フランスのボランティアのアソシエーションの一つ「les Restos du Cœur」。今回はそんな「les Restos du Cœur」の3月の活動について覗いてみましょう。
目次
スーパーで食料品の寄付
3月頭のある日、花子さんはマリーさんと一緒にスーパーで買い物をしているようです。
会話
Hanako: Tu achètes beaucoup de choses aujourd’hui.
今日は沢山の物を買うのね。
En plus, c’est très rare que tu achètes des conserves de plats cuisinés.
それに、あなたが調理済みの缶詰を買うなんて、とても珍しいじゃない。
Marie: Elles ne sont pas pour moi. Je les achète pour les Restos du Cœur.
私のじゃないわ。レスト・デュ・クールのために買うのよ。
Hanako: Ah oui, on est déjà au mois de mars.
ああ、そうね、もう3月だったわ。
Mais est-ce qu’il y a des bénévoles pour la collecte?
でも収集のためのボランティアの人はいたかしら?
Marie: Oui, ils étaient à côté de la porte d’entrée avec des chariots.
ええ、入口のところにカートと一緒にいたわよ。
Hanako: Je n’ai pas fait attention…
気を付けて見ていなかったわ…
Je vais acheter aussi quelque chose pour eux. Qu’est-ce que je peux leur donner?
私も何かレスト・デュ・クール用に買うわ。何を寄付できるのかしら?
Marie: Tu peux donner des produits alimentaires non périssables. Des conserves, des biscuits, des chocolats, etc.
保存のきく食料品を寄付できるわよ。缶詰やクッキー、チョコレートなどね。
Tu peux aussi choisir des produits d’hygiène et des produits pour bébé.
衛生用品や赤ちゃんのための商品も選ぶことができるわ。
Hanako: Pas d’ aliments frais, comme des légumes ou de la viande?
野菜やお肉のような生鮮食品はダメなの?
Marie: Non, pas d’aliments frais. C’est difficile à les distribuer.
生鮮食品はダメね。配布するのが難しいから。
ポイント
conserve de plat cuisiné
「conserve」は「缶詰」、「plat」は「料理」、「cuisiné」は「料理された」という意味。「conserve de plat cuisiné」は温めるだけですぐに食べられるような「調理済みの料理の缶詰」のことです。
日本では温めるだけで食べられる調理済み食品はレトルトパックが主流ですが、フランスではレトルトパックは少なく缶詰が主流。
「cassoulet カスレ」や「blanquette de veau 子牛のホワイトソース煮込み」など定番フランス料理から、「ravioli ラビオリ」までいろいろな缶詰が売られています。
les Restos du Cœur
「Restos」は「restaurant レストラン」の略語の複数形、「Cœur」は「心臓 / 心」のこと。
「les Restos du Cœur」は直訳すると「心のレストラン」で、ホームレスや低所得者に向けた食事の提供をメインに様々なボランティア活動をしている団体です。
「愛のレストラン / 思いやりのレストラン」と訳すとニュアンスが伝わりやすいかもしれません。
produit alimentaire non périssable
「produit」は「製品」、「alimentaire」は「食品の」、「périssable」は「保存のきかない、腐りやすい」という意味。
「produit alimentaire non périssable」は「non」が付いているので「保存のきく/ 腐りにくい食品」ですね。
いろいろな「conserve」や「biscuit クッキー」等のお菓子類の他、乾燥の「pâtes パスタ」「riz 米」などの主食類、長期保存できる「lait 牛乳」などがあります。
les Restos du Cœurの3月の活動
スーパーでの寄付
3月初旬になるとフランスのスーパーでは、自分の「chariot カート」から購入した商品を他の人の「chariot」に入れている人を目にします。これは「les Restos du Cœur」へ寄付をする人たちです。
スーパーに自分の買い物をするついでに、スーパーの入り口などにいる「bénévole ボランティア」に寄付用に購入した商品を渡すことができるので、募金よりも気軽に「les Restos du Cœur」の活動に参加することができます。
「chariot」を使わないような小さなスーパーの場合は、入り口で袋を渡されることもあります。その袋に寄付したい商品を入れてくださいね、ということです。
※寄付の詳細はこちら
資金調達のコンサート
「les Restos du Cœur」は1985年にユーモリスト兼俳優である「Coluche」によって設立されました。そして彼の思想に賛同した有名人によるグループ「Les Enfoirés まぬけ達」による資金調達のためのコンサートが毎年3月に開催されています。
コンサートのチケット収益のほか、コンサートのDVD、「Les Enfoirés」によるテーマ曲のCDの収益も「les Restos du Cœur」の活動に使用されています。
DVDやCD一枚の売り上げで、17食が配布されているようですよ。
まとめ
「les Restos du Cœur」の大々的な募金活動は3月に集中していますが、それ以外の時期でも募金は可能ですし、もちろん食事配布などの活動は年中行われています。
そして2020年は1,500万食を配布し、フランスの恵まれない環境の中生きる人々の支えとなっています。
缶詰一つ・パスタ一袋など気軽に寄付が可能なので、3月にフランスに来られる際は参加してみてはいかがでしょうか。
もっと詳しく知りたい方は公式サイトを覗いてみてくださいね。
※2021年3月の情報です