フランス語で予約をする方法とは?レストランやホテルはインターネットで予約が取れることもありますが、電話や受付で予約を取る必要があることも多いですよね。
今回はフランス語での予約表現や使い分けについて、例文を通して学んでいきましょう。
フランス語で予約しよう!レストランやホテル・病院の場合と例文
目次
今週は予約があるの!
フランス語で「予約」はどのように表現するのでしょうか。まずは日常的な会話で確認していきましょう。
会話
日本から美味しいお菓子を送ってもらった花子さん、いつもお世話になっているマリーさんにおすそ分けをしようと電話をかけました。
Hanako : Dis, est-ce que l’on peut se voir prochainement ?
ねえ、近々会えるかしら?
On m’a envoyé une boîte de gâteaux japonais que tu avais appréciés.
あなたの好きな日本のお菓子を送って来たの。
Je peux t’en donner quelques-uns.
いくつかあげるわよ。
Marie : C’est gentil, merci beaucoup !
まあ、ありがとう!
Hanako : Moi, je suis libre, soit mardi, soit mercredi.
私は火曜日か水曜日なら時間があるわよ。
Marie : Désolée, je ne peux pas les deux.
ごめんなさい、どちらも無理だわ。
Pour mardi, j’ai un rendez-vous avec le médecin, et mercredi, j’ai réservé une séance de massage.
火曜日は医者の予約があって、水曜日はマッサージの予約をしたのよ。
Hanako : Zut, ce gâteau ne se garde pas longtemps.
あらまあ、このお菓子は長持ちしないのよ。
Ils seront périmés ce dimanche…
日曜日には賞味期限が切れちゃうの…
Marie : Sinon, tu seras chez toi demain? Je peux passer vers dix-neuf heures.
じゃあ、明日は家にいる?19時頃なら寄れるのだけど。
Hanako: Oui, sans problème. Dans ce cas, tu restes au dîner aussi ?
ええ、問題ないわ。それなら、夕ご飯も食べていったら?
Marie : J’aimerais bien, mais j’ai déjà réservé une table au restaurant pour l’anniversaire de mon mari.
そうしたいけど、夫の誕生日のためにレストランを予約しているのよ。
ポイント
On m’a envoyé
この「On」は不特定の人を示す不定代名詞ですね。文中の花子さんの台詞「On m’a envoyé une boîte de gâteaux」では「誰か・ある人が」という意味です。
ここでは 日本のお菓子があることが重要で、送り主が誰であるかは重要ではありません。そのため「On」を使っているわけです。
花子さんはもう1つ「on」を使い「on peut se voir」と言っていますが、こちらは1人称複数の「nous 私たち」の意味です。
話し言葉では「nous」よりも「on」の方が頻繁に登場するので、主語が誰であるかの判断に気を付けてください。
rendez-vous と réserver の違い
日本語の「予約」に該当するフランス語はいくつかありますが、よく使うのが会話文に登場した「rendez-vous」と「réserver」です。
rendez-vous
まずは「rendez-vous」。これは日本でもおなじみの「ランデブー」という単語で、「デート」の意味で知られていますね。
ところが文中でマリーさんは「j’ai un rendez-vous avec le médecin」と言っています。しかしマリーさんは「médecin 医者」とデートをするわけではありません。
実はフランス語の「rendez-vous」は「会合・会う約束」という意味。日本で認識されているような「デート」だけでなく、もっと広い意味で「人と会う約束」全般に使われる単語です。
人と会う約束であれば、恋人だけでなく友達と会う場合でも、はたまた医者・弁護士と会う場合にだって「rendez-vous」を使います。
つまりマリーさんの火曜日の予定である「j’ai un rendez-vous avec le médecin」は「医者と会う約束をしている=医者の予約がある」という意味になるわけですね。
ちなみに、フランスに長期滞在する場合は「préfecture 県庁」で「titre de séjour 滞在許可書」を申請しますが、その手続きにも「rendez-vous」が必要です。「préfecture」自体は人ではなく場所ですが、「titre de séjour の担当者と日時を約束する」という解釈になるため、予約には「rendez-vous」が使われます。
【デートの時はどう言うの?】
フランス語では「デート」と「予約」に同じ単語を使いますが、「デート」だと明確にしたい時は、どんな表現を使えばよいのでしょうか。
恋人とのデートなら「mon petit ami 自分の彼氏 / ma petite amie 自分の彼女」を付けて…
J’ai un rendez-vous avec mon petit ami / ma petite amie.
彼氏/彼女とデートの約束がある。
配偶者とのデートなら「mon mari 自分の夫 / ma femme 自分の妻」を付けて…
J’ai un rendez-vous avec mon mari / ma femme.
