フランスのショコラ:甘い幸せの味わい方

    1. フランス食べ物

    フランスのショコラ:甘い幸せの味わい方

    パティシエが創りだすスイーツ、素朴で地方色豊かな伝統菓子、そしてチョコレートと魅力的なスイーツがいっぱいの国フランス。

    今回は「フランスのスイーツの世界」をテーマにフランス語を学んでみましょう。

    チョコレートとフランス人

    フランスは世界でも最もチョコレートを愛する国の一つ。スイーツの中でもチョコレートはどこか特別な存在です。

    ファッションデザイナーのソニア・リキエルは大のチョコレート好きで知られる一人。

    フランスの有名なショコラティエであるクリスチャン・コンスタンの著書に序文を寄せたこともある彼女は、チョコレートへの思いをどんな風に語っているのでしょうか?

     Moi, j’aime le chocolat, bonheur de vivre -Sonia Rykiel

    私はチョコレートが好きだ。それは生きることの喜びである

    • bonheur …(m.)幸せ、喜び
    • vivre …生きる

    フランス - 趣のあるフランスのカフェでコーヒーを優雅に持ちながらチョコレートを味わう若い女の子。

    bonheur de +動詞の不定詞」 は「~することの幸せ、喜び」という意味です。

    Le bonheur d’aimer

    愛することの喜び

    Je vous redis mon bonheur de pouvoir travailler avec vous.

    あなた方と共に働けることの幸せを再度申し上げておきます

    また、感嘆文「quel ~」の形で次のように使うこともできます。

    Quel bonheur d’être né(e)!

    この世に生まれてきてとても幸せ!

    le chocolat」,「bonheur de vivre」のように、名詞、カンマの後に無冠詞の名詞(名詞句)が続くものは「同格名詞」と呼ばれます。

    同格名詞は前の名詞を修飾したり説明を加える役割があります。これによって単に「好きだ」というよりもずっとその愛が伝わってきますね。

    この同格名詞は形容詞のように働くので「生きることの喜び(である)チョコレート」のように訳しても良いでしょう。

    同格名詞は人物の肩書や説明にも良く使われます。関係代名詞を使って「qui est …」としても意味は同じですが、同格名詞は文を引き締める効果があります。

    Sonia Ryliel, styliste française et membre du Club des Croqueurs de Chocolat

    (フランスのデザイナーで“クロクール・ド・ショコラ・クラブ”のメンバーであるソニア・リキエル)(croqueur(-euse)… 「むさぼり食う人」の意味)

    Christian Constant・artiste chocolatier

    (ショコラの芸術家、クリスチャン・コンスタン)

    チョコレートの楽しみ方

    Le chocolat en tête à tête c’est somptueux, à la fin d’un diner c’est superbe, c’est le bonheur, un rite, une cérémonie. – Sonia Rykiel

    二人きりでチョコレートを味わうことは贅沢だ。ディナーの最後のチョコレートは素晴らしい。それは喜び、典礼、儀式である

    • en tête à tête … 二人きりで、向かい合って
    • somptieux(-euse) … 贅沢な
    • à la fin de … ~の終わりに、~の最後に
    • superbe … 素晴らしい
    • rite … (m.)(キリスト教の)典礼、儀式
    • cérémonie …(f.)儀式

    フランスのソファでチョコレートを共有する男性と女性。

    スイーツを楽しむ時間は至福のひとときですが、彼女の言うチョコレートを味わう時間とは、ロマンチックで贅沢で崇高な時間でさえあるようです。

    en tête à tête は「二人きりで、向かい合って」という意味で、次のように使うことができます。

    Nous étions en tête à tête.

    私達は二人きりだった

    Laissons les amoureux en tête à tête.

    恋人達を二人きりにしてあげよう

    à la fin de ~ は「~の最後に」という意味。

    À la fin de journée, nous sommes fatiguées, mais heureuses

    一日の終わりに、私達疲れてはいたが、幸せだった

    À la fin de sa lettre il demande de l’argent.

