フランス語でメールを送ろう!友達へのお誘いやビジネスメールの書き方
フランス語でメールを書く機会があっても、どう書けば良いかわからないという方も多いですよね。
そこで今回は、気軽に送れる友達へのメールから、ビジネスメールの書き出しや締めの言葉まで、メールの書き方について紹介します。
目次
フランス語で友達にメールを送る
まずは、気軽に送れる友達へのメールの書き方をみていきましょう。ほぼ口語と同じでOKなので、難しく考えずにチャレンジしてみてくださいね。
メールで友達を招待
フランスに住む花子さん、今度の土曜日に友人のマリーさん夫婦をディナーに招待しようと思いつきました。今夜はもう遅いので、メールでお伺いをしてみましょう。
Bonjour Marie,
こんにちは、マリー
Tu vas bien ?
元気?
Est-ce que vous êtes libre ce samedi soir ?
今度の土曜日ヒマ?
Je voudrais vous inviter chez moi pour le dîner.
家のディナーに招待したいの。
Si tu veux, je peux préparer des sushis
良かったらお寿司作るよ
Bonne soirée!
じゃ、いい夜を!
Hanako
花子
- libre (形容詞) 自由な・空いている
- inviter (他動詞) 招待する
- dîner (男性名詞) 夕食
- préparer (他動詞) 準備する
être libre
ヒマです
「libre」は「自由」や「ヒマな」という意味。予定に関して「vous êtes libre?」と質問した場合は「おヒマですか?/お時間ありますか?」という意味になり、誰かに予定を聞くのに役立ってくれます。
ちなみに花子さんはメールの中で最初は二人称単数形の「tu」で話しかけていますが、途中は三人称複数形の「vous」を使って「vous êtes libre?」と質問していますね。
これは花子さんとマリーさんはお友達だから普段は「tu」を使っているけれど、今回のお誘いの対象は複数であることを示しています。
フランスはカップル社会なので、パートナーがいる相手を「dîner ディナー」にお誘いするときは、カップル単位でお招きする必要があります。
「vous」を使うことで、「カップルで来てね」というニュアンスが相手に伝わるのですね。
si tu veux
良かったら
「si tu veux」は「良かったら」という意味で、お誘いの場面だけでなく、フランス人がとてもよく使うフレーズです。
直訳すると「もしあなたがそうしたければ」になりますが、恩着せがましい意味はありません。「vouloir」の使い方は奥が深いですね。
招待の返事
朝起きたら、マリーさんからの返事が届いていました。早速見てみましょう。
Bonjour Hanako.
こんにちは、花子
Merci pour ton invitation.
ご招待ありがとう。
Pour le samedi, c’est avec grand plaisir !!
土曜日は、喜んでお邪魔するわ。
On peut arriver vers quelle heure ?
何時に行ったら良い?
Si tu fais des sushis, j’emmènerai le dessert.
お寿司作ってくれるなら、デザートは持って行くよ。
Bisou.
ビズ
Marie
マリー
- invitation (女性名詞) 招待
- plaisir (男性名詞) 喜び
- dessert (男性名詞) デザート
merci pour~
~をありがとう
「merci」は「ありがとう」ですね。「pour~」を付けることで「~をありがとう」と、何に対してのお礼なのかを明確にすることができます。
- Merci pour ton invitation ご招待をありがとう
- Merci pour ton cadeau プレゼントをありがとう
- Merci pour ta gentillesse ご親切にありがとう
avec plaisir
喜んで
「avec plaisir」は「喜んで」という意味。ご招待いただいたときや、どこかに誘っていただいたときには、「avec plaisir」と答えることで、嬉しい気持ちを伝えることができます。
「grand 大きい」をつけて「avec grand plaisir」と答えることもできますよ。
vers quelle heure
何時ごろに
「vers」は「~ごろに」という意味で、「vers quelle heure」は「何時ごろに」と少し曖昧に時間を尋ねる表現です。
もちろん「à quelle heure」でもOKですが、「vers」の方が曖昧さがある分、少し柔らかい感じがします。
emmener
連れて行く
フランスでは食事に招待されたとき、「じゃあデザート持って行くよ」というのは良くあることです。
文中でマリーさんは「 j’emmènerai le dessert デザートを持って行く」と書いていますね。
「emmener」は「連れて行く」という意味なので、本当はこの使い方はNG。本来なら「apporter le dessert 」が正しい表現です。
しかし話し言葉では「emmener ~」で「~を持って行く」という使い方をするフランス人も多いため、”あれ?間違ってる?”と混乱しないようにしてくださいね。
再び返信
マリーさんからの返事を読んだ花子さん、マリーさんに返事を書きます。
Coucou Marie,
ククー、マリー。
Merci pour ta réponse.
お返事ありがとう
Vers 20 heures, ça vous va ?
20時位で大丈夫?
Et c’est gentil pour le dessert.
デザート、ありがとう。
C’est toujours bon tes gâteaux !
マリーのケーキはいつも美味しいのよね!
