Bonjour, chers amis! こんにちは、みなさん。Comment allez-vous?ご機嫌いかがですか?
フランス語はそれ自体音声としてきれいな言語だと思いますが、有名な詩もたくさんありますよね。
せっかくフランス語をかじるなら、是非原語で味わってみたいもの。
フランスの名詩「秋のうた」
というわけで今週は、「秋の日の/ヴィオロンの/……」の名訳で愛されている「落葉(原題を直訳すると「秋のうた」)」のオリジナルを掲げてみました。
原文
Chanson d’automne
(Paule Verlaine)
Les sanglots longs
Des violons
De l’automne
Blessent mon coeur
D’une langueur
Monotone.
Tout suffocant
Et blême, quand
Sonne l’heure,
Je me souviens
Des jours anciens
Et je pleure
Et je m’envais
Au vent mauvais
Qui m’emporte
Deça, delà,
Pareil à la
Feuille morte.
和訳
落葉
(ポール・ヴェルレーヌ(上田敏訳))
秋の日の
ヴィオロンの
ためいきの
ひたぶるに
身にしみて
うら悲し。
のおとに
胸ふたぎ
色かへて
涙ぐむ
過ぎし日の
おもひでや。
げにわれは
うらぶれて
ここかしこ
さだめなく
とび散らふ
落葉かな。
Vocabulaire
(“<”記号以下は、もとの形(辞書に載っている形)を表しています。また、名詞の後の(m)、(f)は、それぞれ男性名詞・女性名詞を示しています)
- chanson (f) 歌
- automne (m) 秋
- sanglot (m) すすり泣き、[文語で]悲しみ、苦しみ
- violon (m) ヴァイオリン
- blesser 傷を負わせる、傷つける、苦痛を与える
- langueur (f) ふさぎ込むこと、憂鬱、憂愁
- monotone 単調な、抑揚のない
- suffocant<suffoquer 息苦しくさせる、窒息させる
- blême 青白い
- sonne<sonner 鳴る、鳴り響く
- me souvient <se souvenir 思い出す、憶えている
- ancient 古くからある、かつての
- pleurer 泣く
- m’en vais< s’en aller 立ち去る、出かける、行く
- emporter 持ち去る、運び去る
- deça こちらに
- delà あちらに、向こうに
- pareil à ~によく似た
- feuille (f) 葉
- mort 死んだ、枯れた
今週のポイント
l’heure :「時(鐘)」
heureは単に「時刻、時間」と言う意味ですが、ここではsonne「鳴る」と続きますので(主語・動詞は倒置になっています)、「時の鐘」の意味でしょう。
押韻
各節の1-2行目、4-5行目、3行目と6行目が、例えばlongs/ violons、coeur/ langueur、l’automne/Monotoneといった具合に、それぞれ韻を踏んであります。
この詩、あまりにも有名で、堀口大學、金子光晴、窪田般彌等々、錚々たる方々がそれぞれ名訳をものされています。
インターネットなどでも見つけることが出来ますので、ご興味おありの方は是非探してみて下さい。