    手紙の最後に彼は金を無心する

    jusqu’à la fin de janvier

    1月末まで

    など、色々な使い方ができます。

    日常のおやつ、ちょっとしたプレゼント、あるいは特別なシチュエーションのお共に。

    フランス人の生活には欠かせない存在のスイーツ、チョコレート。皆さんのとっておきの楽しみ方はありますか?

    ショコラの楽しみ方

    フランスが愛するスイーツ、ショコラ。世界的ショコラティエが創造性を競うために集うパリ発祥のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」の存在はよく知られていますね。

    スイーツをテーマに学ぶフランス語の2回目は「ショコラの楽しみ方」です。

    ショコラは芸術

    ショコラを愛するフランスのファッションデザイナー、ソニア・リキエルが語るショコラの正しい楽しみ方とは?

    Les beaux chocolats il faudrait les numéroter comme des chefs-d’oeuvre, des sculptures, des épreuves d’artiste

    見事なチョコレートというものは、優れた芸術作品、彫刻、版画のようにナンバリングされるべきものだろう。

    et les déguster doucement en buvant du thé de Chine fumé, en écoutant du Mozart.

    それを中国の燻香茶を飲みモーツアルトを聴きながら、静かに味わなくてはならない。

    • numéroter …番号を付ける
    • chef-d’oeuvre …(m.)傑作、名作
    • sculptures …(f.)彫刻
    • épreuves …(f.)版画
    • déguster …~を味わう
    • doucement …静かに、ゆっくりと、穏やかに
    • en buvant du thé …お茶を飲みながら
    • fumé …燻製した
    • en écoutant du Mozart …モーツアルトを聴きながら

    少々長い文ですが、彼女にとってチョコレートを味わうことは芸術作品を堪能するに等しいようですね。

    il faudrait …」は「il faut …」(~しなければならない)の条件法現在形です。条件法現在形には「~だろう」と語気を緩和する働きがあります。

    基本の形容詞にも注意!

    ショコラ

    les beaux chocolats」 とは「美しい」ショコラではなく「見事な、優れた、素晴らしい」ショコラという意味です。

    beaubelle)」という形容詞には、「美しい」だけでなくこのような意味もあります。

    同様に、基本の形容詞で注意すべき意味を持ち会話の中で良く使われるものには、例えば「petit(e)」があります。

    Tu veux un petit café?

    コーヒーでもどう?

    Merci pour ton petit message!

    メッセージをありがとう!

    最初の例は「ちょっと一杯」というニュアンス、二つ目の例は愛情や親しみの意味を表しています。

    このようにごく基本の形容詞も意外と知らない意味を知るためには、辞書をよく読む習慣をつけることをお勧めします!

    意味を想像しやすい-er動詞

    numéroter(ナンバリングする)」という動詞は、名詞「numéro  ((m.)番号)」に 「–er」が付いた形です。

    フランス語は英語と異なり名詞と動詞が同形ということがありませんが、その代わりこのような形の動詞が色々とあります。

    意味が想像しやすく、おまけに「-er」動詞なので活用も簡単ですね。同じような動詞をいくつかご紹介します。

    passionner

     passionner …~を熱中させる  < passion …(f.)情熱、熱中

     La musique le passionne.

    彼は音楽に熱中している

    paniquer

    paniquer …~を慌てふためかせる、パニックにさせる < panique …(f.)狼狽、パニック  

    Ne panique pas!

    慌てないで!

    impressionner

    impressionner …~に強い印象(感銘、感動)を与える < impression …(f.)印象、感動、感銘

    Ça m’impressionne! 

    圧倒されるなあ!

    便利なジェロンディフ

    新聞

    後半の「en buvant du thé」と「en écoutant du Mozart」 は「ジェロンディフ」という形です。

    ジェロンディフには色々な意味・用法がありますが、ここではそのうちの一つ「~しながら」という同時性の意味を表しています。

    Je prends le petit déjeuner en écoutant la radio le matin.

