フランスでは個人でも気軽に小切手を使い支払いをします。
今回は、どんな場面で小切手が使われているのかを覗いてみましょう。
目次
小切手で友人に支払いを
今日の花子さんはマリーさんにお買い物をお願いしていたのに、手元に現金がないようです。
会話
Marie : Tiens, c’est ce que tu m’as demandé à acheter. Il y a un ticket de caisse dans le sac.
はい、買って来てって頼まれてたものよ。袋の中にレシートが入っているわ。
Hanako : Merci Marie, tu me dépannes.
ありがとう、マリー。助かるわ。
Ça ne te dérange pas si je te paie en chèque ?
小切手で支払っても迷惑じゃないかしら?
Je n’ai pas eu de temps pour aller au distributeur de billets.
ATMに行く時間がなくって。
Marie : Pas de soucis.
大丈夫よ。
Hanako : Alors, attends un peu. Je vais chercher mon chéquier.
じゃあ、ちょっと待ってね。小切手帳をとってくるわ。
ポイント
chèque / chéquier
「chèque」は 「小切手」、「chéquier」は「小切手帳」のことです。
distributeur
「distributeur」は「分配機・販売機」のこと。後ろに「de ~」とつけると「〇〇販売機」の意味になります。
文中のように「billets 紙幣」をつけて「distributeur de billets」だと紙幣の分配機、つまりは「AMT」ですね。
他にも「distributeur de boissons 飲み物の販売機」「distributeur de tickets 券売機」「distributeur d’essence 給油ポンプ」などがあります。
フランスの小切手事情
小切手というと大層なもの・大きな金額を扱うもの、というイメージをもっていませんか?
ところがフランスでは、銀行口座を所有している個人にも小切手帳が発行され、大小様々な支払いに使用されています。
現金をあまり使用しないフランスでは、日本なら現金で払うような時でもクレジットカードでなければ小切手で支払うのが一般的です。
小切手が廃れないのは、ユーロの現金は偽札の可能性も高く、お店側にあまり歓迎されないという背景もあるのでしょう。
紙幣選別機を導入している小規模店舗が多いことからも、偽札が警戒されているのがうかがえますよね。
偽札をつかまされるよりは、手間がかかっても小切手のほうがマシという感じなのかもしれません。
小切手の使われる場面
クレジットカードの普及とともに使用量が減ってはいますが、まだまだフランスでは小切手を使用する場面は多々あります。
定期的な支払い
ガスや水道に家賃、雑誌の定期購読など、定期的な支払いなら銀行引き落としにすればよさそうですが、小切手を使って支払うフランス人はまだまだ多いようです。
引き落としにすると、解約時や金額に間違いがあった時などの手続きが面倒だから、ただ単に引き落としに変更する手続きが面倒、などの理由があります。
まとまった額額の支払い
フランスの一般的なクレジットカードの限度額は低く、一週間の支払い可能額が数百ユーロというものも少なくありません。
そんなカードを持っている人が、それ以上の金額の支払いをしようと思ったら、支払額の制限がない小切手を使うのが便利ですよね。
日常の買い物の支払い
フランス人は現金をあまり持ち歩かず、少額の支払いでもクレジットカードを使うことがほとんど。
しかしクレジットカードを持っていない人も一定数おり、そんな人たちは日常的な買い物でも小切手で支払いをします。
大手スーパーでは、支払いした小切手の現金化をすぐに行わず、翌月まで持ち越しするキャンペーンなども行っています。
年末年始や新年度の9月など一般的に出費が多い月に行われることが多く、今月家計が苦しいなんて人にはありがたいサービスですよね。
ただ不渡りも多いため、小切手で支払える上限を決めているお店が多いのが現状です。
個人間のお金のやり取り
個人間のお金のやり取りでも小切手は大活躍!
結婚などのお祝い金も現金ではなく小切手が一般的です。直接渡せなくても、小切手なら気軽に郵送できるメリットもありますよね。
文中のように友人に買い物の代金を返すときにも、小切手なら現金が手元になくてもOKですし、きっちり小銭までそろえる必要がないので便利です。
また「ebay」や「leboncoin」のような個人間売買のサイトを使用するのも、小切手なら簡単にやりとりできます。
習い事の支払い
習い事の支払いにも小切手が登場します。
フランスでは新学期がスタートする9月に、習い事も一年分の支払いが必要です(もちろん都度払いや月払いができるところもあります)。
とはいえ、一年分をまとめて支払うのは辛いという家庭も多いため、金額を分けて数枚の小切手を作成し渡しておくという方法もあります。
そうすることで、開催者側は一年分の月謝を確実に確保できますし、習う側もまとめ払いの負担を減らすことができるのです。
まとめ
フランスで生活するなら、小切手は未だに欠かせないものであるのがわかりますね。
次回は、小切手の書き方や受け取った時の扱いについてご紹介します。