フランスを旅行中のAさんとBさん。2人ともフランス語は初心者です。
パリ郊外の駅に着いた二人。
Aさんの娘が紹介してくれた友だちと会い、彼女の家に向かいます。
会話
Simone:Je suis Simone. Etes-vous Madame A?
A:Oui, oui. Appellez-moi Yayoi.
B:Moi, je m’appelle B. Appllez-moi Hiroko.
Simone: Enchantée de vous connaitre.
A,B:Enchantée.
Simone:Etes-vous fatiguées? Prenons l’autobus.
訳)
シモーヌ:わたしはシモーヌです。Aさんですか?
A:はい、そうです。やよいと呼んでください。
B:わたしはBと申します。ひろ子と呼んでください。
シモーヌ:お目にかかれて嬉しいです。
A、B:初めまして。
シモーヌ:お疲れでしょう。バスに乗りましょう。
今週のポイント
Simone :フランス人の名前、読めるようになりましたか?
語尾のeはアクサン(アクセント)が付いていなければ、弱い「ゥ」でした。
そのあとに出てくるMadameも同じ法則で読めますね。
Madame(マダム)は既婚の女性の敬称です。
Je suis (ジュ・スイ)~:「わたしは~です」
英語のI am~に当たります。
やっかいなことに、フランス語の動詞には「活用」というものがあります。
英語でもbe動詞は、Iに対してはam、youに対してはare、heに対してはisなどと形が変化しますね。
しかし、英語は一般動詞については「三単現のs」がある程度で、変化しません。
これが、フランス語では実に細かく変化します。
英語でbe動詞がもっとも変化が激しいように、
フランス語でもbe動詞にあたるetre(エートル)が、もっとも大きく変化します。
複雑なようですが、習うより慣れろで覚えてしまうしかありません。
Je(私は)に対するetreが、suis(スイ)なのです。
Etes-vous(エット・ヴ)~?:「あなたは~ですか?」
英語のAre you~?に当たります。
Vous(ヴ・「あなたは」)に対するetreがetes(エット)です。
フランス語の疑問文は、
①主語と動詞(助動詞)を逆転させる、
②Est-ce que(エスク)のような疑問形の言い方を文頭に付ける、
③語順はそのままで語尾を上げる、などが用いられます。
Oui(ウィ) :「はい」
おなじみ、フランス語のyesです。
でもそういわれなければこのつづりが「ウィ」とは思えないですよね。
つづり字と発音の関係は二重母音についてです。「今日のお役立ち!」を見てください。
ちなみに、英語のNoにあたるフランス語はNon(ノン)です。こちらもおなじみ。
Appelez-moi~(アプレ・モワ~):「~と呼んでください」
英語のCall me~に当たる表現です。
2つ後ろのJe m’appeleの項も見てください。
Moi, (モワ):「私は」
主語であるjeと併用して、強めるときに使います。文末に付けるときもあります。
Ex. Moi, je ne sais pa.(モワ、ジュ・ヌ・セ・パ):「私は知らないよ」
Je m’appele~ (ジュ・マペル~):「私の名前は~です」
英語のMy name is~に当たる表現です。
Appelez-moi~と似た形になっているのが分かるでしょうか?
実はこのappelezとappeleは、元は同じappelerという動詞の活用形なんです。
Je(私) に対する形がappele(アペル)、vous(あなた)に対する形がappelez。
Appelez-moiの主語がないのは、命令形だからです。
なお、m’の部分は「私を」。
「私は私を~と呼ぶ」というのが、この表現の逐語訳になります。
Hiroko:フランス語ではhの音を読まないので、
フランス人には「イロコ」と呼ばれることになりますネ^^
Enchant é(e) de vous connaitre.(アンシャンテ・ド・ヴ・コネートル)
「初めまして/お会いできて嬉しいです」
英語のNice to meet you.にあたる慣用表現。
次の行にあるように、Enchanté(e)だけでも同じ意味になります。
最後に付いている(e)が気になる方、フランス語に向いています。
フランス語は主語が女性・複数などの場合、後ろの形容詞も相応の変化をします。
ここではSimoneもAさん、Bさんも女性ですから、それに対応してeが付いているわけです。
Etes-vous fatiguées ? Prenons l’autobus.(エット・ヴ・ファティゲ?プルノン・ロートビュス)
「お疲れですか?バスに乗りましょう」
Fatiguéは「疲れた」(後ろにesが付いているのは、女性で、複数だからです)。
Prenonsは、辞書に載っている形(原形)はprendre. 英語のtakeに当たります。
Autobusはバスで、l’は定冠詞(英語のtheに当たる)です。
今日のお役立ち!◎フランス語の読み方・二重母音
母音が単独で出てきた場合の発音を見ましたが、
母音が2つ重なった(並んだ)場合はまた別の規則があります。
ai :「エ」の音になります。
au、eau :「オ」の音になります。
eu:「ウ」に近い音になります。
ou :「ウ」の音になります。
oi:「オワ」の音になります。
では練習です。
以下の単語はどう発音すればよいでしょうか?
maison 「メゾン」(意味:家)
soir 「ソワール」(夕べ)
Paul 「ポール」(男性の名前)
oui 「ウィ」(はい)←誰ですか、出来なかった人は!
chapeau 「シャポー」(帽子)
fraise 「フレーズ」(いちご)