Dis bonjour à ton mari.
だんな様にもよろしく伝えてね。
Bonne soirée.
良い夜を。
Hanako
- réponse (女性名詞) 返事
- gentil (形容詞) 親切な
- gâteau (男性名詞) お菓子
ça vous va?
これで大丈夫?
「ça vous va?」は「これで大丈夫?」と相手の意見を尋ねる表現です。花子さんはマリーさんを夫婦で招待したので、ここでも複数形の「vous」を使っています。
c’est gentil pour ~
~について親切です
直訳すると「~について親切です」と何だか大仰な表現ですが、もっと軽く「~をありがとう」のニュアンスです。
dire bonjour à ~
~によろしく伝えてください
「dire bonjour à ~」は「~にこんにちはと言ってね」、つまり「~によろしくね」いう表現。
フランスではカップル単位でご招待したりと、家族ぐるみでお付き合いがある場合が多いため、メールでも「○○にもよろしく」と相手の家族への小さな気遣いをプラスするのが普通です。
友達へのメールの書き方
メールの書き出し
メールは手紙とは違いくだけた伝達方法なので、特に友人とのやり取りの場合、話し言葉で書くのが一般的です。
書き出しも「Bonjour」などが多いですね。いくつか例を挙げてみます。
Bonjour
こんにちは
いわずと知れた「こんにちは」ですね。メールは相手がいつ読むかわからないので「Bonjour」にしておけば無難です。
Bonsoir
こんばんは
「こんばんは」ですが、メールではあまり使われません。もちろん夜に出すメールなら使っても大丈夫ですよ。
Salut
やあ
「やあ」という感じの軽い挨拶です。お友達同士で使われますね。メールでも対面でも、目上の方に使わないように注意してください。
Coucou
ククー
「ククー」というのは鬼ごっこの「鬼さんこちら」から来ているようです。響きがかわいいので、女性に好まれる書き出しですね。
【お元気ですか?】
挨拶の後に、「Tu vas bien ? 元気?」などが続きます。
フランス人は「Bonjour, ça va ? こんにちは、元気?」と口頭でもセットで口にしますが、メールでも同じように書き出す人が多いようです。
友達とはいえ砕けすぎない表現が良い方は、下記のように続けてみましょう。
J’espère que tu vas bien.
お元気ですか?(お元気だと良いのですが)
【お久しぶりです】
Ça fait longtemps qu’on ne s’est pas écrit.
お久しぶりです。
フランス語で「久しぶり」は「Ça fait longtemps que + 過去形の否定形」で表します。直訳だと「長い間~をしなかった」という意味です。
メールで久しぶりと伝えたい場合は「que」以下を「on ne s’est pas écrit お互いに(メールを)書かなかった」としましょう。
「しばらく会っていないね」と伝えたいなら「on ne s’est pas vu 会っていない」と書くことができます。
「久しぶり=長く連絡を取っていなくて寂しい」と伝えたいなら…
Tu me manques beaucoup.
寂しいです。
フランス語の「寂しい」は寂しく思う自分ではなく、対象が主語になるのがポイントです。
「Tu me manques」は直訳だと「あなたが私に欠けている、不足している」。恋人間で使われることが多い表現ですが、友達間でも違和感なく使うことができますよ。
メールの結びの言葉
友達宛のメール最後の言葉で多いのが「Bon ~ 良い~○を」という表現です。
- (Je te souhaite) Bonne Journée 良い1日を
- Bonne soirée 良い晩を
- Bon week-end 良い週末を
- Bonnes vacances 良いヴァカンスを
「Bon ~」以外では、「Bisou キス」が仲の良い女性のお友達同士で良く使われますが、もちろん男性も使えますよ。
「Bon ~」を使った表現は、こちらで詳しく紹介しています。
他にも友達へのメールの最後に使える表現はたくさんあります。「またね」のような、メールのやりとりを続けたい気持ちを伝える表現はこちら。
A bientôt!
またね
Je t’écrirais très vite.
またすぐ書くね。
On reste en contact.
コンタクトをとり続けようね。
J’attends impatiemment ta réponse.