夫/妻とデートの約束がある。
恋人や配偶者ではなく、お付き合いが始まる前の気になる相手とのデートのこともありますよね。そんなときに使えるフランス語表現は…
rendez-vous galant
「galant」は「色恋に関する」という意味。これから恋人関係に進展することを期待しつつ会う場合に使える表現です。
例えば「j’ai un rendez-vous avec le médecin」だと「医者の予約がある」ですが、「j’ai un rendez-vous galant avec le médecin」なら「医者と(お付き合いを前提とした)デートの約束がある」という意味になります。
réserver
「réserver 予約する」は、レストランのテーブルや飛行機の席など「場所」に関する予約、もしくは「物」の予約など「人と会う約束以外」に関する予約に使います。
ではマリーさんの木曜日の予定「j’ai réservé une séance de massage」はどうでしょうか?この場合の予約の対象は「une séance de massage 1回のマッサージ」ですね。
マッサージ師さんは居ますが、予約したのは「une séance」であり、マッサージ師さん自体ではありません。そのため「réserver」を使って表現します。
【注意ポイント】
同じ事を「rendez-vous」を使って表現する場合は「j’ai un rendez-vous avec le masseur マッサージ師の予約がある」と予約の対象が「masseur マッサージ師」へと変わるので要注意です。
もう1つ間違いやすいのが「j’ai un rendez-vous chez le masseur マッサージ屋に予約がある」など「chez」を使う場合です。
「chez le masseur マッサージ屋」は人でなく場所だから「rendez-vous」を使うのでは?と疑問に思うかもしれませんね。
この場合は「rendez-vous」の後ろの「avec le masseur」が省略された形です。そのため「réserver」でなく「rendez-vous」を使っているわけなんですね。
フランス語で予約をとる方法
ここからは「rendez-vous」と「réserver」を使って、実際に予約を取る方法を確認しましょう。
rendez-vous
病院や銀行など、日本では予約が不要な事が多いですが、フランスでは基本的に予約が必須です。日常生活に必須な1文ですから、しっかり覚えておきましょう。
「rendez-vous」には「prendre 取る」をつけて「予約を取る」と表現します。
Je voudrais prendre un rendez-vous avec ~, s’il vous plaît.
~との予約を取りたいのですが
「~」には人の名前やその人の役職名などを入れて予約しましょう。
初めての予約などで、誰と予約を取ったら良いか分からないなら「avec ~」は省略OKです。
【医者に予約の電話をする場合】
実際に医者に予約の電話をかける場合の例文を見てみましょう。
Accueil: Cabinet du Docteur Martin. Bonjour.
受付:マルタン診療所です。こんにちは。
Hanako: Bonjour, Je voudrais prendre un rendez-vous avec le docteur Marin, s’il vous plaît.
こんにちは。マルタン先生と予約を取りたいのですが。
Accueil: Vous voulez pour quand?
いつをご希望ですか?
Hanako: Aujourd’hui, si c’est possible.
可能なら今日がいいです。
Accueil: Je suis désolé, il ne peut pas vous recevoir aujourd’hui.
すみません、今日はあなたの予約を受けることが出来ません。
Il y a une place dans l’après-demain à quinze heures.
明後日の14時なら一つ空きがあります。
Hanako: D’accord, je viens dans l’après-demain.
わかりました、明日伺います。
Accueil: A quel nom?
お名前は?
Hanako: Madame Yamada.
山田です。
Accueil: C’est noté. Au revoir, bonne journée.
予約を入れました。さようなら、良い一日を。
Hanako: Merci, au revoir.
ありがとう、さようなら。
【すぐに診て貰いたい時は】
フランスで体調を崩した場合、救急に行くほどの状態ではないならば「géneraliste 一般医」に電話をして予約を取ります。しかし「géneraliste」は常に予約がいっぱいの状態で、診察予約が数日後になってしまうことも少なくありません。
体調を崩して当日に診て貰いたいときは、朝一で電話すると予約がとれる可能性があります(みんな同じことを考えるので、朝一は電話が繋がらないことも多いですが…)。
もしくはどれだけ体調が悪いかを訴え、「C’est urgent 緊急なんです」と伝えると、予約をねじ込んでくれることもありますが、これには高いフランス語力とコミュニケーション能力が必要ですね。
電話で断られても、直接「géneraliste」に押し掛けるという方法もあります。診察を断られる可能性も高いですが、先生によっては少しだけならと診てくれることもあります。
【医者の予約がとれない時は】
体調不良の中、診察予約のために何人もの「géneraliste」に電話をかけ続けるのも大変ですよね。そんなときは「Doctolib」というサイトで診察予約をするのもおすすめです。サイトに登録している「géneraliste」の予約状況が一目で確認&予約ができますよ。
「Doctolib」で探しても、近所の「géneraliste」が見つからないときには、ビデオ診察の器械を置いている「pharmacie 薬局」に行くこともできます。
その場で処方箋も出して貰えるので、今日診て欲しいのに「géneraliste」の予約がとれない場合は、こちらも検討してみてくださいね。ビデオ診察ができる「pharmacie」も「Doctolib」で検索できますよ。
美容院の予約を取りたいという方には、こちらの記事がおすすめです。
réserver
フランスに旅行に行きたい!美味しいレストランに行きたい!そんな場合に役立つ、「réserver」を使った予約の表現を見ていきましょう。
Je voudrais réserver ~, s’il vous plaît.