    毎朝ラジオを聴きながら朝食を食べます

    Ne parle pas en mangeant!

    ものを食べながらしゃべらないで!

    この形はとても便利なので、是非マスターして会話で使ってみてくださいね。

    スイーツの会話表現

    ガトー・ショコラ、タルト・オ・ポワール…最近はフランス語のスイーツの名前もすっかりおなじみになりました。

    「フランスのスイーツ」をテーマに学ぶフランス語の3回目は、「スイーツの名前が使われる会話表現」です。

    C’est pas de la tarte!

    【C’est pas de la tarte! 簡単じゃないよ!】

    夕食の用意ができても一向に部屋から出てこない娘を、お母さんが呼びにいきます。

    A: Tiens, la soupe va refroidir….C’est quoi alors?

    ほら、スープが冷めちゃうわよ。あら、それ何なの?

    B: Le devoir de français.

    フランス語の宿題なの。

    On doit écrire une dissertation sur le thème de  «l’aliments génétiquement modifiés et la santé publique» .

    「遺伝子組み換え大豆と人々の健康」をテーマに小論文を書かなきゃならないのよ。

    C’est pas de la tarte!

    簡単じゃないわ!

    A: Ah,c’est vrai, ce n’est pas de la tarte…

    そうね、それは簡単じゃないわね…

    • refroidir …(温めたものが)冷める
    • devoir …(m.)宿題
    • dissertation …(f.)テーマを与えられて書く小論文
    • sur le thème de …~をテーマに
    • aliment …(m.)食品
    • génétiquement modifié(e) …遺伝子組み換えの
    • sante …(f.)健康
    • public,-que …公共の、公衆の
    タルト

    一つ目の表現は「Ce n’est pas de la tarte(C’est pas de la tarte)」=「それは簡単じゃない」です。

    つまり«Ce n’est pas facile»ということですね。厄介な問題や大変な仕事などを指して会話でよく使われます。

    例えばフランス語の「過去分詞の一致」の問題。«L’accord des participes passés, ce n’est pas de la tarte.»,

    小さな子供が二人いて毎日が大変!«Être maman de deux enfants, ce n’est pas de la tarte!» のように使うことができます。

    C’est du gâteau

    【C’est du gâteau それはたやすいことだよ】

    ちなみに肯定形では「C’est du gâteau.(=C’est facile.)」、「それはたやすいことだよ」という言いかたをします。

    「タルト」と「ガトー」をこのように使い分ける理由は誰にも分からないのだそうです。

    la cerise sur le gâteau

    【la cerise sur le gâteau ケーキの上のさくらんぼ】

    さくらんぼ

    これは意味が想像しやすいかもしれません。

    ケーキの上に乗せる赤いさくらんぼのように「全体を仕上げる最も肝心なところ」という意味があり、最も重要な部分であることを強調したいときに使います。

    L’environnement de travail particulièrement agréable, et cerise sur le gateaux, le salaire est tres intéressant!

    職場の環境はとても快適だし、何といっても給料がいい!

    • environnement …(m.)環境
    • particulièrement …とても、非常に
    • agréable …快適な
    • salaire …(m.)給料
    • intéressant …得な、利益のある、(給料が)良い

    また、皮肉を込めて「悪いこと続きの中で極めつけは…」というときにも使われます。

    Le divorce et le un déménagement,c’est la cerise sur le gâteau, le chômage! Quelle année difficile!

    離婚に引越しに、極めつけは失業!なんて大変な年だったんだろう!

    • divorce …(m.)離婚
    • déménagement …(m.)引越し
    • chômage …(m.)失業
    • année …(f.)一年
    • difficile …大変な

    そういえば「ガトー」も「タルト」も「さくらんぼ」もフランス人の大好物。これらにまつわる会話の決まり文句、機会があれば使ってみてくださいね。

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