フランスの復活祭:伝統料理「仔羊」の魅力とレシピ紹介

    1. フランス食べ物

    フランスの復活祭:伝統料理「仔羊」の魅力とレシピ紹介

    季節を感じる食べ物といえば野菜や果物を思い浮かべますが、フランスの春を知らせる食べ物の1つに「agneau 」子羊があります。

    いったいどんな理由で、年中販売されている羊肉が「春の味」といわれているのでしょうか?

    復活祭のメニュー

    春の祝日である復活祭、フランスではどんな料理を食べているのか覗いてみましょう。

    会話

    Marie : Qu’est-ce que tu réfléchi s tant ?

    何をそんなに考えているの?

    Hanako : Le menu de Pâques. Mes amies japonaises viendront pendant les vacances de Pâques.

    復活祭のメニューよ。日本人の友人が復活祭のヴァカンスの間に来るのだけど。

    J’aimerais leur faire goûter  quelque chose de typique français.

    何かフランスらしいものを食べさせたくって。

    Marie : Vous seriez combien ?

    合計で何人いるの?

    Hanako : Nous serions quatre.

    4人よ。

    Marie : Si tu veux rester traditionnel, c’est mieux de choisir l’agneau de Pâques. Le gigot par exemple.

    もし伝統的にしたいのなら、復活祭の羊を選ぶのが良いわよ。たとえばもも肉とか。

    Cela peut être un peu trop pour quatre, mais vous pouvez manger le reste au lendemain.

    ちょっと4人には多いかもしれないけど、残りは翌日に食べれば良いんだし。

    Hanako : J’y pensais aussi. Mais je ne suis pas très doué de la cuisson de la viande au four…

    私はそれも考えたんだけど。オーブンでお肉を焼くのは得意じゃないの。

    Marie : Dans ce cas, je te conseille de préparer le navarin.

    それならナヴァランをおすすめするわ。

    Il peut être moins cher que le gigot, et en plus, tu peux le préparer en avance.

    もも肉より安いうえに、前もって作っておけるもの。

    ポイント

    tant

    tant」は副詞で「非常に・そんなに」という意味。ここでは「beaucoup」とほぼ同じ意味ですね。

    ニュアンスが少し違い「tant」の方は「そんなに(沢山)」の意味が強くなります。

    doué

    douée)」は「才能に恵まれた」という意味の形容詞です。才能というと大げさに感じられますが、自分の得意なことを伝えるときにも使える表現です。

    Je suis plutôt doué de la cuisine.

    料理はむしろ得意だ(得意な方だ)。

    Il est très doué pour la langue. A peine commencer à étudier  le français, il en parle déjà très bien.  

    彼は語学の才能がある。フランス語の勉強を始めたばかりなのに、もうとても上手に話す 。

    Pâques

    復活祭

    フランスの羊とイエスの絵。

    Pâques」とは「復活祭」と呼ばれるキリスト教の中でも重要な位置を占める祝日です。イースターといった方が分かりやすいかもしれませんね。

    イエス・キリストが十字架にかけられた後、3日後に復活した日を祝います。

    移動祝日ですので毎年変わりますが、3月22日から4月25日に位置しフランス人にとって「Pâques」の訪れは春の訪れを意味するものでもあります。

    l’agneau de Pâques

    復活祭の仔羊

    そんな「Pâques」の伝統的なメニューが「l’agneau 仔羊」です。春は誕生の季節でもあるので、仔羊も春に生まれます。

    それだけなら子牛など他の動物でも良いのでは?と思ってしまいますが、仔羊は聖書の中にも登場するシンボルでもあるんです。

    その一つは過越の生贄の仔羊。もう一つはキリストを表す「Agnus Dei 神の仔羊」という名称です。

    旧約聖書に登場する過越のための生贄の仔羊には、穢れの無い生き物を捧げる事で罪を払うという意味があります。

    キリストがそんな仔羊に例えられるのは、十字架にかかることでキリストが人間の罪を贖ったからなんですね。

    仔羊の食べ方

    Le gigot rôti

    もも肉のロースト

    フランスの木製まな板でロースト。

    gigot」は羊や仔羊のもも肉のこと。とはいってもフランスで「mouton 羊」を見かけることはまずないので「gigot d’agneau 仔羊のもも肉」が一般的です。

    他の動物のもも肉にはこの表現は使わないので「gigot」といえば普通は仔羊のもも肉を指します。

    Pâques」には家族で集まって「le déjeuner 昼食」を取るのが伝統的なすごし方ですが、そこで登場するのが「gigot rôti」。

    骨付きの大きな塊肉を、丸ごとオーブンで「rosé ばら色」に焼き上げたものをスライスしていただきます。

    羊と違い仔羊はくせの無い味わいなので、「rosé」のジューシーさと相まって日本人にも好まれそうですね。

    le navarin

    仔羊と蕪の煮込み

    le gigot rôti」は晴れがましさはピカイチですが、ボリューム大なので少人数の集まりには向かないレシピです。

    そんなときは「l’agneau」と「le navet  蕪」を使った煮込み料理「le navarin」がおすすめです。

    ちょうど「Pâques」の時期は春野菜が登場する時期でもあるので、葉つきの瑞々しい蕪を使えば美味しさも一入ですよ。

    煮込みなのでやわらかく仕上がるよう、少し脂身のあるお肉を選びます。「gigot」よりお財布にも優しいのも嬉しい一皿です。

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