フランスの学校には2か月と長い夏休みがあるので、さぞかし宿題も多いのだろうなと思ってしまいます。ところがフランスには夏休みの宿題というものは存在しないのです!
今回はそんなフランスの子供たちの夏休みの学習について覗いてみましょう。
目次
夏の学習帳は本屋で
夏のある日、マリーさんと外出中の花子さんは本屋に寄りたいようです。
会話
Hanako : Est-ce qu’on peut passer à la librairie ?
本屋さんに寄ってもいい?
Marie : Bien sûr. Qu’est-ce que tu veux regarder ?
もちろん。何を見たいの?
Hanako : Je voudrais acheter un cahier d’été.
夏休みの学習帳を買いたいの。
Tu peux m’aider à choisir ?
選ぶのを手伝ってくれる?
Marie : Un cahier d’été pour qui ?
誰のための夏休みの学習帳なの?
Hanako : C’est pour moi. Je voudrais réviser mon français pendant cet été.
自分用よ。この夏の間にフランス語を復習しようと思って。
Marie : C’est très bien ! J’en achèterai aussi pour mes enfants !
それは良いわね!私も子供用に買うことにするわ!
ポイント
Librairie
「librairie」は「書店・出版社」のことです。
日本の本屋と「librairie」の違いは「magazine 雑誌」 が売られていない事。こちらは「kiosque à journaux 新聞の売店」や「buraliste (切手も売る)たばこ屋」で買うことができます。
réviser
「réviser」は「見直す・点検する」などの意味ですが「復習する」の意味もあります。
名詞形は「révision 復習」で「faire une révision de~ ~の復習をする」となります。
フランスにはない夏の宿題
約2か月と日本よりも長いフランスの夏休みですが、なんとフランスには夏休みの宿題というものがありません。
自分が子供の時を思い出すと羨ましい気がしてしまいますが、親の立場からすると子供の学力低下が心配になるところです。
夏休みの学習帳
cahier d’été / de vacances
- cahier ノート・練習帳
- été 夏
- vacances バカンス
そんなフランスで子供たちの夏の学習に用いられるのが「cahier d’été」もしくは「cahier de vacances」と呼ばれる「夏の学習帳」です。
学年ごとにすべての教科が一冊にまとまった物や、教科ごとの物などが色々な出版社から発売されています。
この「cahier d’été」は学校から配布されるものではないので、各家庭の方針によって購入するかどうかは分かれます。
しかし毎年大量に売れているようなので、宿題がないフランスといえ、夏休み中に全く勉強しないという子供は多くないのかもしれませんね。
大人にも人気
「cahier d’été」は子供向けがメインではありますが、大人用のものも発売されており、学生時代の復習をするものから豆知識を学ぶものまで様々です。
子供のように2か月は取れませんが、大人だって2~3週間のバカンスは当たり前のフランスです。「cahier d’été」はバカンス中のちょうどいい時間つぶしにもなるのでしょう。
勉強の代わりに読書
「cahier d’été」を購入しない場合でも、夏休みの間に子供に読書をさせようとする親も多いようです。
フランスでは小学校から夕方まで授業があり、かつ習い事をさせるケースも多いことから、日常的に子供が読書をする時間を取るのはなかなか難しいもの。
2か月と長い夏休みは、フランスの子供たちに読書の習慣を身に着けさせる良い機会といえるのでしょう。
まとめ
夏休みの学習用という位置づけの「cahier d’été」ですが、フランス語学習にもぴったり!
子供用のフランス語学習帳なら自分のレベルに合ったものが見つかります。しかも当然すべてフランス語で書かれているので、現地で勉強している気分が味わえそうですね。
上級者なら大人用にチャレンジしてみるのもフランス語のさらなる上達におすすめです。