gâteau pour le goûter des enfants.

    ありがとう。やだ!子供のおやつ用のお菓子がもうないわ。

    Hanako : Tu pourrais passer à la superette en allant les chercher.

    迎えに行く途中でスーパーに寄ればいいじゃない。

    Marie : Malheureusement, il n’y a pas de superette entre l’école et ici.

    残念ながら、学校とここの間にスーパーがないの。

    Hanako : Sinon, ils n’ont qu’à patienter en rentrant à l’appartement.

    じゃあ、アパートに帰ってる間、我慢するしかないわね。

    Il y a des gâteaux ici.

    ここにはお菓子があるんだし。

    Marie : Si je n’apporte pas de gâteaux, ils feront sûrement une crise.

    もしおやつを持って行かなかったら、きっと彼らは駄々をこねるわ。

    Hanako : Oui, ça se peut…

    ええ、そうかもね…

    Marie : Bon, heureusement il reste un peu de baguette, et il y a aussi une tablette de chocolat.

    よし、幸いバゲットがちょっと残っているし、板チョコレートも一枚あるわ。

    Je les mets ensemble comme ça…et voilà, un pain au chocolat !

    これをこうして一緒にして…ほら、パン・オ・ショコラの出来上がり!

    ポイント

    quatre-heures 

    quatre heures」といえば「4時」のことですが、「quatre-heures」のように「quatre」と「heures」の間に「」が付くと「おやつ」の意味になります。

    goûter

    goûter」は名詞だと「quatre-heures」と同じく「おやつ」のことです。

    動詞の場合は「味わう・試食する・おやつを食べる」等の意味があります。

    faire une crise

    crise」は「危機・不足・発作」等の意味がありますが「faire une crise」だと「かっとなる・当たり散らす」という意味になります。

    文中の「ils feront sûrement une crise」は、もらえると思っていたお菓子をもらえなかった子供が、きっと怒って駄々をこねるだろう、という意味になります。

    フランスの少年が公園でクッキーを食べています。

    フランスのおやつタイムは4時

    日本では「3時のおやつ」という表現があり、おやつといえば3時ですよね。

    ところがフランスではおやつのことを「quatre-heures」とも呼ぶことから推察される通り、おやつタイムは4時が一般的です。

    そもそもフランスの幼稚園や小学校が終わるのが午後の4時。当然おやつタイムも学校が終わった後の4時となるのですね。

    おやつが4時というと遅い感じがしますが、フランスの学校はお昼休み終了が午後2時前と日本より遅め。

    日本よりも昼食を食べ終わる時間も遅くなるため、4時ごろがおやつでも子供のお腹が空き過ぎるということにはならないようです。

    学校のお迎えにはおやつ持参

    フランスでは幼稚園児だけでなく、小学生になっても大人が送り迎えをします。

    そこで忘れてはならないのがおやつを持って行くこと。子供たちは学校を出てすぐに、迎えに来た大人におやつをもらって、歩きながら食べています。

    それが普通の光景なので、おやつを忘れてしまうと「お腹空いた、なんか頂戴」と駄々をこねられてしまう可能性が大きいのです。

    延長預かりでもおやつ持参

    共働きの多いフランスでは、学校が終わる4時に子供を迎えに行けるとは限りませんよね。

    そんな家庭のために、6時くらいまで学校で子供を預かってもらえるシステムがあります。

    4時に学校が終わっても家に帰れない子供たちは、学校にお菓子を持参OK。学校が終わってから、持ってきたおやつを食べることができるんですよ。

    学校にお菓子を持って行くなんて日本だと遠足の時くらいですが、フランスの一部の子供にとっては毎日のこと。

    羨ましいような気もしますが、毎日6時まで学校にいるというのも大変そうですね。

    フランスでベンチに座ってバナナと果物を食べる少年。

    持参おやつの中身

    持参するおやつは、個包装になった菓子パンやマフィン・クッキー、丸ごと食べられるリンゴなどの果物が一般的。

    ゼリー飲料のようなパッケージに入って、スプーン不要のコンポートも人気です。

    帰り道のパン屋で菓子パンを購入することもありますが、ぜいたく品という扱いで、毎日買ってもらえるものではないようです。

    また文中で出てきた「バゲットに板チョコレートを挟む」というのはフランス人が普通に行っているおやつ作成方法の一つ!

    (板チョコを一枚丸ごと挟むわけではありません)

    確かに「pain au chocolat  チョコレート入りのパン」には違いないですが、初めて目にするとびっくりしてしまいそうですね。

    まとめ

    フランス人を日本式3時のおやつに招待すると、お昼の遅い彼らはまだお腹が空いていなくて、せっかくのおやつを美味しく食べてもらえないことがあります。

    フランス人をおやつに招待する時は、4時を目安にするほうがよさそうですね。

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