お返事を楽しみにしてるね。
ビジネスや目上の人へのメールの書き方
仕事や大学の先生などへのメールの書き方も確認していきましょう。友達宛とは違い敬語を使う必要はありますが、手紙と比べるとそれほど堅苦しい表現をする必要はないため、尻込みせずチャレンジしてくださいね。
メールの書き出し
メールでは、相手の名前や敬称からスタートします。
相手の名前がわかっている場合は…
Monsierur ○○, / Madame ○○,
相手の名前も性別もわからない場合は…
Madame, Monsieur,
先生に宛てたメールの場合は…
Professerur ○○,
すこし親しみを感じさせたい場合には…
Cher Monsieur, / Chère Madame,
名前や継承の最後に「,」を付けるのを忘れないようにしましょう。
その後には、下記のように直接要件に入ってOK。「Bonjour」のような挨拶を入れる必要はありません。
Je vous écrie pour ~
~のために(メールを)書いています
Concernant ~
~について
Je me permets de vous contacter pour ~
~について連絡をさせていただきます
メールの結びの言葉
ビジネスメールなどでは、「敬具」にあたる表現で結びます。
一つだけ覚えておくなら「Cordialement, 心をこめて」。短いですが、どんな場面でも使える便利な結びの表現です。
「Cordialement, 」だけよりも丁寧さの増す、下記の表現もあります。
- Bien cordialement,
- Cordialement vôtre,
「Sincèrement, 心から」という表現も結びでよく使われます。
- Sincères salutations,
- Bien sincèrement,
- Sincèrement vôtre,
フランス語のメールや手紙の締めで「Je vous pris d’agréer ~」のような長い表現を見たことがある方もいるかもしれませんね。
これも間違いではないのですが、実際のところ、メールではあまり使われることがありません。
メールの場合は、一言「Cordialement」だけでも全く失礼にならないため、無理して長い表現を使わなくても大丈夫ですよ。
フォーマルな手紙に使う長い締めの表現は、こちらの記事で紹介しています。
よろしくお願いします
メールで何かをお願いすることも多いでしょう。そんなときに使えるフォーマルな表現を紹介します。
Veuillez ~
~してください。
「Veuillez ~」は相手に何かをお願いするときに使える丁寧な表現です。「Veuillez」は「Vouloir ~したい」の三人称複数形の命令形ですね。
これだけで「~してください」とお願いする意味になるので、この後に「S’il vous plâit お願いします」を付けないように注意してください。
Veuillez me répondre au plus vite.
出来るだけ早くお返事を下さい。
Veuillez bien vérifier les documents ci-joint.
添付した書類をご確認ください。
veuillez m’informer concernant le délai de livraison.
納品の期限についてお知らせください。
「Veuillez」の代わりに「Merci de ~ ~をお願いします」を使うこともできます。
Merci de me répondre au plus vite.
出来るだけ早くお返事を下さい。
メールの最後に「よろしくお願いします」と書きたいときには…
Merci d’avance.
Je vous remercie d’avance.
Je vous remercie par avance.
これはどれも直訳だと「前もってありがとう」という意味で、「よろしくお願いします」に該当する表現です。
ビジネスなどでも比較的砕けたメールの場合は、「Cordialement」や「Sincèrement」の代わりに、こちらの表現を使うこともあります。
「よろしく」のいろいろなフランス語表現を知りたい方には、こちらの記事がおすすめです。
フランス語メールのポイント
フランス語でビジネスメールなどを書くとき気を付けたいのは、冒頭に主語の「Je」がくる文が続かないようにすることです。
日本語でも「私は~、私は~」という文が拙い印象を与えるのと同様に、文章力がないという印象を与えてしまいます。
例えば下記の文は、どちらも同じ内容を伝えていますが、2つ目の文の方が「Je」が少ないため、メールらしい文になっています。
Je m’intéresse à votre produit, et je voudrais avoir plus d’informations.
↓
Étant intéressé par votre produit, veuillez m’informer en détail.
商品に興味を持ちました。もっと情報が知りたいです。
J’ai l’expérience dans ce domaine, et je serais ravi d’intégrer votre équipe.
↓
Ayant l’expérience dans ce domaine, je serais ravi d’intégrer votre équipe.
この分野の経験を積んでおり、あなたのチームに入ることができれば光栄です。
もちろん完全に「Je」をなくす必要はありませんし、無理して意味が通じなくなる方が問題なので、”できれば減らす”というくらいの意識を持ってみてくださいね。
フランス語メールの件名
フランス語で「件名」は「objet」。最後に目的に合わせた「objet」の書き方をみていきましょう。
l’invitation pour le dîner
夕食への招待
最初に紹介した例文のように、友達を食事に誘うというときに使える「objet」です。
Demande d’information
情報提供のお願い
留学先の学校や気になった商品など、問い合わせメールを送るときに使うことができます。
Demande de réservation
予約のお願い
Annulation de réservation
予約のキャンセル
Modification de réservation
予約の変更
Confirmation de réservation
予約の確認
「réservation 予約」に関するメールは、フランス旅行中にも使う可能性が高い内容です。予約方法が知りたいなど上記以外の内容なら「Concernant la réservation 予約について」と書いてもよいでしょう。
Concernant la commande
注文について
「注文」は「commande」。注文の仕方などについて知りたい場合は「Concernant la commande」、自分の注文についての内容なら「Concernant ma commande」としましょう。
Concernant votre demande
あなたのお求めについて
相手からの質問や求めに対する返信を送るときに使える「objet」です。
「Concernant」の代わりに「Réponse à ~ ~への答え」を使ってもよいでしょう。
まとめ
ほとんど口語で書けるお友達宛のメールは、フランス語のお手紙入門にピッタリです。
ビジネスの相手などで敬語が必要なメールでも、書き出しと結びの表現以外を押さえておけば失礼と思われることはないでしょう。
難しく考えず、気軽にチャレンジしてみてくださいね。