家族に恋人を紹介するとなれば、結婚前提かと思ってしまいませんか?ところがフランスでは、恋人を家族に紹介するのは特に深い意味がありません。
今回はそんなフランス人が恋人を家族に紹介するケースについて覗いてみましょう。
目次
週末の家族の集まりと恋人
今日のマリーさんは、週末に実家であったことを花子さんに話しているようです。
会話
Marie: Ce week-end, j’ai passé chez mes parents.
この週末は、実家に帰っていたの。
Hanako: ça s’est bien passé?
楽しかった?
Marie: Oui, comme d’habitude.
ええ、いつも通りよ。
Mon neveu était accompagné de sa petite amie pour la première fois.
甥っ子が始めて彼女を連れてきていたわ。
Hanako: Ils vont se marier?
結婚するの?
Marie: Ah non, pas encore. Il n’a que dix-sept ans.
まぁ、いいえ、まだよ。たった17歳だもの。
Hanako: Ah bon? Sinon, il est quelqu’un de très sérieux.
そうなの?じゃあ、彼はとてもまじめな人なのね。
Marie: Pourquoi tu dis ça?
どうしてそんな風に言うの?
Hanako: Il a présenté sa petite amie à la famille alors qu’il n’a que dix-sept ans.
まだ17歳なのに、彼女を家族に紹介したのでしょ。
Cela veut dire que c’est une relation serieuse.
つまり真剣なお付き合いってことじゃない。
Marie: Sérieuse ou pas, je ne sais pas.
真剣かどうかは知らないけど。
En tout cas, pour le moment, ils sont amoureux…
とりあえず、今はお互いに夢中みたいね。
ポイント
était accompagné de
「accompagner」は「一緒に行く」の意味です。
「était accompagné de ~」で「~を連れて」となります。
Je vous accompagne.
私はあなたと一緒に行きます。
Je suis accompagné de ma fille.
私は娘を連れています。
relation serieuse
「relation」は「関係」、「serieuse」は「真面目な・真剣な」という意味。
「relation serieuse」だと「真剣な関係」と、主に男女関係に対して使われます。
フランス人はカップル行動
フランス人は恋人ができたらカップル行動が基本です。
お休みの時は、どのに行くのもだれと会うのも、2人一緒に行動します。
彼氏の友人との約束に彼女が付いてくるのは当たり前ですし、反対に女性同士の集まりに彼氏がついてくるということもあり得ます。
個人の習い事などには流石については来ませんが、習い事関係の「soirée パーティー」がある場合は、そこに彼氏や彼女がともに参加することもあります。
感覚の違いに注意
日本人は彼氏がいても女子会を開いたり、彼氏なしで飲み会に行くのはごく普通の事ですよね。
男性だって趣味や飲み会に彼女を連れて行かないというのは、ごく普通の事です。
ところがこれがフランス人の彼氏や彼女となると、大問題に発展!
どうして自分が一緒に行ってはいけないのか、とフランス人には理解してもらえないのです。
最悪、浮気を疑われたり、自分の事を好きじゃないと誤解され、お別れの原因になることも…
たまには気の置けない友人とのんびりおしゃべりをしたいと思っても、恋人が必ずついてきてしまって、気兼ねして心から楽しめないなんてこともあります。
説明して理解してもらえればいいですが、こればかりは文化の違いと諦めるか、単独行動に反対しない恋人を見つけるしかなさそうです。
恋人は家族にも紹介
このようにいつでもカップル単位での行動が普通なフランス人ですから、とうぜん家族の集まりにも恋人と共に参加します。
付き合いたてであろうが、高校生くらいの若いカップルであろうが、恋人がいる場合は一緒に参加、となるのです。
毎週末は家族で食事をするという家庭も多いので、その場合は週替わりで彼氏の実家・彼女の実家、と交互に参加することも。
日本人からすると、家族に紹介されるのは心理的ハードルが高いものですが、フランス人にとっては特に特別でもなく日常生活の延長線のようなものなのです。
まとめ
フランス人の恋人に家族の集まりへ招待されると、結婚を考えているのかな、なんて思ってしまいがちですが、普通はそんな深い意味はありません。
相手の両親も「あら、恋人連れてくるのね」というかんじで大仰に受け止めないので、招待されたならフランス人のお宅拝見、くらいの気持ちで気軽にお邪魔してはいかがでしょうか。