~を予約したいのですが
レストランの場合、予約するのは「une table テーブルを一つ」。「~」の部分は「une table pour deux personnes 2人用のテーブル」のように「une table pour +人数」の形で伝えましょう。
レストランの予約方法は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
ホテルなら予約するのは「une chambre 部屋を一つ」。「une chambre avec un lit double/ un lit simple ダブル/シングルの部屋」のように伝えましょう。
フランス語でホテルを予約する方法を詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
予約に関する色々なフランス語表現
予約を取ったら一安心。でもそれだけで終わらないこともありますよね。ここからは、予約の確認や変更などに関するフランス語表現をご紹介します。
フランス語で予約の確認
レストランやホテルなどを早めに予約した場合、予約の確認が必要なことがあり、確認しないとキャンセルされてしまうことがあります。
フランス語で予約の確認をする場合は「confirmer 確認する」という表現を使いましょう。
Je vous appelle pour confirmer ma réservation / mon rendez-vous.
予約の確認のために電話しました。
C’est pour le dix janvier à midi, au nom de Yamada.
1月10日の正午、名前は山田です。
予約の確認が必須でない場合でも、トラブルを避けるためには確認をしておくと安心ですね。
フランス語で予約の変更
予約を変更したい場合は、まず予約の内容を伝えます。
J’ai une réservation / un rendez-vous le dix janvier à midi, au nom de Yamada.
1月10日の正午に、山田の名前で予約をしています。
日時を変更したい場合には「modifier 変更する、修正する」を使って希望を伝えましょう。
Je suis désolé(e), mais je voudrais modifier la date / les horaires.
すみませんが、日にち / 時間を変更できますか。
日時を変更する場合、相手方に大きな迷惑をかけることも。特に予約前日や当日などに変更をお願いする場合には、一言「Je suis désolé(e) すみません」と前置きすると良いですね。
人数を減らしたい場合には「prévenir 前もって知らせる」を使って人数変更を伝えましょう。
Je vous appelle pour vous prévenir qu’ aux lieux de trois personnes, on ne sera que deux personnes.
三人のはずでしたが、二人になったので、お知らせするために電話しました。
人数を増やしたい場合は、人数が増えても大丈夫なのか、「pouvoir recevoir 迎えることができる」か聞いてみると良いでしょう。
Est-ce que vous pouvez recevoir une personne de plus?
もう一人追加しても大丈夫ですか?
フランス語で予約をキャンセル
予約のキャンセルには「annuler 取り消す」を使います。
Je voudrais annuler ma réservation / mon rendez-vous, s’il vous plaît.
予約のキャンセルをお願いします。
予約の確認時と同じように、予約の日時と名前を伝えましょう。
C’est pour la réservation / le rendez-vous pour le dix janvier à midi, au nom de Yamada.
1月10日の正午、山田の名前での予約です。
予約していない場合
予約をせずにレストランなどに行くこともありますよね。予約客が多いお店の場合は、店員さんに予約の有無を聞かれることでしょう。
Avez-vous une réservation?
ご予約はありますか?
予約していない場合は、下記のように答えます。
Non, Je n’ai pas de réservation.
いいえ、予約はしていません。
その後に、予約なしでも利用できるか質問しましょう。レストランの場合は…
Est-ce que c’est possible d’avoir une table pour ○ personnes?
○人(用のテーブル)は可能ですか?
ホテルの場合…
Est-ce que vous avez une chambre pour ce soir?
今夜の部屋は空いていますか?
映画や劇場などの場合は…
Est-ce que vous avez encore des places pour ○ personnes?
○人分の席はありますか?
まとめ
フランス語で予約をする場合は「rendez-vous」と「réserver」の違いを理解し、使い分けるのが重要なポイントです。
人との約束は「rendez-vous」、場所やサービスの予約は「réserver」だと、しっかり覚えておきましょう。
フランス語に自信がないときは、電話での予約はハードルが高いものです。メールやサイトから予約できることも多いので、上手に活用してフランス滞在を楽しんでくださいね。