フランス・復活祭のエッグハント

  1. フランス語会話・勉強

復活祭(イースター)は日本ではなじみの薄い祝日ですが、キリスト教徒の多いフランスではクリスマス並みに重要な日でもあります。

今回はそんな復活祭の日に行われるエッグハントについて覗いてみましょう。

復活祭の朝はエッグハント!

復活祭の日曜日、花子さんはマリーさんのお宅のランチにご招待されました。ランチには早めの時間に来るようにお願いされたようです。

会話

Hanako: Joyeuses Pâques ! Tiens, je vous apporte des chocolats de Pâques.

復活祭おめでとう!はい、復活祭のチョコレートを持ってきたわよ。

Marie: Merci beaucoup, les enfants seront très contents.

ありがとう。子供たちがとても喜ぶわ。

Hanako: Les petits œufs et poissons sont pour eux. Ils sont au chocolat au lait.

小さな卵と魚(のチョコレート)は彼らのよ。ミルクチョコレートなの。

Marie: Je vais les cacher partout dans le salon pour la chasse aux œufs.

エッグハントのために、居間のいろいろな所に隠してくるわね。

Ils ont hâte de commencer.

子供たちは早く始めたくて仕方がないのよ。

Hanako: Je vois, mais attends, j’en ai aussi pour vous.

わかるわ。でもちょっと待って。あなた方にもあるのよ。

Tiens, le chocolat en forme de lapin et de cloche. 

はい、うさぎと鐘の形のチョコレートよ。

Marie: Qu’est-ce que c’est gentil, merci beaucoup!

なんて優しいのかしら、どうもありがとう!

Bon, on va commencer la chasse, sinon, ils vont perdre patience!

さて、エッグハントを始めましょう。じゃないと、彼らがしびれを切らしてしまうわ。

卵とフランスの国旗が入ったイースター バスケット。

ポイント

chocolat de Pâques

chocolat」は「チョコレート」、「Pâques」は「復活祭(イースター)」。「chocolat de Pâques」は復活祭用のチョコレートのことです。

chasse aux œufs

chasse」は「狩り / 採取」のこと。「chasse à 〇〇」で「〇〇の狩り / 採取」となります。「œufs」は「卵」の複数形です。

chasse aux œufs」は「卵狩り」、つまり復活祭のエッグハントのこと。本物の卵ではなく、卵などの形のチョコレートを探す遊びです。

フランスのエッグハントの由来

フランスの子供にとって、クリスマスのお楽しみがサンタさんからのプレゼントだとすると、「Pâques」のお楽しみは「chasse aux œufs」。

Pâques」は移動祭日で、”春分の後の最初の満月の次の日曜日”です。

Pâques」の前にローマで教皇の祝福を受けた教会の「cloche 鐘」達が、土曜日の夜から日曜日の朝にかけて、所属する教会に戻ってきます。

その帰り道に、イエスの復活を祝う鐘を鳴らしながら、フランスの庭中に「œufs」を撒くといわれているのです。

そのためフランスの子どもたちは、「Pâques」の日は起きてからそわそわ、「cloches」が撒いていった「œufs」を集める「chasse aux œufs」が始まるのを今か今かと待っているというわけです。

木製の背景写真に青いリボンが付いたチョコレートのイースターベルで、フランスの優雅さを感じさせます。

復活祭のチョコレートの種類

chasse aux œufs」という名前や由来からも、「chocolat de Pâques」に卵型が好まれるのは納得ですよね。

Pâques」の前は、街中のチョコレート屋さんやスーパーに卵型のチョコレートがずらっと並び壮観です。

ところが「chocolat de Pâques」には、他にもいろいろな形があります。

  • poule めんどり → 再生
  • lapin / lièvre うさぎ / 野うさぎ → 豊穣
  • poisson 魚 → イエスの奇跡

 一見「Pâques」と関係なさそうですが、イエスの復活や春の訪れを祝う(=命の再生)お祭りということを考えると、納得できますね。

もちろんイエスの復活をお知らせしてくれ、しかも「œufs」を撒いてくれる「cloche」もチョコレートのモチーフとして人気があります。

家庭でエッグハント

フランスの「chasse aux œufs」は庭があれば庭に、なければ家の中の至る所にチョコレートを隠します。

子供たちはそれぞれ小さなかごをもって、どれだけ見つけられるか競争するのです。

cloches」が「œufs」を撒くのは夜なので、「chasse aux œufs」は翌日の午前中に行うのが一般的なよう。

午後に行うこともありますが、チョコレート探しを待っている子供たちが我慢できなくなってしまうようですよ。子供に急かされて、ランチものんびり食べていられなくなりそうです。

まとめ

フランスの「Pâques」はクリスマスと同様に家族で集まることが多いのですが、花子さんのようにお友達にランチに招待されることもあるでしょう。

定番ではありますが「chocolat de Pâques」を贈ると喜んでもらえそうですね。

今すぐフランス語を学ぶなら!カフェでのマンツーマンレッスン60分わずか3000円!

今すぐ、無料体験を申込む

この記事を読んだ方はこんな記事も読んでいます

フランスの暗い森の木のテーブルの上にハロウィーンのカボチャ。

フランスのハロウィン

ハロウィンはもともとフランスにはなかった行事ですが、日本と同様アメリカから輸入され、広く知られるようになりました。今回は、フランスのハロウィン事情を覗いてみまし…